生まれて初めてロードに乗る少年のバイクセッティングは異例だらけ |
ロードバイクに「めっちゃ乗ってみたい」と言った中学生を
ロードバイクに乗せる日がやってきました。
少年が乗るロードバイクは私のクロモリのTREK。
ペダルをフラットペダルに交換しポジションを出す準備をして到着を待ちます。
少年の名はMT君。
臨時漕会メカニックのHN氏の息子さんです。
朝8時にお父さんと一緒にMT君がやって来てまずは股下寸法を測ります。
ロードバイクのポジションを出すための最も大切な作業です。
股下寸法の測り方はズボンを作る時の採寸と違って
実際のサドルに跨った状態を再現するように測る事が重要。
用意するものは厚さ5センチくらいの本。
メジャー、そして15センチ幅に線を引いた紙。
15センチ幅に線を引いた紙を壁際にひき
靴を脱いだMT君に乗ってもらいます。
これで正確に15センチ足を開いた状態を再現できます。
15センチというのは左右のペダル間の距離。
壁に背中を付け、股に5センチの厚さの本を挟んでもらいます。
容赦なく本をグイグイ持ちあげます。
もう持ちあがらない高さがサドルに跨った状態の股下寸法になります。
ズボンを作る時の股下寸法より長くなるのが普通です。
「MT君は身長何センチあるの?」
「163センチくらい・・・」
「へぇ~じゃあ股下測るよぉ~」
「え~っと股下は・・・80センチ・・・はっ、はちじゅっせんち?」
「あっ、脚、長いんやね!」
身長から平均的な日本人の股下寸法を割り出す計算式を紹介しましょう。
身長÷2÷1.1=股下寸法
という事はMT君の身長は163センチですから計算式に当てはめると
163÷2÷1.1=74.0909090909・・・
ですから約74センチという事になりますが
実際は、なんと80センチもあったのです。
これは身長177センチの日本人の股下寸法になります。
かなぁ~り脚が長い!
使用するロードバイクのフレームサイズはトップチューブ長50センチ。
ロードバイクの中では最も小さいサイズになります。
股下寸法にサドル高を出す係数(今回は0.885を採用しました)を掛けると
80×0.885=70.8センチ。
このロードバイクのフレームサイズで70.8センチのサドル高を出すとこんな感じになります。

ハンドルは最大限高くしてもこのシルエット。
まるでツールドフランスに出場しているヨーロッパのプロ選手が乗るロードバイクみたいです。
しかし・・・このハンドル落差の大きさ・・・
生まれて初めてロードバイクに乗る初心者のポジションではないよな。
身長163センチで股下80センチという事は
胴の長さは単純計算で83センチという事になります。
この83センチという胴の長さは身長153センチの人の胴の長さに相当します。
いかにこのロードバイクのフレームサイズが小さいとは言え
700Cのフレームですから身長153センチの人が乗るには少し大きすぎる。
ただでさえハンドル落差が大きいのに短い胴を持つMT君に乗れるかどうか・・・
希望の光は手が長い事。
MT君の腕の長さを見ると163センチの身長の人が持つ腕の長さはあるようです。
よく股下寸法のみでロードバイクのフレームサイズを決定する人がありますが
それは危険ですね。
日本人でも白人のように手足が長い人はいます。
もし股下寸法だけでフレームサイズを決定してしまうと
大きすぎるフレームを購入してしまう可能性があります。
フレームサイズの決定は股下寸法はもちろん大切ですが
トップチューブ長(サドルとハンドルの間の距離)も非常に大切なのです。
ロードバイク購入の際は股下寸法と
胴の長さをちゃんと考慮してサイズを選ばなければなりませんね。
大と小二つのフレームがあったとします。
迷ったら小さい方が無難かな。
小さいフレームはサドルを高くしたりステムを長くして調整できますが
大きすぎるフレームは削ることができませんからね。
胴の長さに合ったフレームを選ばなければなりません。
MT君の体は
身長177センチの脚の長さと身長153センチの胴の長さ
そして身長163センチの腕の長さを持っているという事になります。
成長期にある少年は文字通り成長途中。
先に脚が成長して、のちに胴が成長するのかもしれません。
いずれにろ平均的日本人の体型を元にした計算式は当てにならないという事です。
「時間が無い、あとは乗りながら調整しよう!」

実は今回のライドにはもう一人参加者がいるのです。
臨時漕会の若手、ジュニア君。
彼もまだ駆け出しの初心者。
彼を待たせる訳にはいきません。
後はMT君にロードバイクのシフティングの方法を教えます。
父親のHN氏がペダルを回し、
MT君にシフティングをさせます。
ロードバイクの乗り方に関する説明はたったこれだけ。
たったこれだけで
外国のプロ選手が乗る様なセッティングのロードバイクに乗らなければなりません。
細かい調整は乗りながらする。
とにかく我々はジュニア君との待ち合わせ場所に向けて出発する事にしました。
予定のコースは約70キロ。
生まれて初めて乗ったロードバイクはバリバリのレーサーのセッティングになってしまった。
果たしてMT君は走り切る事が出来るのか?


梅雨が明けてすぐの日曜日。
雲が晴れ容赦なく照りつける太陽で気温はグングン上昇して行きました。
今日はここまでしか書けませんでした。
このあとの事は後日必ず書きますね。
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