暑い暑い夏のある日。
私はいつものように七曲りを走っていた。
するとサイクルバッグに荷物を満載したMTBが私の前を走ってる。
徐々に距離が縮まってくると
リヤのサイクルバッグに「福島」と手書きされたプレートが付いているではないか。
これは話しかけずにはいられない。
「福島県から来たんですかぁ?」
「はい、福島から日本一周しています!
今日は、この先に無料キャンプ場があるらしいので
そこを目指して走ってます」
「無料キャンプ場?
ああ、赤穂の円山県民サンビーチか。
あと10㎞か15㎞くらいだよ。
もしよかったら、少し先に道の駅があるから一緒に休憩しない?」
お互いにソロ。
陽はまだ高い。
彼は二つ返事でOKしてくれた。
早速、道の駅ペーロン城で私の彼に対する事情聴取が開始される。
聞くところによると
福島から先ずは北日本を制覇して
今は鹿児島に向かっているのだとか。
「北海道はね、大きすぎて大変でした。
漕いでも漕いでもずーっと同じ景色。
しかも寒かったです」
旅のエピソードを目を輝かせて語ってくれる。
「地震の時は大変でした。
僕も千葉に避難してたんですよ」
仕事は1年働いて辞めたそうだ。
それで日本一周の旅が出来るというわけだ。
「なんで自転車で日本一周をしようと思ったの?」
私の問いかけに彼は明確に答えられない。
いや、私の方が膝を打つような彼の答えを期待しすぎていたのだろう。
19歳の彼は未熟で浅はかで、それでいて擦れていない。
自転車で日本一周をやる明確な目的などあろうはずもないのだ。
しかし、彼が最後に言った言葉に
私たち人間が心の奥底に持つ本能を見た気がしたのである。
「今まで走って来た道は僕にとってどうでもいいんです。
もう、どういう道だか分かったから。
僕にとって大切なのはこれからの道。
まだ見たことがない道にワクワクするんです」
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