私、立場上、自転車初心者の方と接する機会が多いじゃないですか。
それでね、割と、
有酸素運動と無酸素運動を理解していない人が多いなぁ・・・なんて思うんですね。
冗談ではなく、無酸素運動って息してないから無酸素運動と思っている人が居たりするんです。
いや、息が出来ないくらい激しい運動という捉え方は
ある程度、合っていると言えば合っているのかもしれませんが・・・
有酸素運動と無酸素運動という言葉の「酸素」というのは
呼吸する事を指しているんじゃないんですよね。
有酸素運動というのは
脂肪を主な燃料として使うんですが
脂肪を燃焼させるのには酸素が必要なんです。
だから有酸素運動。
対して無酸素運動とは
糖を主な燃料として使うんですが
こっちは酸素が無くてもエネルギー源にできるので無酸素運動と言います。
有酸素運動において
脂肪を燃焼してエネルギーにする仕組みをミトコンドリア系と言ったりしますが
これは細胞内のエネルギーを発生させる器官がミトコンドリアというからなんです。
対して無酸素運動において
糖を分解してエネルギーにする仕組みを解糖系と言います。
こちらの方は代謝物として乳酸が発生する事を覚えておいてください。
そして、御存じのように有酸素運動とは低負荷で持続的な運動で
無酸素運動は高負荷で短時間の運動と言う事になります。
ここまでは教科書的な説明なんで
面倒くさいやと思われるかもしれませんね。
私は、有酸素運動や無酸素運動、
ミトコンドリア系や解糖系などをひっくるめて
車の運転に例えたりする事があります。
車と言っても、想像上の未来の車ですけどね。
どういう風に例えるか、ですが
脂肪と糖という二つの燃料タンクを持つハイブリッドカーに例えるんです。
その未来の車に乗ったとしましょう。
交通量の少ない田舎の坦々とした道を制限速度以下で走る時には
脂肪を燃焼させて走ります。
ところがアクセルを踏み込んで
サーキットを走るような走り方に移行していくと
脂肪よりも糖をエネルギー源とする割合が多くなるんです。
そこで気を付けなければならないのが
乳酸の発生です。
乳酸はエンジンの中に燃料の燃えカスが溜まるイメージなんですね。
アクセルをガンガン踏んで
限界走行をすれば、
その時は速いかもしれませんが
結局、エンジンの中に燃えカス(乳酸)が溜まって
エンジンは動かなくなります。
これが、いわゆる脚が売り切れた状態。
筋痙攣を起こして走れなくなります。
こうならない様にアクセルをどの程度踏んで走るかっていうのが
ペース配分と言う事になるでしょうか。
エンジンの中に燃えカス(乳酸)が溜まらない程度のペースが有酸素運動領域と言う事になります。
そして、更にアクセルを踏んでエンジンの中に燃えカス(乳酸)が溜まり始めるところ、
つまり、有酸素運動領域と無酸素運動領域の境界をAT値(嫌気性域値:anaerobic threshold)と言います。
理論的にはAT値以下のペースで走り続ければ、
ずっと走り続けられることになります。
例えば、200㎞オーバー出石そばサイクリングなんて
朝6時に出たら夕方6時に帰ってくるまで
出石そばを食べている以外は、だいたい走っている事になりますが
AT値以下なら、10時間でも、それ以上でも、筋肉を動かし続けることが出来ます。
じゃあ、AT値って、どういう風に把握すればいいのかというと
これはもう、心拍計のお世話になるのが一番。
乱暴な目安ですが
AT値は最大心拍数の80%付近に存在する感じなんですよね。
だから、最大心拍数、つまり、自分を限界に追い込んだ時の心拍数の80%付近の数値を覚えておいて
ペース配分を考えるんです。
峠なんかもありますから
全行程、AT値以下で走る事は出来ませんが
どの程度なら許容できるだとか、
色々考えて走る事が出来ます。
実は初心者の方にとってペース配分が一番難しいテクニックだと感じています。
ロングライドが出来るようになる早道は
有酸素運動と無酸素運動の仕組みを理解して
心拍計の活用だと思います。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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