瀬戸内海の小さな島に行列ができる |
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2023年 01月 23日
この記事は1月22日(日)の出来事を書いたものです。 冬は降雪の可能性があるので北へは行けない。 そこで日生に行く事にしました。 「早目に腹に何かを入れて それから島に渡ろうか?」 時間は午前10時40分、いくら日生が観光地化したと言っても カキオコ(牡蠣入りのお好み焼き)以外なら、そんなに混んでいるとは思えません。 私はつっちーさんとちゅうさんをバイクラックが設置してあるカフェに案内しました。 ところが、お目当てのカフェは既に行列が出来ています。 「コギコギさん、島の中にも何軒か食べるところありますよ。 もう島に入っちゃいましょうか?」 つっちーさんがスマホのマップを見ながら提案。 行列に並ぶのが苦手な私は 二つ返事で島に渡る事にしました。 島へ渡るには備前日生大橋を利用します。 この橋は2015年4月16日に開通。 先に開通していた頭島大橋と併せて鹿久居島、頭島が本土と陸続きになりました。 開通した当初、自転車仲間の間では 今まで行けなかった島に自転車で渡れるようになったと 物珍しさも手伝って、ちょっとしたブームになってたんですね。 「この橋を渡るのは5年ぶりですかね。 僕が自転車に乗り始めた頃、この坂がきつかった記憶があります。 あの頃、島に渡っても、なぁ~んにも無かったですよ」 ちゅうさんの思い出話の通り、 頭島に小さな雑貨屋とお好み焼き屋が1軒あるくらいで 観光地的なものといえば 鹿久居島にあるキャンプ場とミカン畑くらいのものだったと思います。 橋が架かるまで、そもそも島内を車で走る事はありませんでしたから 駐車場すら無かったんですよね。 ところが今は頭島の入口にある市営駐車場をはじめ 駐車場の確保が商売の重要な要素となっています。 「あっ、あのお好み焼き屋さん行列が出来てるわ」 島に渡れば行列に並ばなくても飯が食えるんじゃないかという淡い期待は 見事に崩れ去りました。 オートバイ乗りの集団や車で島内にやって来た客で 島内も行列が出来ています。 行列が苦手な私達は、行く当ても無いまま島内を進みました。 市営駐車場にはポルシェやアルファロメオのグループが 外車の展示場の如く車を並べていました。 その光景は、この小さな島が観光地であることを物語っている様でした。 「あ~あ、あのお好み焼き屋さんも行列が出来てるわ・・・」 私は苦笑いしながら島の中心にある店の前を通過します。 取りあえず、今は休憩所になっている渡し船の待合所で小休止する事にしました。 休憩中、待合所の前の狭い道を おそらく、駐車スペースを求めて車が行ったり来たり・・・ 「観光客、多いよなぁ~」 「もしかして、僕ら昼めし難民になるかもしれませんね」 ちゅうさんが半分冗談交じりに言うので 私は島の中腹にあるパン屋さんに行く事を提案しました。 私は、おぼろげな記憶を頼りに 路地に入って行きます。 しかし、路地に入ってすぐ、この道は違うと直感します。 「わぁっ!せまっ!」 急坂の上に狭小路。 私は数々の路地に入った事がありますが この路地は最も狭い部類に入ります。 自転車一台どころか 人一人、通るのがやっとと言った感じ。 「これ、家建てるの大変やで! 資材、人力で運ばなアカンやん」 でも、まぁ、ロードバイクですからね。 なんとか、通ることが出来ました。 いかにも瀬戸内の小さな島の路地を抜けた先に これまた小さなパン屋さんがあるのですが 数台止めるのがやっとの駐車場に車は満杯。 しかも行列が出来てる! 「ここまで来たら諦めて行列に加わるか・・・」 私達は仕方なく、行列に加わりました。 そして、その行列に加わっている間も 店の前の狭い狭い道に車がやって来てはUターンしたりを繰り返していました。 「俺、こんな狭い道、車で入るの無理やわ。 ハイエースはもちろん、軽でも大変やで」 大阪や神戸といった都会のナンバープレートを付けた車が 頭島の中を彷徨っているのを見ると 見ているこちらも疲れてしまいます。 「市営駐車場に止めて歩くと遠いし 車で移動すると止めるところ無いし ここは自転車が一番やね」 小さなパン屋さんに入る順番が、やっと回って来て 中に入るも、まだ12時前だというのに、4種類くらいしか選べない状態。 少ない種類のパンをお互い遠慮しながら選んでパンを買いました。 そして私達はバックポケットにパンを詰め込んで 坂を下ります。 先ほど休憩した渡し船の待合所で昼食。 自販機で珈琲を買ってパンをかじっていると コンビニで昼にするのと変わらない様な気もします。 「すっかり観光地になっちゃったよね」 パンをかじりながら、失敗したなという思いが無かったと言えば噓になります。 「都会からわざわざやって来てさ、 駐車場を求めて狭い道を彷徨って 行列に並んで、大変やんね」 なんとか昼めしに辿り着いたけれど 多くの観光客を恨めしく思いました。 「最後に、たぬき山展望台に行こうか」 たぬき山展望台は島の墓地にあります。 コンクリート舗装の激坂を息を切らせて上りました。 到着すると広げられた路肩に何台かの車。 私が、たぬき山展望台に来た中で 最も多い観光客の数でした。 展望台からは 牡蠣筏が浮かび漁船が行き交う瀬戸内の多島美の景色を望むことが出来ます。 案内版に書かれた島名を確認しながら景色を楽しみました。 そして、他の観光客が帰った後、 私は誰に話しかけるわけでもなく呟きました。 「こんな長閑な景色を見て のんびりしたいわね、なんて、観光客の人達は思うのかな?」 とても、のんびりした気持ちにななれなかった自分が 嫌味を述べたんだと思います。 確かに橋の開通は島の人々にとって大きな変化であったでしょう。 便利になったという言葉以上にインパクトがあったと思います。 もちろん、観光地化されて 島の経済が潤うのは歓迎すべき事だと、頭では理解しています。 しかし、島に何も無かった頃を知っている私にとって 瀬戸内海に浮かぶ小さな島の長閑な雰囲気が失われて行く事に 自分勝手な寂しさを感じてしまうんですよね。 ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。 このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。 下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。 ポチはどれでもひとつでいいですよ。 読んだら忘れずポチしてね。
by a-elf
| 2023-01-23 21:46
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