JUNくんとリキさんの奇跡 |
「コギコギさん、
数年ぶりの宿泊付き西はりまサイクリング。
リキさんはJUNくんに会う前に
何かを仕込んでおきたいらしい。
東釜屋のセブンで小休止すると
リキさんは、ニコニコしながらバッグから何かを取り出した。
「これを着ていかないとね」
リキさんが取り出したのは
JUNくんが絵かきやJUNとして作成したTシャツだった。
JUNくんが小さかった頃、
絵を描く事でコミュニケーションが出来ると気づいた淳ママさん。
それ以来、絵かきやJUNとしての人生が始まったのだ。
あまりにもピュアな心から紡ぎ出されるJUNくんの絵は、
学校の先生はもちろん、同級生、ママ友、散髪屋さん、歯医者さん、近所のおばちゃん、オッチャン、だるまのマスター・・・
もしかしたら、地域ぐるみという言葉が適当かもしれない。
私達自転車乗りがその輪に加わったのは
JUNくんが二十歳の時の作品展から。
今年、27歳になるJUNくんとの交流は
7年の歴史があるという事になる。
「いらっしゃい〜!」
私達が到着するとアトリエから元気な淳ママさんの声が聞こえた。
私達を迎え入れるとすぐに
淳ママさんは、ある事に気付く。
「リキさんとJUNの服が一緒!」
絵かきやJUNとして作成したTシャツは数知れず。
数多あるTシャツの中からリキさんが選んだTシャツとJUNくんが着ているTシャツが完全に一致したのだ。
もちろん、サプライズを目論んだリキさんが
事前に伝える筈がない。
「こんな事ってあるのかしら?
この服は今朝、JUNが選んだのよ」
この奇跡を写真に収めるべく2人が並ぶ。
誇らしげにTシャツをアピールするJUNくん。

JUNくんは、それを大きく上まわるサプライズで返したのだ。
私は、目に見えない何かが
この世にはあると信じている。
それは、たぶん、
しっかりと前を向いて生きている人にしか訪れない。
奇跡は、訪れるべき人に訪れるのだ。


