この記事は7月18日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
ダンシングで九十九折れのコーナーをクリアすると
対向車線の山側の路肩にデンキューさんとバスク輪さんが見えました。
デンキューさん心配そうにバスク輪さんの傍に立ち
バスク輪さんは側溝の端を椅子代わりに、しょぼくれて座っています。
外見上、左側の額と脚の露出部分に擦過傷を負っているのを確認。
「動けるか?」
私が問いかけると
バスク輪さんは首をかしげます。
「落車した時、頭を打ったので
落車した時の記憶が無いんっすよ」
程なく、救急車が到着。
コーナーの真っ只中に停車したため
私とデンキューさんが神鍋方面側の、
オマケさんが竹野方面側の交通整理をし
ヒトムさんには救急隊員との応対を担当してもらいました。
バスク輪さんはストレッチャーに載せられながら
救急隊員からの質問に答えている様に見えたので
意識はしっかりしていると思いました。
救急隊員からは豊岡病院に搬送する告げられ
リヤゲートが閉じられると救急車けたたましいサイレンを鳴らしながら
坂を下っていきました。
私達はバスク輪さんの愛車LOOKと共に現場に残されました。
「このLOOK、あとで回収するにしても
どこかに隠しておかなきゃヤバイよな」
私は取りあえずLOOKを草むらに隠す事にしました。
ちょうど隠し終わったところへパトカーが到着。
恐らく、現場に一番近かったパトカーでしょう。
警官からは、事故状況をはじめ様々な質問を浴びせられました。
私達を一番困らせたのは
バスク輪さんのご両親など家族の連絡先や
バスク輪さんの勤務先など、
バスク輪さんの個人情報に関わるものでした。
例えば同じ会社に勤める人たちのグループサイクリングだったら
ある程度の事は答えられたかもしれません。
しかし、基本的にSNSで繋がっている私達には
何一つ満足に答えられるものはありませんでした。
個人情報の類は
バスク輪さんが身に付けているエマージェンシーカードが頼りです。
一通り事情聴取が終わると事故係が到着するので待つように言われ
やがてワンボックスカーのパトカーが到着。
3人の事故係の警官による現場検証が始まりました。
第一通報者(救急車を呼んだ)のデンキューさんが呼ばれ
落車地点を指さして写真を撮影されたりしながら
詳しい事情聴取と現場検証が行われます。
その後、もう一台、パトカーが到着し
現場には3台のパトカーと6人の警官が現場に集結しました。
今回の落車事故の目撃者は
最後尾を走っていたデンキューさん、ただ一人です。
私は警官から事情聴取を受けるデンキューさんの証言で
落車の概要を知る事になります。
まだ頂上に近い九十九折れの右コーナー。
速度抑制のために施された赤いギャップのある区間で
何かにハンドルを取られたように見えた瞬間、
バスク輪さんはガードレールの無い山側に転倒、そのまま側溝に落下しました。
バスク輪さんは側溝内から抜け出せない事にパニックになったのか
手足をバタつかせていたそうです。
そこにデンキューさんが駆けつけて
バスク輪さんを引き上げ、
ただ事でないと悟ったデンキューさんが救急車を呼びました。
時刻は11時10分。
ちょうどこの時、神鍋方面へ坂を上って来たローディーに遭遇。
携帯電話の電波状況が悪くメッセンジャーの電話が繋がらない事を説明すると
彼は坂を下って私達に伝言する事を引き受けてくれたそうです。
私が床瀬そばで彼から落車の事実を告げられたのが11時18分。
電波が繋がって
デンキューさんからメッセンジャーの電話で伝えられたのが11時26分。
以上が落車の概要です。
現場検証の時、警官と一緒に落車の原因になりそうな物が
道路上に無いか探しましたが、それらしきものはありませんでした。
現場の事故処理が終わるとLOOKについては
高価なものだからと警察で預かっていただける事になり
ワンボックスカーのパトカーに載せる事になりました。
因みにLOOKの損傷はハンドルの角度がズレたり
スポークが傷ついたりした程度で軽微なものでした。
私達は道の駅但馬楽座に引き返し
全員ハイエースに乗って豊岡病院へ駆け付けましたが
既にご両親が到着していたので
コロナの影響でバスク輪さんに面会する事は出来ませんでした。
バスク輪さんと直接連絡が取れたのは
翌日の夜、バスク輪さんからかかってきた電話でした。
バスク輪さんによると
脳震盪を起こした影響か
当日の記憶が無く、
気が付いたら病室だったそうです。
看護師さんからは5時間くらい、同じ事を言っていたよと教えられたのだとか。
そして怪我の状況ですが惨憺たるものでした。
まず脳震盪、左肩甲骨骨折、左鎖骨骨折、
右手中指の中手骨骨折、左右肋骨(5~6本)骨折・・・
「落車自体に関しては覚えてないので恐怖心はないのですが、
事故に至る状況を作り出した自分を信じる事が出来ないというか、
どこか自分ではない誰かが事故を起こしたのではないかという
当時の自分と今の自分に乖離を感じてしまっている状況です。
肩の状態も100%に戻る事はないと言われているので、
今はまだ自転車に再び乗ろうという気持ちにはなれない状態です」
バスク輪さんによる悲しい報告が臨時漕会Facebook内でありました。
今回の落車事故については
体のダメージは、もちろん大きいのですが
それに伴って精神的なダメージも大きいです。
何よりバスク輪さんの早期回復を祈るばかりです。
今回の落車事故についても
臨時漕会内で報告、議論されましたが
本人の記憶が無いことから
決定的な落車の原因は不明のままです。
しかし、今回の落車事故の要因を考える事は
今後の安全走行に有意義であると考えます。
次回は、それらについて
私なりの意見を書きたいと思います。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今回は、読者の皆様の安全意識向上に貢献できると考え
本人の同意を得たうえで記事にしています。
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