この記事は8月26日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
自販機で補給した後
再び、ちょっとした坂を上らされます。
そして下った先に見覚えのある建物が見えてきました。
「あっ!小豆島ふるさと村!」
私は思わず声を上げました。
「リキさん、昔、豆イチ(小豆島一周)してた頃
ここで昼めし食って2時半のフェリーで帰ってたんです。
フェリーの時間、間に合うかもしれません」
ここから先は、ある程度、土地勘があります。
精神的に少し余裕が持てます。
ちょっとした坂を上った後は
下りの勢いで一気に土庄まで・・・
そして土庄からは渕崎の交差点を右折して県道26号線に入ります。
いつもなら直進して県道253号線に入り
海岸線の絶景を楽しみながら帰るのですが
豪雨の影響で通行止めの区間があり
やむなく選んだルート。
なぜならこの道は
内陸部を走るため景色が見えない割には
厳しい坂が続くからです。
大きな観音様が見えるので
「観音様の道」と言えば分かりやすいでしょうか。
とにかくこの道は
坂の辛さばかりが際立つ道です。
後続の気配を感じながら
呼吸のリズムを一定にペースメイク。
延々と続く坂道に嫌気がさしたのでしょう。
リキさんが堪らないと言った感じで話しかけてきました。
「コギコギさん、
この坂を迂回するルートは無かったんですか?」
「リキさん、
この坂を迂回するルートが
いつもの海岸線を走る道だったんですよ」
「・・・・・・・・」
やっと頂上を超えて
ダウンヒルに転じると視界が広くなりました。
「海が見えた!」
打ち合わせ通り
屋形崎の夕陽の展望所で後続グループを待とうとした時です。
「パンクしました!」
サヨタップさんの前輪がパンクして走行不能。
この時点で時間は16時15分。
帰りのフェリーの出港時間は17時10分。
乗船するには少なくとも17時には到着しておきたいところ・・・
アップダウンのある残り8kmを
パンク修理をする時間を含め45分しかありません。
程なく、後続グループが合流しました。
バスク輪さんを道案内役に
坂の苦手なサキちゃんをシンヤさんが励ましながら
厳しい坂を上り切りました。
「サキちゃん、坂、大変だったねぇ・・・
あと少しだからねぇ」
そう声を掛けると
ロードバイクを降りていたサキちゃんは
おでこがサドルに付くんじゃないかっていうくらい
下を向いてしまいました。
多分、半泣きだったと思います。
そりゃそうですよね・・・
坂が苦手なのに四方指上らされて
楽勝かなと思った三都半島は
急峻な坂ばかりの過酷なところだったし・・・
しかもフェリーの時間に間に合わないかもしれないというプレッシャーを掛けられ
手を抜くことを許されませんでしたから・・・
「実はサヨタップさんがパンクしてね・・・
今からチューブ交換するんだ」
バスク輪さんに状況を説明すると
「じゃ、僕たちはこの先の自販機で水分補給して
そのまま大部港に向かいます」
そう言葉を残すと
颯爽と大部方面へ消えていきました。
普通に走れば30分ほどで大部港に到着できる距離です。
フェリーの時間に間に合うかどうかは
このパンク修理に要する時間にかかっています。
普通は自分の自転車のパンクは
自分で直しますが
サヨタップさんの自転車歴が浅い事を考えると
ここは私の出番かな・・・
チューブがタイヤに吸着してて苦労しましたが
リキさんのインフレーターを借りたり
タイヤをはめるのは3人がかりだったりで
出来得る限りの最短時間で完了。
先行グループを追います。
やがて大部港の手前で追いつき
最後は殆ど一緒にゴールイン!
到着時刻は16時50分!
フェリーの時間に間に合いました。
「よく追いつきましたね。
僕たち、もう間に合わないだろうからって
晩御飯、どうする?みたいな話してたんですよ」
「ホントはサンワ(大部港すぐそば)のナポリタン食べたかったんじゃないの?」
「ええ、是非、食べようって話してました」
バスク輪さんと、こんな会話が出来るのも
フェリーの時間に間に合ってこそ・・・
「リキさん、3回ともギリギリっすよね?」
「そうだねぇ~
毎回、最後まで楽しいよ」
「俺、時間配分、絶妙やわ」
帰りのフェリーの座席も
行きと殆ど同じです。
違うのは
みんな言葉が少ない事かな・・・
疲れているからでしょうか。
まどろむ様な時間が過ぎていきます。
80km 弱で 1500m up
よく上りました。
その数字の裏側に
たくさんのストーリー・・・
その余韻が疲れと共に心地いい・・・
三都半島、また行く?
いや、行かねぇな
走行距離…80.69km
時間…05:06:37
平均速度…15.79km/h
最高速度…47.52km/h
平均CAD…62
積算距離…9344km
消費㌍…2443kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.129 Max.###
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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