ロードバイクのジレンマ |
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2018年 08月 24日
この記事は8月5日(日)の出来事を書いたものです。 峠の下りを終えて 日陰で少し休憩した後 彼は海岸線の平坦路を走り出す。 速度は見る見る上昇し40km/h代後半に達した。 最早、選ばれし者だけが到達できる領域・・・ 溢れんばかりの才能と 惜しみない努力が 彼を伸びしろだらけの男にする。 レースに出る度に 驚くほどのパフォーマンスを見せた。 彼なら 本当の頂点に立つ日が来るのではないか・・・ 誰もがそう思っていた矢先だった。 あれは、悪魔が彼を陥れるために 路面に仕掛けた罠だったのだろうか? 突如として現れた小さな段差に前輪が乗り上げると 激しい衝撃がハンドルに伝わり 無情にも両手がハンドルから離れてしまう。 その瞬間、 全身が不気味な不安感に染まった。 制御を失ったロードバイクは 45km/hの速度でワイヤー式のガードレールの支柱に激突。 吹っ飛んだロードバイクは数メートル下の海岸に落下。 彼は辛うじてガードレールの向こう、 路肩のコンクリート部分に止(とど)まった。 一瞬、体が落ちかけた時 海岸に落下したロードバイクが見えたそうだ。 彼が救急車で運ばれた第一報を聞いて 奥さんは泣いた。 幸いにも、大破したロードバイクが彼の身代わりになったのか 命に別状はなく 擦過傷と酷い打撲で済んだ。 命があって良かったと ホッと胸を撫で下ろしたのは これで何人目だろうか・・・ 私は、長きに渡り 「安全に走行する」事を訴えてきたつもりだ。 それは、速さを追求したロードバイクが いかに危険と隣り合わせなものか、知っていたからに他ならない。 ヘルメット以外、体を守るものは何も無い。 むき出しの人間が高速で空間を移動する事は 快感であると同時に命を危険に晒す事でもある。 速くなりたいと誰もが思う。 しかし、衝撃は速度の二乗に比例するから トレーニングを積んで 速くなればなるほど 落車した時の危険性は雪だるま式に増すのだ。 これがロードバイクのジレンマである。 天国から地獄へ落ちるのに時間は一瞬で事足りる・・・ それは、明日、 あなたの身に起こるかもしれない。 今日の幸せを明日で終わらせないために あなたは何をするのだろうか・・・ ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。 このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。 下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。 ポチはどれでもひとつでいいですよ。 読んだら忘れずポチしてね。
by a-elf
| 2018-08-24 23:08
| 自転車コラム
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