この記事は4月29日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
キャベツの花畑から少し進むと
海の方へ続く細道が見えます。
道はどこに繋がっているのでしょうか?
キャベツ畑かもしれないし
浜に出るのかもしれません。
「とにかく行ってみましょう!」
私は、この先に何があるのか知りたくて
強引に先陣を切って坂道を下ります。
これが、そこそこの勾配なんですよね。
そこそこの勾配を下るという事は
そこそこの勾配を上って帰らなけらばなりません。
その代償を払ってでも
この細道の先が知りたかったのです。
そして細道を下った先には・・・
ハマダイコンとハマヒルガオの咲く
広々とした浜辺に出ました。
あんなに細い道を下ったのに
まさかこんなに広い浜辺に出るなんて!
穏やかな波が時の流れをゆっくりにしている様です。
私達より先に電動アシストのレンタサイクルでやって来たカップルが
浜辺に仲良く腰を下ろしていました。
「向こうから、元の道に戻れそうだよ」
浜辺を突っ切った先に
道幅の広い道路が見えました。
「牛、飼ってるのかな?」
独特の香りが風に乗ってやってきました。
「こんにちは!」
坂を上りながら
農作業中のおばちゃんに挨拶をすると
少し驚きながらも返事をして下さいます。
「まぁ!こんな坂を!
頑張って!」
坂を上り切ると
また分岐点がやってきます。
「こっちは何があるんだろう?」
私がそう言うと
ショーン君がまた坂を下るんですか?って顔をしました。
私は構わず坂を下ります。
すると再び分岐点が・・・
右へ行こうか、左へ行こうか迷っていると
左からご婦人二人が坂を登って来ました。
「すみませぇ~ん!
この先、何がありますか?」
「この先?
あぁ、浜辺がありますよ。
子供を遊ばせるのに調度良くて・・・
今、子供を遊ばせて帰らせたところ」
「ありがとうございます!」
帰りは急坂を上らなくてはならない事を覚悟して
私は迷わず坂を下りました。
しかし・・・
「小さい浜辺だ・・・
これは、漁業倉庫かな?」
リキさんも浜辺を見渡して一言。
「これだけ小さければ
子供を遊ばせても目が行き届くだろうね」
ちょっと失敗した感アリアリ・・・
申し訳ないのですが皆には急坂を上って
分岐まで戻ってもらいます。
そこで再び・・・
「じゃあ、こっちの道はどんな所に出るんだろう?」
私が坂を下ろうとすると
今度はリキさんも、ええっ、また坂を下るの?
さっき失敗したのに・・・って顔をしました。
しかし今度は見晴らしの良い
まるでプライベートビーチの様な浜辺に出ました。
本土じゃこんな静かな浜辺には出会えないでしょう。
島の人は
心を落ち着かせたい時
きっと、こんな浜辺を歩くに違いありません。
海水が揺らぐ程度の波音が
余計に静けさを増幅する様でした。
「さぁ!坂を下ったら上らなきゃね!」
私は坂が苦手なんですが
今回のメンバーの中では速い方みたいです。
ダンシングで先回り!
なんだか優越感ですね。
ここからほんの少し進むと
浜辺とは全く違う見晴らしの良い景色が現れます。
視界いっぱいに広がるキャベツ畑と瀬戸内海!
大きな木はありませんから
空が広く感じます。
キャベツ畑と瀬戸内海のコラボレーション自体
私には新鮮でした。
はりまシーサイドロードに
こんなに広いキャベツ畑はありませんからね。
それでも
キャベツ畑の向こうの瀬戸内海を
船が行き交う景色が郷愁を誘います。
このキャベツ畑と瀬戸内海が見える風景こそ
前島の風景なんだと思いました。
「日本の原風景」と言うと
美しく手入れされた里山と水田と畑・・・
そして茅葺屋根の民家が点在する景色を思い浮かべますが
しかし、この前島の
美しい浜辺があって
キャベツ畑もあって
坂道があって
そして船の行き交う瀬戸内海が見える風景も
れっきとした「日本の原風景」なんだと思います。
海で隔てられているからこそ
やはり、別世界なのです。
フェリー乗り場に到着すると
ちょうど船が出ようとするところでした。
「まだ乗れますかぁ~!」
私がそう叫ぶと
係員が大丈夫だと片手を上げました。
滑り込みセーフ!
係員は乗船券を確認しません。
前島から乗ってくる客は
往復運賃払ってるだろうから
そこは信用して確認しないんでしょうね。
牛窓の表通りを西へ移動し
紺浦の交差点でショーン君と別れました。
車を停めてある場所まで5kmほど
私を先頭にヒトムさん、リキさんの順でトレインを組んで移動します。
「ヒトムさん、牛窓や前島をポタした後に普通に走ると
なんて単調で退屈な道だろうって思うよね」
「ホント、そうですね。
距離は短くても次から次へ
色々ありましたからね」
ロードバイクで5kmなんてあっという間ですが
それすらも退屈に思える程
変化に富んだポタリングでした。
私達が体験したストーリーは
れっきとしたロングライドに引けを取りません。
ハイエースに戻ってロードバイクを車載しながら
ヒトムさんは、にこやかに呟きました。
「めっちゃ面白かった!」
走行距離は30kmに満たない。
でも感覚としては150kmオーバー・・・
距離では無いんですよね。
ワクワクドキドキがどれだけあったかなんですよ。
行先の分からない道を進む・・・
どんな場所に出るか分からない・・・
素晴らしい景色があるかもしれないし
ガッカリする場所かもしれない。
リスクがあれば代償も払う。
意外な場所に出て好奇心が満たされたり
絶景に心癒されたり
土地の人々と会話したり・・・
しおまち唐琴通りは全長1kmほど
前島は1周6kmほど
そんな短い距離ではありますが
やはり私達は「旅」をしたのです。
そして、やっぱり
歩くよりも自転車の方が楽しい・・・
本気でポタリングすれば心は充実感で満タンになります。
冒頭で
「それじゃあ、私が
ポタリングの何たるかを
お教えしようじゃありませんか!」
なんてやりましたが・・・
どうですか?
少しはポタリングに対するイメージが変わりましたか?
走行距離…29.73km
時間…02:26:50
平均速度…12.15km/h
最高速度…48.10km/h
平均CAD…64
積算距離…7364km
消費㌍…729kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.113 Max.163
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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