この記事は4月22日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
サキちゃんとマイト君と私は
峠の頂上で涼しい顔で待っている仲間に迎えられます。
かと言って
サキちゃんも脚を温存して上りましたから
笑顔で頂上をクリア。
冨土野峠を越えれば、後は下り基調がずっと続きます。
もう怖くありません。
だるま珈琲の営業時間には間に合いませんでしたが
それでも午後7時30分ごろに到着。
「サキちゃん、疲労は?
どんな感じ?」
「全然大丈夫です!」
200kmオーバーライドは疲労困憊のイメージだったかもしれませんが
元気な状態で走り切りました。
ペース配分さえ間違わなければ
200kmは走り切れるんです。
難しいのは自分のマイペースを見つける事なんですよね。
例えば100mを全力疾走して
それを10本繰り返して1000m走るのと
ジョギングで1000m走るのと
どっちが疲労度が少ないですか?
100mを全力疾走して
次、また100mを全力疾走するのに
呼吸を整え、体を回復させるのに
どのくらいの時間が必要でしょうか?
それを繰り返して1000m走るなら
ジョギングペースで1000m走ったほうが
疲労度も少ない上に速い。
これを「ウサギと亀の法則」といいます。
それじゃあ、1000mを最も速く走るペースは?
そういう言われると
明確には答えられませんよね。
それがペース配分の難しいところです。
まずは心拍計やパワーメーターなどの機材から
客観的な数値を読み解くスキルを身に付ける事がいいでしょう。
私は心拍計しか分からないので
そっちの話をしますね。
往路は順調でした。
サキちゃんの心拍を見ながら走りましたが
乳酸が蓄積するような兆候(心拍が上昇傾向になる)はありませんでした。
ところが、お昼ごはんに出石そばをお腹いっぱい食べてから
心拍が一気に上昇に転じます。
往路の心拍より20拍くらい高い。
この理由の一つとして考えられるのが
多くの血液が消化器官に必要になったため。
大量の出石そばを消化吸収するには
それ相応の血液が必要です。
消化器官をフル回転させれば
それだけ脚に回す血液が減りますよね。
脚にも消化器官にも
精一杯血液を送ろうと心臓は一生懸命働くわけです。
だから、心拍が一気に上昇したと思います。
それではその後、
後半になっても心拍は上がったままだったのは
どういう事なんでしょうね。
もちろん素人の私の推測ですけど
やはり、なんらかの疲労の蓄積があったのではないでしょうか。
「疲れ」があったんだろうと思います。
疲労物質を代謝するために血液が多く必要だったと・・・
ここでペース配分のひとつの目安になる考え方を紹介しておきましょう。
まずは有酸素運動と無酸素運動について・・・
話すと長くなるので
ものすごく乱暴な説明なんですけど
運動で発生する乳酸を
自分の呼吸で持って来れる酸素で代謝しながら走るのが有酸素運動。
だから乳酸は蓄積しません。
ずっと走り続けられます。
運動で発生する乳酸を
自分の呼吸で持って来れる酸素だけでは代謝出来ないのが無酸素運動。
代謝しきれない乳酸が蓄積するので
やがて走れなくなります。
有酸素運動から負荷を上げると
やがて無酸素運動に転じます。
その境界をAT値といいます。
有酸素運動の範囲だったら乳酸を蓄積させないで走り続けられるんですよね。
という事はAT値以下で走り続ければ
どんなロングライドも怖くない事になります。
有酸素運動と無酸素運動の境界の値
すなわち、自分のAT値を知る事がペース配分のキモになります。
ではAT値って
どうやったら分るの?
もちろん日々の練習で
心拍を観察し続ける事で
自分のAT値を探るんですが・・・
ちょっとした経験則みたいなのがあります。
それは・・・
最大心拍数の80%付近にAT値が存在する事が多いというもの。
今回、サキちゃんは心拍計で200っていう数字は見た事があるようでした。
それが最大心拍数とすれば
200の80%ですから160、
サキちゃんのAT値は160付近に存在することになります。
160を超えない様に走れば
理論的には、ずっと走り続けられる。
もちろんAT値っていうのは域値で
グレーゾーンみたいなもんです。
曖昧な境界値なんです。
そしてAT値は変化します。
トレーニングすればAT値は高くなります。
体調が悪ければ低くなります。
だから目安でしかないんですが
自分のAT値を知っていると
どうペース配分するかが見えてくる。
峠の上りでAT値を超える部分は、どのくらい許されるか?
下り基調は脚を回復射させるのか?それとも攻めるのか?
色々考えて走れますよね。
サキちゃんもAT値が分かれば
前を牽いてくれる人に色々、注文を付けることが出来ます。
心拍計を見ながら
「私、このペースじゃ脚、もたないんで
もう少し下げてもらえますかぁ~」とか
逆に
「このペースなら、まだ余裕なんで
もう少し上げてもらってもいいですよぉ~」とか・・・
マイペースを把握する事で
グループライドでも失敗は少なくなると思います。
なんせ脚が売り切れて
どうにもこうにも走れなくなるのが一番迷惑と言えば迷惑ですしね。
あと無酸素運動は
私、サラ金地獄と思うんです。
AT値を少し超えるくらいなら(少しの借金なら)なんとかなっても
AT値を大きく超える、例えばAT値より30拍高い心拍だったら
乳酸は大きな借金ですよ。
サラ金は利息が大変ですから
乳酸は雪だるま式に蓄積して
どうもこうもならなくなります。
こういうのを酸素負債って言います。
サキちゃんも
これからは心拍計の数字を読み解きながら走ると思うので
ロングライドで疲労困憊は無くなるんじゃないかと期待してます。
今日は久しぶりにペース配分について話しました。
走行距離…217.02km
時間…09:30:14
平均速度…22.83km/h
最高速度…55.83km/h
平均CAD…77
積算距離…51510km
消費㌍…4337kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.124 Max.###
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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