最近、ロードバイク人口の増加が著しいですね。
走っていて
ローディーにすれ違う回数が増えました。
特に、女性ローディーの割合がグンと急上昇している様に思えます。
やっぱり、女性向けのウエアやロードバイクが充実してきましたもんね。
ロードバイクに乗る魅力を理解してくれる女性が増える事は
男性ローディーとして単純に嬉しく思います。
しかし、ロードバイク人口が増えるという事は
それだけロードバイク初心も増えるという事。
そうすると初心者特有の落車や事故も増えるという事なんですね。
最近、初心者の女性ローディーと思われる方の
下り坂での落車の状況を仲間から聞く機会がありました。
今日は、その事について書こうと思います。
さて・・・
女性は一般的に男性より体が小さくて力も弱い事が多いです。
それ故、ロードバイクに乗り始めて
多くの女性が感じるのが
ロードバイクのブレーキの利きの悪さなんですよね。
「クロスバイクに乗っていた時は
ブレーキの利きが悪いなんて思ったこと無かったのに
ロードバイクに乗り換えると
下り坂が怖くて怖くて・・・」
そんな風におっしゃる方もいます。
彼女達が言うブレーキの利きの悪さというのは
但し書きが必要で
多くはブラケットポジションでの利きの悪さの事を指します。
ブラケットを握った状態でのブレーキングは
ママチャリやクロスバイクのブレーキングとは異なります。
ママチャリやクロスバイクは
それこそ思いっきり手の平をグーにすれば
ブレーキは利きますが
ブラケットポジションでのブレーキングは
手の平をグーにするのとは違います。
手首の返しも必要で
ちょっとしたコツがいるかもしれません。
どちらが力を入れやすいかと言えば
ママチャリやクロスバイクのブレーキングに軍配が上がります。
ブラケットポジションのブレーキングは
それらに比べれば制動力が劣ると言えるかもしれません。
しかし、ロードバイクでも
下ハンを握った状態でのブレーキングなら
ママチャリやクロスバイクと同等、またはそれ以上の制動力を得られます。
下ハンでブレーキングする時
それこそ思いっきり手の平をグーにする感じですからね。
ただ・・・
下ハンを握る事自体
初心者の女性には敷居が高いのです。
そもそも下ハンがあるのはロードバイクだけです。
ロードバイクのハンドルが
どうしてあんな形をしているのか
理解で出来ないまま乗っている方多数です。
腕をつっかえ棒にして
ハンドルにもたれ掛かる様なフォームだと
正しく下ハンを握れません。
結局、下ハンにもたれ掛かるだけになります。
下ハンをちゃんと握ろうと思えば
下ハンを握ってハンドルを引くフォームが出来ないとダメですからね。
下ハンを握って前傾を深くすると
上目遣いにしないと前方をよく見れない。
初心者は視界を広くしようと上半身を起こします。
だから多くの初心者は
ちゃんと下ハンを握れない・・・
という事は
ブレーキングに関しては制動力が弱いままという事になります。
それでも男性はまだいいんです。
女性に比べて力がありますから・・・
問題は女性です。
一般的に男性より手が小さく力も弱い。
そんな女性のブラケットポジションでの制動力は
男性が想像する以上に弱いものになります。
だから男性目線で
上りさえすれば何とかなるだろうという考えは危険です。
以前、こんな事がありました。
セーテンさんとレンちゃんの夫婦と
仲間でサイクリングした時の事です。
レンちゃんはバリバリの初心者でした。
下り坂が怖いという症状をはじめ
お尻が痛いだとか肩がこるだとか腕が痛いだとか
初心者によくある症状を訴えていました。
そこで、それらの症状を一気に解消すべく
室内でローラー台を用いたコギコギレッスンを行ったのです。
もちろん
下ハンを握る練習もしましたした。
その後、70~80kmくらいを実走して
ローラー台での練習を確かなものにしました。
それから数カ月・・・
いよいよレンちゃんもセーテンさんや仲間と一緒に
サイクルイベントに出る事になりました。
本格的な上りを含むイベントです。
不安だった本格的な上りも
みんなでゆっくり上れば大丈夫でした。
そして、いよいよ下りです。
ブラケットポジションでブレーキを掛けながら下っていました。
しかし、本人の意思とは裏腹に
勾配が急になったところでスピードが上昇。
レンちゃんの力では
ブラケットポジションのブレーキングでは制動力が足りない勾配だったのです。
加速するレンちゃんにセーテンさんはどうする事も出来ません。
このままだったら大変なことになる・・・
セーテンさんの顔が青ざめました。
咄嗟に、レンちゃんは下ハンを握ってブレーキを掛ければ
強い制動力を得られると教わった事を思い出しました。
しかし、既にかなり速いスピードに達しています。
下ハンに握りなおそうと思えば
一瞬、ブレーキングに空白が出来ます。
その瞬間、更に加速する・・・
両方の手を握りなおす事は無理!
そこでレンちゃんは
まずは右手だけを下ハンに握りなおしたのです。
すると、必要な制動力を得られたロードバイクは減速し始めました。
充分減速したところで
今度は左手を下ハンに持ち替えました。
もう、大丈夫です。
「コギコギさんに教えてもらってて良かったです」
坂を下ったところで
セーテンさんとレンちゃんが神妙な表情を浮かべていたのを思い出します。
レンちゃんが勇気を出して
まずは右手だけでも下ハンを握ってブレーキングしたのが大きいですよね。
レンちゃんのロードバイクは右が前ブレーキでした。
下りでは荷重のかかる前ブレーキが最重要です。
後ろブレーキを掛けたところで
荷重がかかっていないため
タイヤは容易にロックされます。
コーナーならドリフトする様に滑り
直線ならロックしたまま引きずられる感じになります。
もし、レンちゃんがブラケットポジションだけで止まろうとしていたら・・・
考えただけで背筋が寒くなります。
10%の勾配でしか止まれない制動力であったとして
15%の勾配が続けば
すなわち加速し続ける事になります。
時速は考えたくもありません。
50kmはおろか60km、70kmにも達する事でしょう。
そうなれば誰も助ける事は出来ません。
サドルの上は一人きり・・・
落車するまで止まらないという事です。
そんなスピードでガードレールやカーブミラーに激突したら・・・
体は原形をとどめず
命を失ってしまうでしょう。
レンちゃんは本当に下ハンでブレーキング出来て良かった・・・
私は何が言いたいかというと
「下りを甘く見るな」という事です。
どうしても、体力が必要な上りにばかり目が行きますが
上りは落車しても死ぬことにはなりにくい。
絶対的なスピードが遅いですからね。
しかし下りは
本人が持っている技術以上のスピードに
容易に達することが出来ます。
そしてそのスピードは
いとも簡単に命を奪ってしまうのです。
私達はこういう悲惨な事態を防ぐため
どんなことが出来るでしょうか?
サドルの上は一人きりですから
まずは本人がロードバイクについて
しっかり勉強するのが第一でしょう。
それにプラスして
周りの経験者がアドバイスする事。
その下り、彼女の力量で安全に下れるかどうか・・・
初心者が多く参加する様なサイクルイベントを運営する人たちは
下りの危険性についての事前告知をしっかりとしておくべきでしょう。
少なくともコースに本格的な下りがある場合は特に・・・
取りあえずロードバイクに乗れるようになった彼女と
色々なところへサイクリングに行きたい気持ちは分かります。
でもね、少し立ち止まって
まずは彼女がしっかり止まれるかどうかを確かめて欲しいんです。
しっかり上れるより優先されるのは
しっかり止まれる事なんです。
当たり前すぎて
実は見過ごされていないでしょうか?
不十分な制動力で
下り坂で何とかなるは無いのです。
今回、仲間から聞いた
初心者と思われる女性の落車について
せっかく楽しいサイクリングだったのに・・・
せっかくロードバイクに乗ってくれたのに・・・
せっかくロードバイクが人生を豊かにするはずだったのに・・・
あんな事になってしまって・・・
本当にいたたまれない気持ちです。
願わくは
彼女が再びロードバイクに乗れる日が来ますように・・・
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
ポチはどれでもひとつでいいですよ。
読んだら忘れずポチしてね。
にほんブログ村