ファイナルラップの巡り会い |
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2017年 08月 21日
この記事は7月29日(土)の出来事を書いたものです。 前回からの続きです。 このまま走るのか それともレースを止めるのか・・・ 私を走らせていたのは迷いだったかもしれません。 積極的に攻めるモチベーションを得られない一方 レースを棄てる勇気も持てず走り続けた・・・ やがて雨が上がり路面は再びドライになりました。 「このレース全体のペースが速いぞ・・・」 周囲の失速が少なく思えたのは 自分の体が重かったからでしょうか? いや、それだけではありません。 降雨によってペースダウンを余儀なくされる場面もありましたが 長くは続いていません。 それよりも降雨による気温低下。 そして風が無い事・・・ これらの好条件が全体のペースを上げていたものと思われます。 「やっぱりこのレースは棄てられない」 体調維持に失敗したとはいえ それまで単独で追い込み練を重ねていたのも事実・・・ 不完全とはいえ どこまで自分を高められたのか見極める必要があります。 一旦ペースを落としたことで回復した気力と体力を 残りのレースに注ぎ込む事にしました。 前へ・・・ 私はやっと闘争心を取り戻したのです。 ラップタイムを確認して どう周回するかを考えます。 誰かの後ろに付くのか それとも自分が前に出るのか・・・ その地道な戦いをどれだけ続けたでしょうか。 「コギコギさぁ~ん! あと1周っすよぉおおお!」 ファイナルラップで後ろから声を掛けてくれたのは だるまジャージに身を包んだ住友輪業さんでした。 思えば彼は いつも私を助けてくれた。 「コギコギさん、前、牽きますよ」 「いいよ、付いて行くの無理だから・・・ 先に行って!」 「大丈夫、俺も脚、スカスカっすから・・・ 先頭、牽き過ぎました。 ラップはどのくらいっすか?」 「7分30くらい」 「了解です」 ファイナルラップでチームメイトと巡り合わせるのは レースの神様のなせる業でしょうか。 見慣れた背中が私を空気抵抗から守ってくれます。 勝手知ったるチームメイトの後ろに付いて 私の闘争心が輝きを増したのを感じました。 しかし、アトウッドの終わったモスエスから まさかの先頭交代の合図。 「最後は回して行きましょう!」 住友輪業さんの なかなか粋な計らいでした。 「コギコギさぁ~ん あと50秒!」 「もう少し! 最後まで垂れない!」 後ろから叱咤激励! これも、チームメイトゆえの粋な計らいです。 「うぉおおおおお!」 最後に私は声を上げながらもがきました。 チェッカーフラッグが振られる中を 私はハンドルを投げてゴール! ピッ! 計測タグが反応する音ですべてが終わりました。 もう苦しい事はありません。 そして、もう闘争心も要りません。 「住友輪業さん・・・ 実はね・・・」 ゴールして初めて 私は自分の体調の事を打ち明けました。 我慢して着ていた鎧を脱がせてくれたのは やはりチームメイトだったのです。 ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。 実はこの時、途中で声を掛けてオーバーテイクしたはずのatushiさんが 私たちに付いて来ていたんですね。 脚を使い切って失速していても 仲間のトレインに乗る事で 最後に息を吹き返したのです。 人間とは本当にメンタルな生き物ですね。 このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。 下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。 ポチはどれでもひとつでいいですよ。 読んだら忘れずポチしてね。
by a-elf
| 2017-08-21 22:53
| レース
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