タイムはお金で買える? |
前回からの続きです。
高梁ヒルクライムレースは全長15km、標高差398m、平均斜度2.6%
一般的なヒルクライムレースに比べて平均斜度が低いのが特徴です。
ですから、ドラフティングを利用したロードレース的要素も加わります。
平均斜度が低いから
上りの苦手な自分でもなんとかなる・・・
そんな風に思って出場しましたが
ふたを開けてみると
「やっぱりヒルクライムレースじゃねけか」と思ったのを憶えています。
私にはロードレース的になんて走れませんでした。
「去年と同じ力を出せば
機材が良くなっている分、速くなっているはず・・・」
スタートの号砲が鳴れば
去年より速い自分に出会えるはずなのです。
私の横のタイプRさんは、かなり緊張している様です。
彼のロードバイクのトップチューブには
コースの目安ごとの距離と目標タイムが書かれた紙が張り付けてありました。
カウントダウンのアナウンスと共に
集団に緊張が連鎖していきます。
「スタート!」
堰を切ったように集団が動き出すと
タイプRさんは先頭集団に残るべく飛び出していきました。
私はタイプRさんの背中を追いますが力不足、
追走する事は出来ません。
「もう少し・・・
高い心拍を!」
私の心拍はスタートして暫く160代に留まっていました。
ヒルクライムレースでは殆ど170以上の平均心拍です。
170以上の心拍で走り続ける根性が無ければ話になりません。
先頭集団から、こぼれ落ちてくる者が
脚が合う者同士、小集団を形成していきます。
私は3人の列車を形成しました。
と言っても、この列車は
先頭集団の様な高度な先頭交代は起こりません。
自分が得意な勾配の時は前に出て
苦手な勾配の時は後ろに下がる・・・
ただそれだけです。
しかし、下りの追い越し禁止区間が終わり
緩やかな上り基調になった時、私はギヤを3枚重くしました。
「ここで俺が前に出る!」
カン、カン、カン!
得意の下ハンダンシングでスパートを掛けました。
それまで3番手を走っていた人は
恐らく、この瞬間、千切れました。
しかし、それまで先頭を牽いていた人は
私のスパートに反応してピッタリ付いてきている気配・・・
シッティングに切り替えて
勾配が増したところで私が失速。
強制的に先頭交代。
私は前を追いましたが
徐々に引き離されていきます。
ここから後は一人旅・・・
残りの距離を確認しながら
諦めの気持ちを押さえつけます。
「あれ?
去年より抜く数が多い・・・」
上り勾配であるはずなのに
その勾配を感じない瞬間がある。
今まさに、これまでと違う世界にいるのです。
吹屋の街並みが見えて
ゴールライン手前の急坂をダンシングしました。
ゴールラインを越えてサイコンのタイムを確認・・・
「やった!
すげぇえええ!」
ふるさと村の広場にはレースを終えたメンバーが待っていました。
「コギコギさん、
どうでした?」
「そりゃ去年より速いさ!」
正確なタイムは下山してみないと分かりません。
しかし、相当速くなっている事は確かです。
下山するまで色々ありましたが
今回は、そういう事をすっ飛ばして
下山してからのメイン会場に場面を移しましょう。
リザルトが出た事が分かると掲示板の前には黒山の人だかりが出来ました。
掲示板を見て「やった!」なんて言いながら立ち去る人もいれば
何も言わず、うつむいて立ち去る人もいます。
私も目を凝らして自分の名前を探しました。
「あった・・・
すげぇ・・・
3分16秒・・・
縮んだ・・・」
「コギコギさん!
どれくらい速くなりましたか?」
「3分16秒、縮んだ!」
「へっ?
さ、さ、さ、3分?」
「そう、3分16秒」
「マジっすか!」
1分縮めるのに必死のトレーニングが必要なのに
私は機材をRFX8からRS9に変えるだけで3分16秒も縮める事が出来ました。
RS9すげぇ・・・
15kmのヒルクライムコースで3分16秒短縮・・・
そう・・・
タイムはお金で買えるのです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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師匠の本来の力が 機材によって生かされた…という事ですね!^_−☆
記録大幅更新 おめでとうございます!\(^o^)/
確かにタイムはお金で買えると言うことも言えますね。
別の言い方をすれば、エンジンに合った機材だからその性能を発揮できると思います。私のように貧脚だと機材で多少タイムが良くなっても、本来の機材の性能を引き出すことはできませんから、結局コストパフォーマンスは低くがっかりするだけかも。スポーツ全般に言えると思いますが、特に自転車は機材と体のバランスが大切だと思います。だからフィッティングなども重要なんですよね。
3分以上縮まれば、やはり実感できますよね^^
機材と実力がマッチングすれば・・・ですね(笑)
記録更新おめでとうございます!!
私も来年、今年の自分に勝てるよう頑張らねば^^;
自転車コギコギ日記や、他のブロガーさんのブログをみて初めて高梁ヒルクライムに参加しましたが、本当に楽しかったです。前日から輪行で現地入りしてたので地元の方と触れ合う機会もあり来年もぜひ参加したいと思ってます。
きっかけをつくって下さったコギコギさんに感謝です。
機材が良くなるとモチベーションアップの相乗効果もあって速くなるんでしょうね。
でも、言い訳できなくなっちゃうんですよね(汗)
僕の場合、それがポジションやトレーニング方法を見直すきっかけになったような気がします。
RFX8の剛性が相当失われるまで乗ったので
その差が大きかったんでしょうね。
機材とのバランスという事では
私にはRS9と相性がいいという事でしょう。
ダンシングが好きな私にはRS9はピッタリだったのかもしれません。
おっしゃる通り、新しい機材を導入して
ここまで変わればニヤニヤが止まりません。
乗ってて走行感が全然違うんですよね。
速くなってるのを感じますもん・・・
でも来年は・・・
かなり強い自分が相手となりますね。
老化とも戦う2正面作戦ですから
厳しい戦いになりそうです。
ロードバイクの楽しさの扉を
また一つ開くことが出来たなんて
ブロガー冥利に尽きますよ。
是非、他のレースやイベントにも参加してみて下さいね。
因みに15kmのコースで3分縮んだのは
私の努力は一つも無くて
純粋に機材のお陰です(^^)