棄てれば楽になるもの |
気象庁によると岐阜県多治見市で39.9度を観測したのをはじめ
群馬県館林市で39.4度、京都市は38.5度、
名古屋市は38.4度を観測した。
午後5時時点で全国の観測点928地点のうち
35度以上の猛暑日が223地点に上り今夏最多を更新した。
過酷なレースになる事を予感させるのに
充分過ぎるニュースだった。
とっぷりと日は暮れているというのに
昼間の太陽を蓄熱したアスファルトが放熱して気温が下がらない。
しかも、空気中に最大限湿気を含んでいるため汗を吸ったジャージが乾かない。
気化熱を利用した冷却がうまくいかない中で無駄に水分を消費した。
汗は体を冷却せぬまま滴り落ちるだけだったのだ。
まさに、まとわりつくような暑さ。
運動による発熱が冷却能力を完全に越えてる。
筋肉も脳も
体中のあらゆる臓器がオーバーヒートしている。
「あついぃい!」
私は怒りと共に暑さを口にした。
涼しさを感じたくて、
ヘルメットを脱ぎ捨てたくなる衝動に駆られるほどだ。
14週目、1時間32分57秒、ラップタイムは7:01.525
それまで6分台を保ってきたラップタイムがついに7分台に乗った。
苦しい割に走れない。
「このまま熱中症で倒れるんじゃないか?」
このペースじゃ到底目標の36周には届かない。
レースをやめたいと思った。
暑さという言い訳もある。
この36周は自分が記録した最高周回数・・・
きっと俺は自分に負ける・・・
弱い自分の声が説得力を持って聞こえる。
「棄てれば楽になるぜぃ・・・
PRIDEをよ・・・」
投光器の明るさと暑さに騙されて蝉が鳴いている。
真っ暗な夜に蝉が鳴くなんて・・・
ふと両手放しをして空を見上げる。
満月に近い月が、いつの間にかにか高くなっていた。
煌々(こうこう)と輝く月が湿気を含んだ夜空を白っぽく照らす。
「月だけは涼しそうじゃねぇか・・・」
目の前を去年の自分の背中が通り過ぎて行く気がした。
「PRIDEか・・・」
その時、ダブルボトルのドリンクは殆ど底をつきかけていたのである。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今回、臨時漕会としては私一人が4時間ソロでエントリーしました。
他のメンバーは、だるま珈琲のお客様達と4時間チームで戦いました。
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楽しそうでしたが、ソロエントリーだとそうはいかないですね…
いつもブログ拝見させて頂いています。
やっぱり4時間ソロの臨時漕会ジャージはコギコギさんだったんですね。
自分も同じレース(カテゴリーはBですが)に出ていて、何週目かは忘れたのですが1コーナーの途中でお見かけして声をかけようかどうしようか悩んでそのままでした。
勇気をだしてお声をかけさせて頂ければ良かったと後悔してます。
あの夜は本当に暑かったですよね。
ブログの続き楽しみにこれかも拝見させて頂きます★