心に沁みた、だるま珈琲 |
前回からの続きです。
40分経っても現れないバイソンさん・・・
私は少し心配になってきました。
「セーテンさん、バイソンさんを何処で千切ったの?」
「探検坑道前までは一緒だったんですけど・・・
バイソンさんは、もう無理って言ってバイクを降りちゃったんです。
僕は先に進みたかったので止むを得ず置いてきました」
「なるほど・・・」
自転車の神様は冷酷なのか?
それとも平等なのか?
6月21日(日)の瀬戸内海⇔日本海サイクリングに向けて
月間1000km以上のトレーニングとダイエットを敢行していたセーテンさん。
対して、お世辞にも乗っていたとは言えないバイソンさん。
二人の間に決定的な走力の差が生まれていました。
実は富土野峠は日本海側から上るほうが勾配がキツイ・・・
前半戦で殆ど脚を使い果たしていたバイソンさんにとって
分水嶺は果てしなく続く上りだった事でしょう。
残念ながらバイソンさんは
セーテンさんを見送った後、
体育座りして空を見上げるしか無かったのです。
ロングライドでは
走力のいちばん低い人に合わせる・・・
確かにそうでしょう。
しかし、瀬戸内海⇔日本海を日帰りするサイクリングに参加するのなら
それなりの持久力とスピードが必要になる事は火を見るよりも明らかです。
だからセーテンさんはちゃんと準備してきました。
なのにそのサイクリングの予行演習で
準備を怠ったバイソンさんにペースを合わせれば
何のための予行演習か分からなくなってしまいます。
冷たいようですが最低でも280kmを日帰りする事が
そう容易い事ではない事を思い知るいい機会だったのだと思います。
バイソンさんの様子を見に富土野トンネルを引き返そうかと思ったその時です。
チリンチリン・・・チリンチリン・・・
暗い富土野トンネルから力無い自転車のベルの音がしました。
明るく光るLEDライトでバイソンさんだと分かりました。

嘘でも元気に振舞う事すら出来なくなっていました。
そのバイソンさんをセーテンさんが励まします。

ここからは、下りだよ!」
「俺、瀬戸内海⇔日本海サイクリング、無理かな・・・」
力無く呟くバイソンさんにセーテンさんは続けました。
「そんな事は無いよ!
一か月あれば変わる・・・」
セーテンさんは口から出まかせにバイソンさんを励ましたのではありません。
自分が1ヶ月で変われたからこそ口を衝いて出てきた言葉なのです。
ただ単に優しい言葉ではなく
一か月あるからお前も変われと言っているのです。
「じゃ、そろそろ行こうか・・・」
やっと富土野峠をクリアしたバイソンさんに酷かもしれませんが
予定より大幅に遅れ、ゆっくりしている時間はありませんでした。
富土野峠を下った後は
長い長い下り基調が続きます。
しかし、下り基調とはいっても、下り基調に輪をかけて
更に速度を増して高速巡航する事はバイソンさんには無理です。
私たちはバイソンさんを空気抵抗から守るように
護送船団方式で列車を組みます。
バイソンさんの脚はまるでガラス細工・・・
少しでも速度が上がると千切れてしまうので
先頭を牽く者は、いつもにも増して後ろを気にして走りました。
しかし、山崎のコンビニで最後の補給を迎えた時は
午後19時30分になろうとしていました。

激しい練習の後は、だるま珈琲でホッとして終わるのが常・・・
そして、それを目標に走っている部分もあります。
ここまで頑張って、だるま珈琲でホッと出来ないのは酷過ぎます。
「あと20キロちょっと・・・
ギリギリ大丈夫だと思います」
セーテンさんはそう言いますが
だるま珈琲は午後8時30分までが営業時間・・・
私はマスターに電話しました。
「マスター、今、バイソンさんが大変なんだけど・・・
営業時間内にはなんとか間に合わせるから・・・」
予定外の完全なナイトライド。
新宮の吊り橋がライトアップされている事を初めて知りました。
「バイソンさんぁ~ん
いつぞやの明石海峡大橋みたいやなぁ~」
私は去年の12月14日、強風のアワイチを走り切った事で
メンバーの絆が深まったサイクリングを思い出していました。
あの時は、今ほど遅くはなりませんでしたが・・・
ここから先は時間との戦い・・・
それが唯一のモチベーションでした。
「コギコギさん、あと30分です!」
メンバーが声を掛け合うのは何も安全確認だけではありませんでした。
「コギコギさん、あと8分です!」
「間に合うかな・・・」
そして遂に・・・
私たちが到着したのは午後8時32分・・・
営業時間内に帰って来ると言う目標にわずか2分届きませんでした。
「あれ?店が空っぽ・・・
マスターがいない・・・」
程なく、マスターがロードバイクに乗ってやってきました。
店をほっといて私たちを迎えに出ていたのです。
いつもと違うルートで帰って来たので入れ違いになっていました。
マスターは、私たちを外で出迎えようとしてくれたんですね。
珈琲以上にマスターの心が温かい。
店の暖簾を下ろして
ここからは貸し切りのだるま珈琲・・・

お尻がヒリヒリするぅ~」
「それな、絶対ケツの皮剥けてるわ」
カウンター席の椅子に
まともに座れないバイソンさん(左から二番目)。
バイソンさんにとってほろ苦いサイクリング・・・
いつもより心に沁みるだるま珈琲でした。
走行距離…223.01km
時間…8:28:49
平均速度…26.29km/h
最高速度…59.36km/h
平均CAD…81
積算距離…41551km
消費㌍…4487kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.136 Max.185
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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なるほど、こういう経緯があって、私は皆様にスカウターを自慢しそびれたんですね(笑)
いずれ西播磨にお邪魔しますので、その時はご一緒してください。
自転車って どんなに辛くても 自分で漕いで帰るしか無いですもんね! 自分の為に遅れている精神的なプレッシャーもあり 大変だったでしょうね。 だるまマスターが待っていてくれる…気持ちの上で メンバー全員のモチベーションを支えてくれていた事でしょう*\(^o^)/*
やっぱ乗らないと走力は上がりませんね。

