チェッカーフラッグをにわかには受け入れられないでいた |
前回からの続きです。
「フクちゃん!
ファイトぉおおおお!」
最終コーナーから続く上りで漂うように走行していたのはフクちゃんでした。
「おおっ!コギコギちゃん!
この1時間、辛かったぁあ~
丸臨ジャージ見ると力湧くわぁ~」
ほんの1時間と少し、離ればなれになっただけなのに
フクちゃんの喜び様は、まるで砂漠にオアシスを見つけたようでした。
「そうおお?」
私はまるでフクちゃんを助けに来た正義の味方みたい・・・
フクちゃんがスッと私の後ろに付きました。
「この上り、無理せず軽いギヤで行こう」
レースの最終盤になって臨時漕会の同級生コンビ列車再編成!
二人は上りで失速中のバスク輪さんをラップ!
これでフクちゃんは少なくとも周回数でバスク輪さんを上回りました。
「バスク輪さん、初レースで頑張ってるよねぇ~
俺、前に行かれてたからねぇ~」
なんとか先輩の面目躍如といったところです。
それまでフクちゃんのラップタイムは8分を上回っていました。
それが同級生コンビ列車が復活して7分台を回復・・・
丸臨を見て力が湧いたというのが嘘ではありませんでした。
31周目を終えて32周目の最終コーナーからの上り・・・
後ろのフクちゃんが呟きました。
「3時間47分・・・
ここからだと・・・あと2周か・・・」
フクちゃんは、あと2周と言いましたが
私は、あと3周を狙おうと思いました。
スパートを掛けて奇跡を起こす・・・
しかし、残り時間、全てを全力で走る力は残っていませんでした。
どこかでフクちゃんを裏切ってスパートを掛けなければなりません。
そしてコントロールラインに戻って来た時、電光掲示板が目に入りました。
3時間53分・・・そこまでは見えた!
4時間まで・・・
あと・・・6分台のタイムで帰ってくれば・・・
もう一周走れる!
カン!カン!カン!
私は重いギヤに切り替えてスパートを掛けました。
「フクちゃん!ごめん!」
下ハンダンシングのリズムに合わせてフクちゃんが小さくなっていく。
まさに最後の悪あがき・・・
鉛のように重い脚を気力で回し続けました。
誰かの後ろに付こうとか
風向きだとか
温存だとか
余計な事は考えられない。
ただひたすらに前へ・・・
「間に合ってくれ!」
チェッカーフラッグが振られる前にコントロールラインを通過すれば
あと1周出来る。
アトウッドカーブからモスエスへ・・・
下ハンダンシングをしながら
まるで音がしない錯覚に包まれていました。
静寂の中で運命のコントロールラインが見えてくる。
「ウソだろ・・・」
私は、にわかにはその光景を受け入れる事が出来ませんでした。
赤と白のコスチュームを身にまとったレースクイーンがコントロールラインに並び
満面の笑みでチェッカーフラッグを振っていたのです。
4時間に間に合わなかった・・・
「ピッ!」
計測タグが反応する音が無情にもレースの終了を告げました。
ラストスパートも成功せず
去年よりも3周少ない周回数が確定しました。
何ともやるせない気持ちです。
パドック内の駐車場でダウン走をしたあとピットに戻りラップクリップを見る・・・
私がスパートを掛ける時に電光掲示板で目にしたタイムの詳細が分かりました。
レース中は3時間53分までしか見えませんでしたが
詳しくは3時間53分50秒117・・・
6分10秒以下で帰って来なければ更に一周は不可能だったことになります。
そしてファイナルラップは7分11秒040でした。
結局、4時間1分01秒157・・・
4時間に1分足りなかった事になります。
「去年より3周も少なかったなんて・・・」
ピットに置かれた椅子に深く腰を掛けていると
同じく、去年より3周少なかった住友輪業さんが声を掛けてくれました。
「コギコギさん、今回のレース、
トップの周回数も去年より2周少ないみたいですよ」
なるほど確かに、風が強く過酷な条件だったかもしれません。
しかし、条件はみんな同じ・・・
上位30%以内という目標も達成出来ませんでした。
昨年のリザルトは
周回数・・・・・36周
タイム・・・・・・4:02:12.700
トップ差・・・・-8Laps
平均時速・・・33.02km/h
順位・・・・・・・45位(148台出走)上位30.4%
今年のリザルトは
周回数・・・・・33周
タイム・・・・・・4:01:01.157
トップ差・・・・-9Laps
平均時速・・・30.42km/h
順位・・・・・・・57位(159台出走)上位35.8%
サイコンデータ
走行距離…124.21km
時間…4:05:15
平均速度…30.47km/h
最高速度…61.52km/h
平均CAD…##
積算距離…40483km
消費㌍…2863kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.163 Max.###
(平均心拍は混信していたので正確ではありません)
自分を越え続ける事は難しいかもしれません。
しかし、もう少し、往生際の悪い中年でいようと思います。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今年のレースはチーム全体として厳しいものでしたが
その中でただ一人、7時間ソロにエントリーのモーニングさんは
去年の自分を上回る成績を残しました。
次回も、もう少しだけレースの記事を書こうと思います。
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その時に『もう少しでもう一周やったのに』とおっしゃってたのですが僕は既にボキボキでした。
来年は気持ちも鍛え直してきます!
ありがとうございました!
最も速い一定ペースを維持する作戦の私とでは
ラストスパートも違って当然・・・
私のラストスパートより
過酷なトレーニングを経て
先頭集団で戦える選ばれし者になったよっしーさんの方が
よほど素晴らしいです。
エンデューロ当日よっしーさんと一緒にピットを借りていたものです。
きちんとご挨拶をとおもっていたのですが機会を逃してしまいきちんと挨拶ができませんでした。大変申し訳ござきませんでした。
このエンデューロですが私自身も36周でした。
正直コギコギさんに最後の最後でぬかれてしまった!っということが悔しく思いました。
コギコギさんもそうだと思うのですが、次の機会は、来年は今年の自分を越えられるようにいきましょう!
若輩者の私が申し上げるのは大変おこがましいとは思いますが、この悔しさをバネしてコギコギさんもがんばっていただければと思います。
私自身はその悔しさをバネしたいと思います。
私ももう少し、頑張ってみようと思います。
去年の時分は一歳若く、けっこう乗ってますからね・・・
手強いですが・・・
お互い、笑える日が来るように準備しましょう!