ヘイジさんの男気 マスターの男気 |
前回からの続きです。
そばを食べている間、外は雨・・・
shuheiさんは雨に濡れる事を嫌がってらっしゃいました。
私は何度も雨中走行の経験があるので慣れっこになっていますが
そういう経験の少ないshuheiさんにとって
雨中走行は何としても避けたい事態なんでしょう。
雨雲レーダーを見ると本当にピンポイントで出石に雨が降っていました。
「こんな事もあるんだな・・・
ホントに俺って雨男だよなぁ~」
しかし、雨の降っている範囲は狭く
私たちがスタートする頃には雨雲は東へ移動していました。
そこに行かなければ気持ち悪いくらいです。
なんだか出石に行った気がしない・・・
江戸時代後期様式の火の見櫓形の時計台で
出石のシンボルとして親しまれています。
時を告げる太鼓を打ったことから、この名がついたとか。
ここで写真を撮れば出石に来たって証拠になる。
自転車で200kmオーバーライドを走り切ったという証拠になるのです。
だから、その行為は外せない儀式のようになっていました。
ここから分水嶺の富土野峠まで基本的に上り基調です。
道案内として要所要所で先頭を引きますが力不足で長くは引けません。
浅間トンネルの上りで堪らず先頭交代。
shuheiさんとシンヤさんが前に出ます。
彼らは出石⇔姫路間をアベレージ30km/hオーバーですから
そもそも彼らが普通に走っている速度が
私にとってはちょっと頑張らなきゃならない速度なんです。
私が先頭で幾度かの分岐点を経て大屋川沿いの県道6号線に入ります。
ここからは瀬戸内海側の安積橋まで一本道・・・
暫く道案内は要りません。
上り基調、そして風は若干向かい風か?
私はハンドサインで先頭交代を要求します。
「この道を進めば、右手にスーパーが見えてきます。
そこで補給に入りましょう!」
そう言ってヘイジさんと先頭交代しました。
ヘイジさんが先頭に立つと徐々に速度が上昇しました。
それまで私が引いていた速度より明らかに速い!
上り基調で若干向かい風・・・
悪条件で巡航速度を上げるにはメンタルな部分で強くなけらばなりません。
それまで私たちはshuheiさんやシンヤさんに負けっぱなし・・・
いえ、負けっぱなしという表現はおかしいかもしれません。
私たちは別に千切り合いはしませんでしたから・・・
しかし、彼らの走力が私たちより高い事は走っていてヒシヒシと感じるんです。
ヘイジさんが先頭の列車は
上り基調の若干の向かい風という悪条件の中を高速を維持して突進していました。
「俺達も、ちょっとはやるんだぜ!」
ヘイジさんの男気に背中の丸臨が揺れた。
せっかく先頭交代したのに休めない。
確か、坂越から相生へ抜ける坂だったと思う。
誰かが私たちを追い越しました。
するとヘイジさんが反応してスクランブル発進!
彼を追いかけて遂には追い越し返したんです。
その時、笑顔で戻ってきたヘイジさんの言った言葉が忘れられない。
「師匠、今、丸臨ジャージ着てるでしょ
だから、俺、そういうの見過ごせないんっすよね」
そんな気持ち、男なら分かるはず・・・
だからなのか、
ヘイジさんはなかなか先頭交代を要求しません。
長く、長く、高速を維持したまま先頭を引きました。
「さすがだな・・・」
やがて右手にスーパーが見えました。
ここでヘイジさんの引きは終了!
「ヘイジさん、凄いね!」
「師匠、スーパーって、もっと近くじゃなかったんすか?」
「いや、俺もね、思ってたより遠かったかなぁ~なんてね」
一見、平坦に見える上り基調って言うのは
ボディーブローのように脚を使わせるんですよね。
もっと速度が出せるはずなのに出ないと錯覚してしまう。
そして大屋川を遡るにつれ、勾配は徐々に増して行きました。
前を行くシンヤさんとshuheiさんは平然としゃべりながら進んでいきますが
私はダンシングを交えながら必死について行きました。
私の後ろを走っていたマスターが千切れかけます。
私は前の二人にペースダウンを要求しました。
「後続が千切れかけてる!」
するとマスターが私の言葉をさえぎるように声をあげました。
「僕に合わせなくていいです!」
これもマスターの男気か・・・
それならば、私は瞬時に妥協案!
「とりあえず、探検坑道までは列車維持!
そこからは自由行動!」
探検坑道通過を合図にシンヤさんとshuheiさんはスパートをかけました。
あっという間に彼らの背中は見えなくなる。
私も、彼らにはかないませんがダンシングで加速しました。
後ろにマスターがついてくる。
思った以上に付いてくる!
「やっぱ、速くなってる!」
マスターは殆どシッティングで喰らいついてきました。
シッティング対シッティングではマスターを千切れない!
少し勾配が緩くなったところで私はマスターを突き放しにかかります。
カン!カン!カン!
この勾配で使用できる最も重いギヤにして
すかさずサドルから腰を上げた!
広背筋から大腿四頭筋へパワーをリレーさせる。
自らの体重をも味方につけるのです。
私がダンシングで
重いギヤを使う分、ひと踏みごとにマスターが後ろに沈む・・・
ヘイジさんは脚が両方売り切れて
もはや千切り合いに加わる事が出来ないでいました。
それでも諦めず苦悶の表情で上り続ける。
日本海側の富土野峠はシンヤさんが制しました。
次いでshuheiさん、かなり遅れて私・・・
そして・・・
ヘイジさんが男気で先頭を長く引いて脚を使っていたとはいえ
マスターはヘイジさんを打ち破ったのです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日はここまで書いて力尽きました。
続きは後日、書くつもりです。
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でもあの峠は気持ちいい坂でしたね。
晴れ男祈願で 晴れの国の岡山の神社まで一緒にライドしましょう( ̄ー ̄)
このままやと 今年の冬は自転車に乗ると 雪マークになってしまう!
そういうメンタルを持っておられることが、強く・速くなる一因になっているんですね。
私が如何に雨男かという事を証明しているようなもので・・・
今年の天候が不順だったからという言い訳が通用しませんね。
岡山に晴れ男になれる神社があるのかな?
いやぁ~ヘイジさんらしいエピソードでした。