突撃ぃいいいいい! |
前回からの続きです。
「ブレーキ!ブレーキ!ブレーキィイイイイ!」
大粒の雨が大集団で降りしきり
私の声は雨音にかき消されて
バイソンさんには届きませんでした。
離れゆくバイソンさんの背中に
それでも必死に叫び続けました。
勾配が緩やかになると
やっと、バイソンさんとの距離が縮まり始めました。
「怖かったっすぅ~!
ブレーキ掛けてるのに加速しましたぁ~!」
雨脚はさらに強まり
目を開けていられないほどになりました。
口を開けていれば
雨が飲めるんじゃないかと思うほどです。
「バイソンさん!
もう、JAやローソンまで待てない!
そこのガレージに入る!」
私は雨に耐えられなくて
一般の民家のガレージに緊急避難しました。
「ふうぅ~
凄い雨だな・・・」
ブレーキ掛けてるのに加速しましたもん」
「そうだろぉ~
まぁ、考えようによっちゃあ
雨に中で如何にブレーキが効かないか、体験出来て良かったかもね。
ふつう、雨の中を走る事無いもん。
それを知らずにいるよりは、知っていた方がいい」
「コギコギさん、
この雨雲は、もう10分程で抜けそうですよ」
レーダー・ナウキャストというのかな?
スマホの画面で雨雲の現在の様子や今後の予想を見る事が出来る様です。
バイソンさんの言うとおり、ホントに10分くらいで雨は上がりました。
路面は思いっきりウエットですが再び走り始めます。
バイソンさんの巻き上げるしぶきに濡れない様に少し離れて、
そして少しずれて走りました。
ウエットだった路面は道の駅ちくさ付近では完全にドライコンディションになりました。
「ストップぅ~!」
「?」
「コギコギさん、ここで写真撮っていいすか?」
「いいけど
何故?」
「ここ瑠璃寺っすよ!
俺、自転車でこんなところまで来た!」
瑠璃寺というのは野生の猿が沢山いる事で有名な
ちょっとした観光地なんです。
私やバイソンさんが住む播州地方の瀬戸内海沿岸部の人達の感覚では
瑠璃寺は、少し遠いイメージなんですね。
ちょっとしたドライブコースという感じでしょうか。
バイソンさんは5月に100kmオーバーライドを達成したばかりですから
距離感が、まだ一般人なんです。
「だって自転車っすよ!
自転車で、こんなところまで来てるんすよ!」
私は何度もトリガタワは走っているので
こういうバイソンさんの反応は、微笑ましくもあり、新鮮でもありました。
ここから先は、高速巡航区間、
臨時漕会メンバーとローテーションの練習をする様な
道幅が広く、しかも交通量が少なく、そして千種川沿いの下り基調という
もっとも気持ちのいい区間です。
しかし、バイソンさんの後ろを走っていると
いつもより遅いんですよね。
それは仕方ありません。
バイソンさんは駆け出しの初心者ですから・・・
時速は30kmを越えたあたりで走行していました。
「この区間はね、
時速35km~40kmオーバーで走るところなんだよ」
「マジッすか!」
そう説明しても時速30km程で
それ以上スピードアップするわけありませんよね。
そうなると、後ろについている自分がフラストレーション溜まって来るわけです。
なんでこんな好条件をゆっくり走らねばならんのかってね。
「バイソンさん、ちょっとだけ俺が前引くから
アワイチの臨時漕会列車のスピード体験してみる?
実際は私よりも速い人が引くんで、そのスピードは再現できないけどね」
「いいっすか!
お願いします!」
私が前に出てバイソンさんがドラフティング圏内に入った事を確認して
徐々にスピードアップします。
前傾を深くして出力を上げていきます。
流れるアスファルトの速度が増して全身の神経が覚醒しました。
重いギヤを踏むとハムにズンと重さを感じます。
時速は40km・・・
私は後ろを振り向きませんでしたが
何故かバイソンさんの表情が見えた気がしました。
目を輝かせて笑ってる!
「hiroさんや住友輪業さん、モーニングさんが前を引くと
もっと速いんだぞぉ~!」
私は、ほんの少し
ジェラートさなえまで前を引きました。
「チームヴェルジェとの合同サイクリングで立ち寄った店だけど
寄ってく?」
「ええ、行きましょう!」
地元の人と思われるお客さんが話しかけて来ました。
「お兄さん達、どこから来たの?」
「相生から・・・」
「ええっ!
あ・い・お・い!」
「そうですよ」
この反応が距離感がまだ普通の人に近いバイソンさんには快感だったはず。
「揖保川沿いに国道29号線を北上して
斉木口から国道429号線を西へ
トリガタワを越えてやって来たんです」
「エエッ!
凄い距離!
何キロくらい?」
「120km位かな・・・」
「す、凄い・・・」
「そんな、凄くないですよぉ~
ふつうですよぉ~
そうそう、トリガタワで大雨に見舞われましてね・・・」
「エッ?
そうなの?
こっちは全然雨降らなかったけど・・・」
「いやぁ凄かったっすよ
目を開けていられないくらい・・・」
「だから川の水量が増したのか・・・」
そんな会話をして
私達は店を出ました。
すると程なく、また雨が・・・
一気に雨粒が密集して降って来ました。
「何じゃぁあああ!
この雨ぇええええ!」
店の人達、思ってますよ。
あいつら大変だなって!」
「ちょ、ちょっと耐えられんわ!
雨宿り!雨宿り!」
カメラを向けるとバイソンさんは
もう、どうしようもないねというゼスチャーをしておどけて見せました。
雨脚はどんどん強くなり恐怖さえ感じるほどです。
まだ昼前というのに通行する車はライトオンでした。
「コギコギさん、川がめっちゃ増水してます」
「風も吹いて来た・・・
体温も下がってきた・・・」
「画面で見る限り、もう少しで抜けそうなんですけど・・・」
「でもおかしくないか?
さっきから同じところで雨雲が発生してる」
「そうですね・・・」
「このまま何時間もここに留まっていたら体温が下がる一方・・・
南へ行けば、とりあえず雨雲からは逃れられそうだけど・・・」
「行くか?」
「行きましょうか」
「よし!行こう!」
「突撃ぃいいいいい!」
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日は、この話、最後まで書くつもりだったんですけど・・・
中途半端なところまでしか書けませんでした。
また記事が溜まりますねぇ~
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高速巡航って楽しいですよね~( 〃▽〃)
もっと速く!もっと長く 維持できるようになりたいです ( ̄ー ̄)
そして、さなえのジェラートは外せません(笑)
ジェラートも瑠璃寺も印象的なもの何もかもを ぶっ飛ばす 雨が・・!
パイソンさん、御無事でなによりでした
若干下りとか追い風基調の区間は確かに気持ちいいですね
本物の皆さんは高速巡航区間
ナンチャッテの私は、楽で気持ちいい区間な訳でLSD維持
こんなに過酷な条件でも
パイソンさんの楽しそうな様子が伝わってきます
やっぱりロードバイクは、走る喜びを感じる物なんですね。
止まって自転車をひいて歩きたくても、止まれなかった(T_T)
雨中走行でのブレーキの効かなさを思い知りましたよ(T_T) 忘れない様にしなきゃね( ;´Д`)
報告です
ロード用にポンプを二つと、ウェアとパンク修理キット、ペダルにシューズを買って、やっと心拍計を買いました。
高いのはまだ無理なので、スマホアプリで対応させてます。
ドラフティング効果による自分の実力以上の高速巡航は気持ちいいし、いい刺激にもなります。
これを追い求めるのは人類の本能でしょうか?
車も船も飛行機も
乗り物はみんな、もっと速くを追い求めて来ました。
ロードバイクに乗れば、そんな風に思うのも無理はありません。
でも、ゆっくり走っても楽しいのが自転車なんですね。
それぞれのスピードによって感じ方が違うんです。
冬になればLSDをやりましょう!
そしてウエイトを落とすのだ!
これはヤバいと思ってスタートしました。
雨に濡れながらでも
自転車を漕いでいる限り体がら熱が発生しますから
その方がいいと思ったんです。
人間のエネルギー効率は確か25%です。
残りの75%は熱になってしまう計算ですからね。
バイソンさんは楽しそうでした。
一緒に居るとエネルギーをもらえる気がします。
あの日感じた自転車で遠くまで行ける感動を
バイソンさんに思い出させていただきました。
つい最近の記事にも心拍計の使い方について書きました。
過去記事にも何度か書いています。
最大心拍の80%以下のペースで
消費カロリーの50%以上を補給し続けて走ります。
そういう知識を得たうえで
もう一度チャレンジしてみましょう。
思ったより巡航速度は遅いと感じるかもしれませんが
新しい世界の扉が開くかもしれませんよ。
単独では絶対あり得ないアベレージが出るんですよね。
みんなで走れば、より速く、より遠くへ行けるんです。
自転車って楽しいですね。
私は、臨時漕会列車で引いてもらうばっかなので
ドラフティング上手かも。
バイソンさんが無事でよかったです
雨はほんとにブレーキが効かないんで、私も最初は泣きそうになりました・・・
効きにくくなるだろうなぁと予想はできますが、あんなに効かないなんて想像できませんよ!
安全第一で!
バイソンさん無事で何よりです‼︎
僕、ウェット状態の道怖くて走れない…
バイソンさん、琵琶湖来てくださいね〜
米原〜近江大橋や、近江舞子〜湖北は走りやすくて良いですよ〜🎶
やっぱり体験してみないとホントの事は解らない。
かと言って雨中走行は勧められませんしね。
でも、経験しておくと、
これからの長い自転車人生で役に立ちます。