コギコギさん!ボトル持って来ました |
前回からの続きです。
レースが始まって最初の周回、
konoさんは先頭集団に乗れませんでした。
それは、マスドスタートだった事が影響しているでしょう。
春のエンデューロの時はマトリックスが先頭集団をコントロールしていました。
しかし、ミッドナイトエンデューロは先頭集団をコントロールする者はいません。
先頭に出るために、殆どMAXの力で走る者が何人もいる・・・
それにつられて、この大集団全体がオーバーペースなのです。
私のこれまでの戦い方は
一定の負荷で走り続けられる
最も速いペースで走り続ける事でした。
最初から飛ばさず、スタートから一定ペースを守り
最終版でスパートをかける・・・
海底に沈む潜水艦が正比例のグラフを描いて浮上するように
後半に行けば行くほど順位を上げていったのです。
しかし、自転車において空気抵抗は支配的です。
だから集団に乗った時はラップタイムが飛躍的に上がります。
いいペースの集団に乗れるか乗れないかでレースの結果を大きく左右します。
ライダーの身体能力以外の要素が大きいのが自転車レースです。
これまでのレースなら序盤は追い越される一方・・・
それは集団に乗る事を自ら拒否している事に他なりませんでした。
大集団がコースを周回するにつれ
密集はまばらになっていきます。
最初は列車は形成されない。
多くの個人が、ペースの合う人を探しながら進んでいる状態です。
言い換えれば、風除けは山ほどいる。
しかし、自分のペースを守るため
密集がまばらになっていく大集団の後ろへ後ろへと後退すれば
自分より速い風除けはどんどん少なくなっていきます。
風除けが多く存在する前の方を捨てれば
春のレースの時の様に長時間、集団に乗れない可能性がある。
「よし!積極的に攻める!」
私は順位を前半戦で上げるだけ上げておく作戦に出ました。
まばらになっていく集団の中で二人、三人、と徐々に列車が形成され始めます。
私は自分の順位を上げてくれそうな列車の後ろへ積極的に付いて行きました。
心拍は170オーバー!180の迫る勢いです。
春のレースの平均心拍は156
調子の良かった去年のミッドナイトエンデューロは153でした。
明らかなオーバーペース!
レッドゾーンです。
「この列車に乗るのは勇気なのか?
それとも愚かなのか?」
愚かかもしれないと分っていても
私は次々と列車に乗っていきました。
ラップタイムは6分台前半を連発!
3周目、コントロールライン通過時の心拍は176
4周目、心拍のアベレージは170オーバー!
そして5周目、ホームストレートから最初のコーナーを通過した上りで
再びkonoさんを見ました。
最初の周回で先頭集団に乗ろうとした事が祟り
爆発的に乳酸を発生させてしまったのでしょう。
「konoさん・・・」
ダメージを受けた脚で懸命に自分のパートを走り続けていました。
konoさんの姿を見た後
私は安定した速度で走る数人の列車の後ろにつきました。
「この列車、なかなかいいぞ!
一定ペースが保たれている!」
暫く走ると、この列車が安定している訳が判りました。
「おい!〇〇居るか?」
「ハイ!居ます!」
「××は?」
「大丈夫です!」
暗闇を疾走する列車の中でメンバーを確認し合っているのです。
そしてみんな、お揃いのチームジャージを着てる。
「同じチームで列車を組んでいるのか・・・」
そういう作戦を昔、臨時漕会もやった事がある。
複数でソロでエントリーして臨時漕会列車を走らせたのです。
その時、ローテーションはメンバーだけで行い20人規模の集団をコントロールしました。
しかし、このチームは先頭交代した選手が私の後ろに付く。
すると、このチームに全く関係の無い私を交えた数人の列車が完成します。
点呼してメンバーを確認しながら走っている列車の中で
「すみません、コギコギも居ます」とは言えない。
この列車に参加すること自体はルール違反ではありませんが
チーム一丸となって協力し合っているのに
全く関係の無い私が彼らが作り出す利益を享受する気持ちにはなれませんでした。
暫く彼らの列車に乗った後
アトウッドカーブの下りからの立ち上がり
私は一番重いギヤでダンシングして彼らの列車から離脱しました。
そしてホームストレートに向かう緩やかな上りに差し掛かった時です。
レースが始まって40分以上経過していました。
その時、私の右後方から聞き慣れた声がしました。
「コギコギさん!」
振り向くと、だるま珈琲のマスターじゃありませんか!
「おう!マスタァアアア!
konoさんと交代したのか?」
「ええ、でも、もう、付いていけません!」
マスターは、そう言うと後ろへ下がっていきました。
ロードバイク歴8ヶ月でレース初参戦・・・
マスターは私の丸臨ジャージを見つけて必死で追い掛けてきたのでしょう。
たった一言声を掛けるために・・・
その気持ちが嬉しかった。
「よし!もっと速い列車に乗る!」
カン!カン!カン!
私は重いギヤに入れてダンシングに切り替えました。
前を行く数人の列車にロックオン!
コントロールライン通過時の心拍は
またもや170オーバー!
私の中で徐々に後半に向けての不安が大きくなっていきました。
「こんな高い心拍をいつまで維持し続けるのか?」
11周目、レースが始まって1時間10分が経過しようとしていたその時
ラップタイムは5分55秒!
遂に5分台を記録しました。
マトリックスが先頭集団をコントロールしていた時
彼らが5分30~40秒で周回していた事を考えると
この5分台というのは私の走力から考えて速過ぎるペースです。
ちなみにこの周回のアベレージ心拍は168・・・
このアベレージ心拍がまだ続いて6分台前半で12周、13週目を周回!
「こんなのが続けば後半、ヤバい!」
今回のレースでは積極的に列車に乗ると心に決めていました。
しかし、そう簡単に列車には遭遇出来ないと思っての事・・・
それが今回は、次々と切れ間無く、列車に遭遇します。
私の乳酸代謝能力を大幅に上回った大量の乳酸が
筋肉の中に蓄積されてきているはずです。
「もう、そろそろ失速か?」
私が失速を恐れはじめた時、奇跡が起こりました。
「コギコギさん!
ボトル、持って来ました」
レースが始まって1時間30分を数分経過した時です。
住友輪業さんは2時間以内にボトルを持って来いという課題を見事にクリアしたのです。
「マジか!
よく、見つけられたな!」
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日は、ここまで書いて力尽きました。
続きは後日、書くつもりです。
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チーム愛があったから出来たんでしょうか?
それにしても、その心拍数は心配です。どこまで行くのかなあ。
何故か、引きつけ合うのかも?
同じなのでしょうか?
もっと考えれば、他にも協力出来る事があるかもしれませんね。
このツケが、後半、どうレースに響くか・・・です。

