老婆心が芽生えた水仙郷の下り |
前回からの続きです。
洲本のコンビニを出ると立川水仙郷の上りは近い。
そんなに急がなくてもいいものを
臨時漕ぐ会列車はなぜ急ぐのか?
由良港の橋の上りでダンシング中、左のクリートが外れました。
「しまった!ここで千切れたら追い付けない!」
すり減ったクリートをそのままにしていたため
ビンディングがゆるくなっていたのです。
片足ペダリング状態を余儀なくされました。
どんどん遠ざかる臨時漕会列車・・・
しかし私のクリートトラブル気付いてくれた仲間達は
私がビンディングの締め付けを強くする間、待っていてくれました。
そしてスタートしてすぐに今度はぴよぴよさんがチェーン落ち・・・
続けさまにトラブル発生!
景色がいいわけでもない路肩にロードバイクが6台も止まっているのを見て
地元のおばさんが出て来ました。
事故か何かトラブルがあって困っているのかもしれないと思ったんでしょうね。
「お兄さん達、どうかしたの?」
「だ、大丈夫です!大したことありません」
「ここから先はね、道が狭くて事故が多いのよ・・・
この間も事故があったばかり・・・
車と自転車の衝突が多い・・・
お兄さん達、車が端に寄らずに登って来るから注意してよ!」
「ハイ!有難うございます!」
確かにここはアワイチの中で最も危険な場所の一つでしょう。
道幅が狭くタイトなコーナーが続くうえ勾配も急ときています。
我々臨時漕会のメンバーも
1月のアワイチでロードバイクとミニバンの衝突事故を目撃していたところでした。
「ここは道幅が狭い!
インべたで慎重に走りましょう!」
何回もアワイチを経験しているぴよぴよさんがそう言って
我々は走り始めました。
立川水仙郷の登り口差し掛かると
注意を促す電光掲示板が設置されていました。
こういうものが設置されるくらい危険だと言う事です。

千切り合いが始まります。
もちろん、安全に配慮して・・・
もともと私は登りが苦手で遅いのですが
その遅さをこれでもかというくらいに見せつけられました。
登り始めてすぐに引き離されていきます。

去年までのアワイチでは、
ぴよぴよさんにもタイプRさんにもある程度ついて行けたのに・・・
今年は圧倒的な走力の差を見せつけられながら上っていました。
ぴよぴよさんのトレーニングは平日も続けられ
明らかに心肺能力がアップしていました。
タイプRさんは去年開催された松江での自転車講習会で
元プロ選手の冨田さんにステムを2センチ下げる事とフォームの修正をしてもらって
その日のうちに別人の走りになっていました。
彼らの成長するスピードに私はついて行けていないのです。
彼らの姿がコーナーの向こうに消えて私はもっと踏めなくなった。
一人旅になるといつもそう・・・
筋肉が限界になるから?
いや違う・・・本当は筋肉よりも心が弱いから・・・
シッティングが苦しくなってダンシングに切り替える・・・
水仙郷の勾配を私の体重が上回る事で、かろうじて前へ進んでいました。
と、その時です。
坂の上から一台のロードバイクが駆け下りてきて私の背後に回りました。
「コギコギさん!頑張って!」
声の主はhiroさんでした。
せっかく登った坂をもう一度下って私のところまで来てくれたのです。
「まだ、踏める!踏める!」
私の心がhiroさんの言葉に反応して鉛の様に重い筋肉を動かし始めました。
「うぉおおおおおお!」
駆け上がった先にみんなが待ってくれていました。
「お待たせしました!」
坂のピークから少し進んだところで小休止。
ここは自販機があるのでいつも休憩するところです。

坂の上の方からはしゃぎ声が聞こえてきます。
何をはしゃいでいるのかは分かりませんが
イメージとしては「ヤッホー」と言いながら坂を下って来ている感じでした。
そのはしゃぎ声の主が姿を現して
私達が休憩している同じ場所に入ってきました。
あどけない笑顔の中学生か高校生くらいの少年たちでした。
(あっ、ヘルメット、かぶってない・・・)
クロスバイクやロードバイク・・・MTBルックもあったかな?
服装も自転車用でなく普通の服でした。
男の子は群れて遊びたがる・・・
もしかしたら今日が淡路島一周の冒険旅行の日だったのかもしれません。
彼らにお小遣いでヘルメットを用意しろというのは酷かもしれません。
私にも似たような思い出があります。
仲間同士の少し無謀な冒険・・・
彼らが来たのを切っ掛けに私達は出発しようとしていました。
その時です。
「コギコギさん、ちょっと待ってて下さい」
そういうと、ぴよぴよさんが少年たちに近づいて行きました。
「君達、淡路島一周かい?」
ここ走るの初めて?」
「は、初めてです」
「そう、初めてなのか・・・
ここからの下りはね
道が狭くて勾配も急なんだ
コーナーで車が急に出てくるぞ
だからちゃんと左側を走って慎重に下りなさい」
「ハイ!有難うございます」
少しうつむき加減で我々のところに戻ってきたぴよぴよさん・・・
「この歳になるとね
老婆心が芽生えてきちゃって・・・」
私達も水仙郷の坂を慎重に下り始めました。
下りでハンドルから手を離せないので
ハンドサインが使えない分更に大きな声を出す。
「たいこうしゃぁあああ!」
「ぶれーきぃいいい!」
九十九折れの坂を下っていると
やがて眼下に青い海が見え始めました。
大阪湾から見える海が変わった。
紀伊水道・・・いや、この先に見えるのは太平洋!
潮の香りが頬をかすめる。
波が砕ける音が大きくなった。
坂を下って海が近くなる。
青い海の色がコンクリート舗装の白に映える。
水仙郷の登りを終えた解放感が
余計に海と空を広く見せていました。
いつもなら沼島を左手に見ながら、ゆったりと走る場所です。
(この場所くらい、休ませてくれよな・・・)
そう思いながら臨時漕会列車の中にいました。
しかし私の願いは見事に打ち砕かれてしまうのです。
コンクリート舗装がカーボンディープホイールを振動させる音が聞こえたかと思うと
解き放たれた矢のように最後尾から真っすぐ前に飛び出して行った黒い車体・・・
それはDHポジションで空気を切り裂きながら進むぴよぴよさんでした。
「行ったぁああ!マジかよぉおお!」
カン、カン、カン!
私はギヤを重くして下ハンダンシングに切り替える。
臨時漕会列車は分解し全員追走態勢!
脳内にアドレナリンが分泌された。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
行かれたら条件反射で反応してしまいますが・・・
この時の「マジかよ」は本当に「マジかよ」でした。
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勿論、どちらが悪いか分かりませんが『車が来る』というつもりでゆっくり降りた方がいいでしょうね!
ぴよぴよさん格好いいな(^^)d
ひとたび車と衝突すればタダでは済みませんよね。
でも、ロードバイクで高速で走っていると
そういう基本的な事を忘れてしまうんです。
緊張感を持って走らなければなりませんね。
私なんか総合力でコギコギさんには遠く及びません。これからもいろいろご指導お願いします!
それにしてもこのアワイチ、見事なまでにずっとハイテンションですね。エンデューロレースの時より追い込んでたかも?
今回のアワイチ とても刺激的です!
臨時漕会の末席に居てホントに良かった!V(^_^)V
メンバーの心構えに 力が貰えます!!!
レベルの問題では無く…心構え!!!ですV(^_^)V
筋肉の質とか回復力とか・・・
ただ自転車は好きなので自分が遅い事はあまり気にしていません。
それよりか臨時漕会のメンバーの成長が凄いです。
去年までとは違うステージのチームになった気がします。
レースではどんな走りを見せてくれるんでしょうね。
楽しいサイクリング、ノーヘル、危険な道・・・・・・前々回のアワイチで見かけた事故現場のシーンが頭に蘇ってきて、ついつい老婆になってしまいました。
素直に聞いてくれて良かったです。
こんな↑標準語じゃなくて、バリバリ関西弁でしたが(^^ゞ。
後で考えたら、スモークレンズのガッチャマンヘルメットのおっさんにビビッていたのかもしれませんね(爆)。
仲間同士でどこか遠くへ行くのはちょっとした冒険ですね。
テンションが上がって楽しいのですが
そういう時って安全のことが何処かへ飛んでしまう。
このタイミングでの忠告は良かったですね。
こういうことが出来る大人って素晴らしいと思います。

