電池切れ?ほんま、全部出し切ったな! |
またまた前回からの続きです。
「コギコギさん・・・お尻・・・痛い・・・」
「コギコギさん・・・ふくらはぎが攣りそう・・・」
全行程の半分を少し超えたあたりです。
きのこだけさんの本当の戦いの始まりでした。
「お尻の痛みは色んなパターンがあるんだけど・・・
まず、何処が痛い?」
「お尻の尖がったところ・・・」
「なるほど・・・じゃあ
痛いのはお尻が前後にずれる事によって起こる摩擦による痛み?
それとも尖がったところに圧力がかかる事による打撲的な痛み?
それとも、その両方?」
「う~ん・・・摩擦では無いと思う」
「なるほど・・・
まあ・・・考えられるのはペダリングの時にお尻が跳ねていることかな。
縦踏みのペダリングでちゃんと回せていないと微妙にお尻が跳ねる。
一回一回の衝撃は少なくても
それが何千回、いや、もっとかな、繰り返される事によって打撲の様になる。
それでお尻が痛くなる・・・
今、ペダリングをどうこう言ってもなぁ・・・」
「ふくらはぎが攣りそうなのは、太ももで漕いでないから・・・
上手な人はね、膝から下は力を抜く感じで
太ももを動かす事でペダリングするんだよ。
初心者は膝関節の屈曲でペダリングする傾向にあるのに対し
上級者は股関節の屈曲でペダリングする。
動員される筋肉が初心者とは違ってくる。
ハムストリングスを使えるか使えないかは大きな違いなんだ。
足首とかに力入って無い?」
「そんな事は無いと思うんだけど・・・」
「コギコギさん、肩も痛くなってきた・・・」
「肩も痛くなってきたか・・・
肩はねぇ~ハンドルに寄りかかる様な乗り方してるからだよぉ~
ロードバイクは前傾姿勢をとるけど
腕をつっかえ棒にする様な
何と言うか・・・上半身の体重をハンドルに預けてしまう様な乗り方はしない。
巡航する時は、ハンドルを少し押す感じになるし
スピードを上げる時はハンドルを引く感じになる。
ちゃんとサドルでロードバイクをコントロール出来て無いと
ハンドルを押したり引いたり出来ないんだよねぇ~
上半身を使えていないと肩が凝る。
今、そんな事言っても分かんないよねぇ~」
本当なら綺麗な海を見ながら高速巡航を楽しむところです。
しかし、きのこだけさんに景色を楽しむ余裕も高速巡航をする余裕もありません。
「あっ!また坂やぁあああ!」
そうなのです。
淡路島西海岸は、ほぼ平坦路。
ですから、たまに「ほぼ」の部分が来るんです。
私と住友輪業さんは、きのこだけさんを放置。
千切り合いをしながら坂を登りました。
坂の上で待っていると、きのこだけさんがエッチラオッチラ上ってきます。
頂上に辿り着いたかと思うと目を白黒させながら
「アシ攣りそぉおお!」
すると、きのこだけさんは後ろのポッケから何かを取り出しました。
おもむろにふくらはぎにあてがい・・・
「何?それ?新兵器?」
「エアーサロンパス」
「エッ、エアーサロンパス?」
恐るべし初心者!
きのこだけさんは、あらかじめ脚が攣る事を予想して
エアーサロンパスを携行していたのです。
乳酸が溜まった脚にエアーサロンパスがどれほど効果を発揮するのかは解りません。
しかし、背中のポッケにエアーサロンパスを忍ばせる事で精神的支柱が出来る。
「いざという時はエアーサロンパスがある」
私はエアーサロンパスを携行している自転車乗りを初めて見ました。
しかしエアーサロンパスをもってしても
きのこだけさんの巡航速度の低下を食い止める事は出来ません。
午前中、東海岸でAve.28km/hで走った雄姿は見る影もありませんでした。
また淡路島西海岸のほぼ平坦路で
「ほぼ」の部分がやってきました。
私と住友輪業さんは、きのこだけさんは置いといてガンガン登りました。
するとさっきの坂より明らかにダメージを受けたきのこだけさんが
エッチラオッチラ上ってきました。
「コギコギさぁああん!
今度は太ももがぁああ!」
もちろんエアーサロンパス出動!
「ああ・・・大腿四頭筋が攣ったのね・・・
まあ、そこはよく攣るところ。
上手な人はね、大腿四頭筋を温存させるために
ハムストリングスを使ってペダリングするんだよ。
ここぞと言うところで大腿四頭筋は使う。
やっぱりね膝関節の屈曲によってペダリングしてるからそこが攣る。
ハムストリングスと腸腰筋でペダリングすると長時間乗れる。
でも、今それを言っても出来ないよねぇ~」
私はLSDや回復走くらいのペースで前を引きますが
それでも、きのこだけさんは気付くと千切れていたりします。
「コギコギさん、淡路サンセットラインは
なんだかんだ言って多少のアップダウンはあります。
集落を通過できる道があれば集落内を通過しましょう。
その方が少しでも坂を少なく出来ます」
私達は坂をエスケープするために集落内を通過する道を走る事にしました。
集落の中を走っていると・・・
淡路島の人って温かいですね。
状況を察したのか地元のおっちゃんが
「がんばれよ!」
そして夕やみ迫る中、コンビニで休憩・・・
コギコギさんや住友輪業さんに迷惑を掛けてますよね・・・」
住友輪業さんは偉い!
きのこだけさんを慰めます。
「迷惑?そんなこと無いよ。
ゆっくり走るのもね、LSDと言って有酸素運動の能力を高める基本トレーニングなんだ。
だから、ちゃんとトレーニングになってる」
「そうそう、迷惑なんかじゃないよぉ~
今、俺、めっちゃおもろい!
次々に色んなところが痛くなるきのこだけさんを見てると笑っちゃうもん」
私ってホントはSだったんですかねぇ~
この時、ホントに楽しんでました。
しかし、きのこだけさんは少々、鬱に入ってます。
「はぁ・・・さっき・・・パトカーが取り締まりしてましたよね・・・
パトカー呼べば岩屋港まで乗せてってくれるやろか?」
「おいおい、そりゃあタクシー使わなアカンのちゃう?」
何となく緊急事態っぽいのでパトカーを思い付いたのでしょうか?
すると、きのこだけさんの前に軽トラが止まりました。
おっちゃんが缶ビールを買いに来たようです。
きのこだけさんは荷台に何も乗っていない軽トラを見ながら
「はぁ・・・あのおっちゃんに、僕がエビスビール買ってあげるから
岩屋港まで乗せてくれる?って言ったら乗せてくれるやろか?」
私は鬱に入って色んな事を言うきのこだけさんが可笑しくって可笑しくって・・・
そんな事をしゃべっているとコンビニの前を2台のロードバイクが通過しました。
「アッ!鼓亭で飯食ってたひとや!」
住友輪業さんが見つけたのは「鼓亭」で見かけた初心者っぽいローディーでした。
この時間、この場所を走っていると言う事は
彼らも似た状況にあるということです。
力無く、ゆるゆると走る彼らを見て住友輪業さんが言いました。
「あ、あいつらよりは速いやろ」
う~ん・・・ドングリの背比べ・・・
「さぁ!暗くなってきたライトオンで出発しよう!」
我々と同じ状況にある人達がいると言う事は意味も無く嬉しいわけで・・・
彼らが出発するきっかけを与えてくれました。
3人は夕やみ迫る中、
鼓亭で出会ったローディーを追いかけるようにライトオンで走り始めました。
しかし!たった20分後!
「コギコギさぁあああん!
コンビニ入っていい?」
「エッ?もう?」
「もう、我慢できなぁあああい!」
「何が?」
「お尻、痛ぁああい!」
「マジかぁあああ!
仕方ない!入ろう!」
コンビニを見つけると入られずにはいられません。
しかし、このペースだと岩屋港に着くのはいつになる事やら・・・
すると住友輪業さんが、きのこだけさんにやる気を起こさせます。
「きのこだけさん、道の駅あわじで鯛茶漬け食べようよ・・・
このまえ70km走った時に閉店時間までに到着出来なくて食べられなかったやろ・・・
今がんばれば間に合う・・・」
「鯛茶漬け食べられるかなぁ・・・」
「さぁ!行こう!」
住友輪業さんは偉いですね。
優しく、きのこだけさんを導きます。
するときのこだけさん・・・
「あっ!ちょっと待って!ライトが点かない!
電池切れみたい!」
住友輪業さんの返しが良かった。
「電池切れ?
ほんま、全部出し切ったな!」
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
ふくらはぎ攣って、大腿四頭筋も攣って、肩痛い、尻痛い・・・
そして電池切れ・・・
今日はここまで書いて時間切れ
きのこだけさんは鯛茶漬けを食べる事が出来るのでしょうか?
この続きは後日、書くつもりです。
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きのこだけさんは、恵まれた環境ですね!
コギコギさんや、住友輪業さんのアシスト付きでチャレンジ出来るなんて!(^_−)−☆
でも、自分でコギコギしないと帰れないのが自転車!
がんばれ〜!p(^_^)q
だって,身に覚えのあることですから。
それに,コギコギさんのちょっと意地悪なところもおかしくて笑いました。
ぼくの仲間にも,ライドにエアーサロンパス持ってくる人います!
峠のピークで,山の新鮮な空気が,一気にメントール臭に!