落車を減らせる?エンデューロレースの防衛運転 |
自転車仲間二人が同時に落車してしまってから
私自身、レースの安全な走り方について考えさせられました。
なぜ、何でも無いようなストレートで
落車が多かったのか・・・
私の様な素人でも
その考えをブログに発表する事で
もしかしたら、落車を減らせるかもしれない。
もしかしたらエンデューロレースに出ようと思われている方の参考になるかもしれない。
そして、それだったら僕もエンデューロレースに出てみようと思われるかもしれない。
そう思って自分の思いを書いてみる事にしました。
臨時漕会メンバーで、まだエンデューロレースに出場した事の無いkonoさんが
「私が原因で落車が起きるのが怖く
てレースに出れない」
と言っていました。
この言葉は多くのレース未経験の人の気持ちを代弁している様な・・・
そんな気がしました。
レースで必要な走行テクニックは何か?
そう問われれば多くの人が集団走行テクニックと答えるでしょう。
もちろん、その通りです。
しかし、多くの人が思い浮かべるのがロードレースの走り方ではないでしょうか。
ネットでも自転車雑誌でも
レースの走り方は多くの場合ロードレースの走り方が下敷きになって語られていて
エンデューロレースの走り方を深く解説したものは、あまり見た事が無いです。
しかし、ロードレースとエンデューロレースは別物であると考えます。
ロードレースはクラス別に分けられ周回遅れになればそれでおしまい。
しかし、エンデューロレースは
様々な自転車や実力の人達が大勢で同じコース上を走ります。
もちろん、周回遅れだらけですよね。
ただし、エンデューロレースでも先頭集団だけは例外で
ロードレース的な走り方で走っているんじゃないかと思います。
特に先頭交代に参加出来る様な実力の人達は
前を引く時間をライバルより短くして体力を温存しようとか
逆に積極的に前を引いて集団のペースを上げてライバルをふるいにかけようとか
そういうロードレース的な思惑を働かせて走る事が出来ます。
しかも先頭集団の前にはオフィシャルのオートバイが先行して走り
周回遅れの選手に道を開けるように促しながら走ってくれます。
これは事実上コース上に周回遅れがいない、ロードレースと同じ様な状況です。
しかし、私達の様な遅い人は、色々な速度域の人達と混走しなければなりません。
そして、そこに生まれる列車は
ロードレースの列車と似て非なるものなのです。
エンデューロレースの列車というのは殆ど先頭交代がありません。
みんな、誰かの後ろに付いて
出来れば自分の実力以上のスピードで走りたいと思っています。
みんながみんな他力本願なのですから先頭交代は起こりません。
ですから列車の先頭ですら自分が列車を引いていると思っていない事が多いのです。
列車の先頭も誰かの後ろに付きたいと思っていますから
列車の先頭が列車の後ろに付いたら列車の合体が起こります。
3人列車と5人列車が合体して8人列車になるなんて事は日常茶飯事です。
逆に列車のスピードが速いと感じれば躊躇なく離脱しますので
10人列車が登りのS字コーナーを過ぎたら綺麗に消滅なんて事もあります。
いつだったかのレースで、お揃いのチームジャージに身を包んだ二人が
先頭交代しながら走っていまして・・・
その後ろに私も含めて5~6人くらいついていたんです。
チームジャージの二人が先頭を回して走ってくれるから
後ろに付いている人たちは
こりゃいい列車に乗れたと思ってついてきますよね。
そしたらそのうちチームジャージのうちの一人が怒り出したんです。
「うしろのお前らも引けよ!」ってね。
そしたら後続は、それだけで消滅です。
怒られてまで列車に乗るくらいなら「他の人探します」ってな感じです。
後続の私達にとって
何が何でもくらいついて行かなければならない列車なんて無いのです。
なぜなら、いくらでもコース上に代わりはいるのですから・・・
ロードレースではあまり見ませんがエンデューロレースで頻繁に見る現象に
列車を乗り換えるという事があります。
自分が遅いと思っている列車に乗っていた時
すぐ横を調度いい感じのスピードの列車が通り過ぎようとした時
今まで自分が乗っていた列車を離脱して速い列車に乗ったり、
あるいは自分が乗っている列車のペースが速過ぎて苦しい時
自分の列車が遅い列車を追い越す時に列車を離脱して遅い列車に乗り換える・・・
そういう事は至る所でおこる現象です。
このようにエンデューロレースの中での集団は離合集散が激しく行われます。
お互いに引きつけ合いながらも離れることは躊躇しないのです。
この離合集散が頻繁に行われる中で
決定的に欠如しているテクニックが
オーバーテイクのテクニックであり
そのテクニックが不足しているから落車が頻発するのだろうと考えています。
ここでオーバーテイクの基本を考えてみましょう。
場所は一般道で、あなたの前を遅いママチャリが走っているとします。
あなたはこのママチャリをオーバーテイクする時にどの様な行動をとりますか?
まずは後方を確認しますよね。
後ろを見て車などが来ていない事を確認してからオーバーテイクする。
これがオーバーテイクの基本です。
ところが場所がサーキットになるだけで
何故か後方確認しないままオーバーテイクする人が多いんです。
コースは広いし車は走っていない・・・
そういうシチュエーションがオーバーテイクの基本を忘れさせてしまうのかもしれません。
サーキットのコースで集団走行とはどんな状況なのでしょうか?
それは何車線もある高速道路を走るのに似ています。
走行レーンが白線で区切られて車は白線に沿ってますぐに進みます。
道路が広いからと言って蛇行したりしませんよね。
オーバーテイクする時は常に後方を確認してから車線変更してオーバーテイクします。
いきなり自分の前に割り込まれたらムカつくでしょう。
「コイツ後ろ見てんのか!」ってね。
そういうのがレースで言う斜行というやつです。
進路を妨害するとはそういう事だと言えるでしょう。
サーキットにいくつもの車線は引いてありませんが
そういうラインがあるものとして走るほうが安全です。
例えば集団が密集してコーナーに突入する時
何処からともなく「ラインキープ!」と声が上がるのは
高速道路で言う車線を守って走ろうと声を掛けているのです。
ストレートであっても同じです。
大勢の人が走っているのですから
高速道路を走る様にラインをキープして真っすぐに走るのです。
レースの走り方と言えば何か特別なしきたりがある様に思われがちですが
少なくともエンデューロレースにおいては
高速道路を走る様に走ればかなり安全になるのではないかと思います。
それではここで私が危なかった実例を紹介しましょう。
岡山国際サーキットのエンデューロレースで私はアトウッドカーブをクリアして
たぶん単独で(もしかしたら後ろに誰かついていたかもしれません)
S字からウイリアムズコーナーへの緩い登りを走っていました。
私の左側には遅い列車、右側に速い列車という位置関係です。
緩いコーナーだったからでしょうか?
右側の速い列車が何故か左側に寄ってきたため
私はそれに押される形で左に寄って行きました。
そして私が左側の遅い列車のすぐそばを並走する形になった時
遅い列車から一人、私の進路を塞ぐように斜行してきたのです。
横からぶつけられる形で接触しましたが、なんとか落車せずに
「あっぶねぇ~なぁ~」と私が怒っただけで済みました。
これはどういう事かというと
斜行した選手は、私が後ろから来ているのに気付かずに
速い列車に乗り換えようとしたんだと思います。
この時、彼が前傾姿勢をとったままでも
頭を少し動かして斜め後ろをチラ見してくれていたら
私の存在に気付いて斜行する事は無かったでしょう。
こういう経験を踏まえて
エンデューロレースで危険なのは列車のすぐ横
であると私は学びました。
誰がいつ、横に飛び出してくるか分らないからです。
列車を形成している内の誰が遅いと感じているかなんて分りませんからね。
だから離合集散の激しいエンデューロレースでは
列車をオーバーテイクする時は
少なくとも一人分は間隔をあけてオーバーテイクした方がいいでしょう。
すぐ横をオーバーテイクしたい気持ちは分りますが
誰かが斜行するかもしれないと思ってオーバーテイクした方がいいと思います。
ここまで書き進んで来ると
なぜ何でも無いようなストレートで落車が多いのか見えて来ますよね。
オーバーテイクする時、
コーナーよりもストレートの方が抜きやすいからではないでしょうか。
車で道路を走っていても追い越しを掛ける時って直線ですよね。
みんなストレートでオーバーテイクするから落車が多いのではないでしょうか。
だからぁ~
直線でオーバーテイクするのはいいんだから
その時に、後方確認をしてくれたら・・・
かなり落車は減らせるんじゃないかと思います。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
まだ書く事がありそうな気もしますが
時間もありますので今日はこの辺で失礼しますね。
私はプロでも何でもありません。
ただの素人です。
今回の記事は素人としての意見であります。
色々御批判は覚悟の上で
もしかしたら少しでも落車が減らせるかもしれないと思って書かせていただきました。
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最近はハイブリッドカーなど気づきにくいですから、公道でも十分気をつける必要がありますね。
こう言うこと、雑誌にも書いてあるのかも知れませんがもっと大きく書いてほしいですね。
私が観たレースの動画では 、ホームストレートで仲間に向かって手を降りながらアウトからインに 見事な斜め横断している場面でした。全く後ろを確認せず 何気なく…むしろ楽しそうに…といった感じでした。後ろの走者が驚いていました(O_O)
車も歩行者も居ない解放感!スタートから少し時間も経過して慣れてきた時…私も 仲間がいたら気が緩んでついやってしまいそうだと思いました( ; ; )
自分の不注意で自分が落車するのは仕方有りませんが、人を巻き込むのが一番怖いですね。
たぶん,たくさんの人が,こういう知恵を必要としているのではないでしょうか。そういう意味で,コギコギさんのブログの存在は貴重ですよね。
ありがとうございました。
秋の鈴鹿には出る予定ですので,日にちが近くなったら,もう一度読み返します!
ロードバイクに乗り始めて1年半、ずっと描いていた夢でした。
その反面では、こんな未熟者が出る事で周りに迷惑をかけてしまわないか?との不安が、気持ちにブレーキをかけてしまっていました。
でも、今回の記事を読み終える頃、そのブレーキが解除されていることに気づきました。つぎつぎと頭に映像が流れ、まるでビデオを見ているようで、一つずつ不安が取り除かれていきました。
安全確認は、周りへの思いやりではないかと思いました。
そろそろ私も扉を開ける時かな…気持ちが高鳴って来ました。
レースには出たことないですが集団で走る事には様々な危険と最低限の安全確保のためのモラルが必要なんだと理解しました。
レースは競い合う競技ですが、一方で譲り合いや助け合いも必要なんだと思いました。
来月は初めてのヒルクライムレースに参加します。
エンデューロほどスピードは出ませんが安全第一でスタートします。
脚は初心者。心はベテランで走ります。
自然と自分の後ろを気にする癖がついてきます。
やっぱり、追突されたら嫌ですからね。
単独で走っている時でも自分の後ろを気にする癖を付けていけば
やっぱり違ってくると思いますよ。
何と言うか・・・お祭りっぽい面がありますからね・・・
どちらにしても安全走行を心がけなければなりません。
レース前の講習は実施しているレースもあります。
そういうレースが増えるといいのですが・・・
私のブログが参考になるなら嬉しいです。
ただ・・・私みたいな素人が、
こんな影響力を持ってしまっていいんだろうか・・・
なんて考えてしまいます。
でも少しでも落車が減らせるなら
自分が正しいとは言えないかもしれないけれど
書いてみようと思いました。
みんなでトレインを組んで走る事が出来たました。
単独ではありえない速度で走る経験をして
雨の中を走って危険性も体験した・・・
あとは、レースの扉を開けるだけです。
また違う世界が待っていますよ。
そういう状況になると人間、生きてるって実感が湧くのです。
本文中では詳しく書けませんでしたが
前傾姿勢で頭だけ動かして斜め後ろチラ見するだけで
かなり違いますよ。
レースレポートが今から楽しみです。
レースはドラマが生まれます。
コース上では人間が一生懸命なわけですから・・・
ヒルクライムレースでは
レースが終わった後の下りで落車が多いそうです。
無事完走する事を願っています。
しかし、操車技術を磨いて
落車を最低限に減らす努力は続けなくてはいけませんよね。
今は急激な自転車人口の増加で
圧倒的に指導者が不足しているのが現状かと思います。
野球やサッカーの様に至る所に指導者がいる状況になるまでは
少し時間がかかるかもしれません。
ただ、私も含めて
安全に走るという事を発信して行かなくてはならないと思いました。
走力も操車技術も様々なレベルの選手が色んな思惑を持って走っているということをしっかり認識し、事故に巻き込まれないよう、また原因とならないよう、次回のレースを走りたいと思います。