自転車乗りが天国へ旅立つ場所は下りコーナーが多いんですよ |
またまた前回からの続きです。
冨土野峠の頂上付近で
更に下りのテクニックの説明を続けます。
まずは下りの直線から・・・
「モーニングさん、下りの直線では
どっかりとサドルに腰を降ろさない・・・
クランクを水平にしてサドルの細くなったところを太ももで挟むようにします。
お尻でサドルに乗るんじゃなくて太ももで挟んで乗る感じ・・・」
サドルにどっかりと腰を降ろさないメリットは何かというと
重心を下げられる事にあります。
サドルにどっかりと腰をおろしてしまうと
重心はサドルの高さになります。
ところがサドルの細くなったところを太ももで挟むように乗ると
より多くの体重がペダルに架かる事になり重心を下げられるのです。
高い重心より低い重心の方が安定する。
そして路面からの衝撃を
体全体をサスペンションの様にして吸収できるメリットがあります。
「ハンドルは下ハンを握って指二本くらいブレーキレバーにかけておきます。
そして顔がサイコンのすぐ上に来るくらい
頭を下げて前傾姿勢を深くとります。
こうする事で前面投影面積を最小限にして
空気抵抗を最小にします」
前面投影面積というのは
平たく言えばロードバイクに乗っている状態を正面から見た時のシルエットの面積。
その面積が少ないほど空気抵抗が少ないと考えられます。
私の場合、上半身も出来るだけ寝かせて空気抵抗を少なくしています。
とにかく下りの直線では出来るだけちっちゃくなることが大切です。
時速50kmや60kmは普通に出ますから
手の平一枚分の空気抵抗も大きな減速の原因になります。
試しに時速60kmで走行する車から
窓を開けて手の平を出してみましょう。
思ったよりも大きな力で手の平は後ろへ押されるはずです。
「いよいよコーナーの乗車姿勢ですけど
基本的にはリーンウィズで・・・
クランクはイン側を上げておきます。
そしてアウト側のクランクに荷重を掛けます。
これを外脚荷重と言います」
コーナリングの姿勢は大きく分けて3つあります。

リーンアウトはコーナーリング中のバイクのリーン(傾き)に対し
身体を起こしたフォーム。
リーンインはコーナーリング中のバイクのリーン(傾き)に対し、
身体を入れた(さらに傾けた)フォーム。
リーンウィズはコーナーリング中のバイクのリーン(傾き)に対し、
身体の傾きを同じようにそろえるフォーム。
写真がロードバイクで無くてオートバイのものしか見つからなかったのですが
大体こんな感じです。
私の場合、リーンアウトは、あまり使った事がありません。
リーンインは、岡山国際差キットのアトウッドカーブなんかで使ったりします。
かなりのハイスピードでコーナーをクリアしていくので
リーンインの方がバイクの傾きを浅くする事が出来て滑りにくい気がするからです。
そしてコーナリング中、
イン側のクランクを上げておくのは常識ですよね。
コーナーでロードバイクがイン側に傾くので
イン側のクランクを下げていたら路面と接触して落車してしまいます。
解っていても耐久レースで疲れてくると
クランクを路面に接触させて落車しそうになっている人がいます。
イン側のクランクを上げるとアウト側のクランクは下げる事になります。
この時、ただ単にアウト側のクランクを下げるだけでは無くて荷重を掛けます。
外脚荷重と言いますが
これも外側のクランクに荷重をかける事によって
ロードバイクの重心を低くする事が出来ます。
重心は低い方がバイクが安定します。
イメージとしては外側に膨らむロードバイクを
外脚で抑え込む様なイメージです。
「それじゃあモーニングさん、今から実際に下りますね。
何度も言いますが
自転車乗りが天国へ旅立つ場所は下りコーナーが一番多いんです。
コーナーの先に何があるか分かりません。
倒木があったり落石があったり
中にはコーナーの先に鹿がいて落車したという笑えない話もあります。
ついこの間も、臨時漕会のメンバーが下りで石を踏んで
パンク⇒落車という恐ろしい目に会っています。
カーブミラーは必ず確認して
コーナーはしっかり減速して安全にクリアしましょう。
田舎道では対向車なんて来ないと思って走ってる軽トラがいますからね」
瀬戸内海側と日本海側を分け隔てる冨土野峠の頂上は標高545m。
私達は播磨の国から但馬の国へ545mの高さから舞い降りていきます。
瀬戸内海側よりも日本海側の方が勾配が急でカーブもキツイ。
直線的に一気に高度を下げたかと思うと減速して急旋回する。
猛禽類が獲物の目星を付けながら
高高度から低高度へと滑空していく姿に似ている。
3台のロードバイクが一定の車間距離を保って右に左にとバイクを傾けて下る・・・
スピードは我々の脳内にドーパミンという快感物質を分泌させます。
速度が増すと命が危険にさらされる。
命が危険にさらされる事で全身の神経が覚醒する。
そして全身の神経が覚醒する事で「生きている」ことを実感するのです。
スピードの魔力の虜にならぬよう
ブレーキレバーに力を込める。
山間の集落の中に田植えを終えて間もない田んぼが見え始めました。
苗はまだ小さく田んぼに景色が映る。
ツバメが水面ギリギリをバウンドするように低空飛行していました。
「じゃあ、そろそろローテーション始めますか」
私の掛け声でモーニングさんお待ちかねのローテーションが始まりました。
実はぴよぴよさんとは普通にドラフティングして走る事はあったのですが
次々に先頭交代して走るローテーションはやった事が無かった気がします。
ローテーションは交代のタイミングや車間距離など息を合わせる事が必要。
走りながら、その辺のコツを共有化します。
3人のトレインが高速で巡航し始めると
空気の塊りが移動する感覚が生まれます。
私達の前に立ちはだかる空気の壁を
私達3人がつくる空気の塊りによって切り裂いて進むのです。
その疾走感は単独では味わえない気持ち良さです。
テンポよく先頭交代を繰り返して行くように思えましたが・・・
やはり体調不良のぴよぴよさんが後れを取り始めました。
いつも、この人って疲れる事あるんだろうかと思わせるくらい元気なのですが
本人の言う蓄積疲労は思ったより大きかったようです。
状況を察したモーニングさんが
「僕が暫く引きます!」と言って前を引いてくれました。
しかし先頭を引く事を免れてもぴよぴよさんは我々の列車から千切れてしまいました。
ぴよぴよさんが千切れてすぐ私はそれに気付いたのですが
敢えて先頭を引くモーニングさんには伝えませんでした。
どうせ暫く一本道。
切りのいいところまでテンポ良く走ってもらおうと思ったのです。
「千切れた奴は、放っておけ」
まるでチームヴェルジェのスパルタ式ローテーショントレーニングみたいですね。
実際列車から千切れると
一気に差が開くんですね。
空気抵抗を自分ひとりで受け止めなくてはならない事と
心が折れる事で・・・
列車から千切れてしまう時の寂しい気持ちは
経験してみないと解らないかもしれませんね。
結局、モーニングさんがぴよぴよさんが千切れた事に気付いたのは
琴引きトンネルへ向かう道と県道6号線との交差点の信号でした。
信号が赤になって停止して、やっと気付いた。
「モーニングさん、ぴよぴよさんがついて来ていませんよ」
「えっ?何か、トラブルか・・・」
「いや、普通に千切れたんですよ」
暫くすると後ろからぴよぴよさんが追い付いてきました。
「う~ん、モーニングくん!速い!」
脚の方のケイデンスは幾分元気が無くなっていましたが
口の方のケイデンスは、まだ良く回っていたので安心しました。
「ここからは、私が引きますね」
モーニングさんが前を引くより
私が前を引いた方が、ぴよぴよさんは休む事が出来るでしょう。
生活道路を走らなければなりませんし
かつて地元民だった私が前を引く事にしました。
私が前を引くと、ぴよぴよさんは千切れるという事は無く
いくらか休む事が出来たんじゃないかと思っていました。
しかし、ぴよぴよさんから意外な言葉を聞く事となったのです。
「コギコギさん、この辺にコンビニありますか?」
「コンビニ・・・より先にスーパーがあります。
どうしたんですか?」
「どうも・・・ハンガーノック一歩手前の様な感じなんです」
「エエッ?ヴァーム飲んできてます?」
「飲んできてますよぉ~」
出石まで、ノンストップで行くのかと思っていたら・・・
ぴよぴよさんは本当に調子が悪いようです。
養父市のYタウンのマックスバリューで小休止。
ぴよぴよさんは業務スーパーで買ったどら焼きを補給していました。
目的地の出石まで、あと20kmほどです。
ぴよぴよさんがは蕎麦アレルギーという事で
出石に行っても出石そばは食べられません。
そこで、出石の街のはずれにある洋食屋さんで
「但馬牛ステーキ丼」を食べようと計画していました。
体調不良のぴよぴよさんは「但馬牛ステーキ丼」を食べる事が出来るのでしょうか?
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今回は下りのテクニックについて書きました。
あくまで素人のテクニック記事ですから、その程度に受け取ってください。
また話しが長くなってしまいました。
遅筆をお許しください。
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オートバイに30年乗っていたのに 全く別物の様に思いました。
ブレーキをかけているのに 加速して行く(>_<)(ブラケットを持ったままでした)
前につんのめって崖からダイブしそうでした(>_<)(サドルにドッカリ座ってました)
コーナーで思う様なラインが取れない(>_<)(外脚荷重もクランク位置もメチャクチャでした)
教えて頂いた通りにした途端に 目が覚めました^^;
バイクが安定し、コーナー前でしっかり減速出来、コーナリングのラインが見えました! 感謝!です(o^^o)
でも、調子に乗ったときが 要注意!!ですよね!
事故無く怪我無く 長く 楽しみたいものです(^_−)−☆
僕は真夏でも長袖、下もロングだから擦過傷も軽度ですみました(-_-;)
あと…車が走ってない道路は案外道の真ん中に石がゴロゴロあるので、気を付けないといけませんね。
あと、僕の落車の際ハンドルを離さなかった(離す暇がなかった?)のも骨折など大ケガにならなかった要因らしいです(ショップの人曰く)。転倒の際に手を突くと介達外力で鎖骨や上腕骨骨折になりやすいです。
皆様もどうか怪我のないライドを楽しんで下さい!
暑いですが長袖も良いですよ(^-^;
だけど、たとえ本調子であったとしてもモーニングさんのペースについていくのは厳しかったでしょう(^^ゞ。
いい刺激になりましたね。
ボーンズさん、お怪我は大丈夫ですか?
貴重な体験談、ありがとうございます。
大怪我しなくて良かったですが防げた落車でもあります。集団でゆっくり下ってたのですが前の人をボーッと見ながら走ってたので注意が足りてなかったですね。
僕が言うのも何ですが気を付けましょう(^-^;
ブラケットを握ったブレーキングだと制動力が今一つで怖そうですよね。
下ハン握れる事が安全に下れるかどうかの分かれ道になります。
おばさんはオートバイに乗っていた経験もあったので
私の伝えたい事をすぐに理解してもらえた感じでした。
あっという間に上手になられましたね。
でも、下りは危険なので
くれぐれも安全走行を心がけましょう。
大丈夫だとは思いますけど・・・
スピードが出る区間でテンションが上がるのは
これはもう本能的な衝動かもしれません。
でも、やっぱり安全第一!
大切な命ですからね。
アワイチも危険な下りがありますね。
水仙郷の下りは道幅も狭いし地元も車も危険な運転しますしね・・・

