前走者の後輪と自分の前輪が接触した時どうするか? |
前回からの続きです。
誰かと一緒に走ると何が違うか?
それは会話が生まれる事でしょう。
「前、引きますよ」
その一言だけで、どんなに心が通じ合う事か・・・
いつも、同じようなコースを黙々と走る・・・
季節の変化を全身に感じて
それはそれで楽しかった事を憶えています。
でも、やっぱりマンネリになってしまう所があるのは否めません。
誰かと一緒に走ると、たとえ同じ道を走ったとしても
刺激があったり発見があったりするものです。
走り慣れた揖保川沿いの道を山崎方面へ向けて走っていた時です。
先頭を引いていたクライム君から提案がありました。
「コギコギさん、千年藤見に行きませんか?」
「せ、千年藤?」
天徳4年(960年)に植えられたと伝えられている大歳神社の境内の藤棚は
約500㎡にも広がる壮観なものだそうです。
幹回りが3.8mもある藤の木から約60cm~1mの花房が垂れ下がるのだとか・・・
「いいですね!
行ってみましょう!」
「この辺、詳しいのはワインレッドさんなんです・・・
ワインレッドさん、前、引いて!」
ワインレッドさんの道案内で山崎の町中の細い道を進んで行きます。
(こりゃ車で来たら、止めるところ無くて大変だな・・・)
もしタイミングが良ければ
薄紫色の藤の花が境内いっぱいに広がる姿が見られるはずです。
しかし・・・
ちょっと早過ぎたかな・・・
満開の藤の花を拝む事は出来ませんでした。
満開の千年藤はこんな感じなんです。
町内会のおじさんの様な人が寄って来て
「一週間早かったな・・・
見頃は、来週からかな・・・」
今回は残念でしたが私のコースに新たな立ち寄りポイントが出来ました。
こんなの知ったら絶対気になって立ち寄りますよね。
次は私がみんなに提案する番です。
国道29号線を北上して
ちょうどトリガタワに登る手前の、
道の駅みなみ波賀にあるパン屋さんで補給しようと・・・
その季節に応じて色んなパンが並んでて・・・
それを食べるのが楽しみになっちゃった。
今日はヴァームを飲んで来ているから要らないと言えば要らないんだけど・・・
ツーリングには食べる楽しみも無いとね」
お店は女の人が運営しているのかな。
店員さんは女の人しか見た事がありませんね。
「いや、俺はこっちにしよ」
なんて話しながら、それぞれお好みのパンを買って
外でしゃべりながらいただきます。
(記憶が曖昧でごめんなさい)
斉木口から国道429号線に入ればすぐに登りが始まります。
最初の勾配は緩いですが
トリガタワトンネルに近づくに従って徐々に急坂になっていきます。
「前に行ける人は、どんどん行って下さいよぉ~」
私が坂が苦手なので私に構わず先に行く事をみんなに即しました。
「それでは、前に行かせてもらいます」
最初に飛び出したのは昨年の10月にロードバイクに乗り始めたばかりのモーニングさん。
そのモーニングさんを追走したのがワインレッドさんです。
ワインレッドさんも速いですからね。
初心者に前を行かせるわけにはいかないと迎撃態勢です。
最後尾でスロットさんの伴走をしていました。
多分、モーニングさんがメッチャ速いって事をまだ知らなかったんだと思います。
知ってたら追ってたでしょう。
私はモーニングさんとワインレッドさんの千切り合いを
遥か後方から観戦・・・高みの見物です。
勾配が急になったところでもモーニングさんの速度は落ちない!
ワインレッドさんがたまらず千切れていくのが見えました。
恐るべし初心者!
恐るべしサブ4(サブフォー)!
トンネルの手前の広くなったところで合流すると
ワインレッドさんが目を白黒させながら驚いていました。
「モーニングさん、速いです!
追い切れませんでしたよ」
「でしょ!
並みの初心者と違うでしょ」
私がワインレッドさんに勝ったわけでもないのに
私はモーニングさんの速さをワインレッドさんに自慢していました。
クライムさんとスロットさんが到着したところで段取りを決めます。
「トリガタワを下って千種町のローソンでローテーションの説明をしましょうか・・・
そのあと、千種川沿いの県道72号線で実際に練習しましょう・・・」
トリガタワトンネルを抜けた後
色とりどりのビー玉が坂道を転がっていくように
ロードバイクが次々に坂道を転がっていきました。
トンネルから続く道は道幅が広いので速度が増します。
この下りで、この日の最高時速57.38kmを記録!
坂道を下りきって千種川沿いのローソンで
一通りローテーションの説明をします。
「まずは車間から、
最終的には30cmを目指します。
こういう場所で、止まった状態で30cmの車間だと前走者がどんな風に見えるか
景色というか見え方を記憶しておきます。
ちょっと並んで見て下さい」
「ワインレッドさん、今、30cmくらいです・・・」
「エッ、今30cmですか、結構、間、あくんですね」
「そうですか?ワインレッドさんが慣れているからかもしれませんね。
もっと詰められるなら詰めてもいいですよ。
15cmくらいで走る時もあります」
「ただ、車間を詰めれば詰めるほど接触する危険性が高くなります。
前走者の後輪に自分の前輪を接触させてしまう事をハスったって言います」
「ハスった時はどうするんですか?」
「ハスった時に落車するのは後続が多いですね。
前の人は後輪に接触されても案外安定して走っていられます。
ところが接触した方、後続の方が急ハンドルを切る形になって落車する事が多いです。
もしハスったら、逆に前の人の後輪に押しつけるように
接触した方向にハンドルを切ります。
そして冷静に後ろへ下がります。
パニックにならない事が大切ですね」
「あと・・・落車防止で言えば・・・
コーナーでは後続は前走者のイン側へ前輪を差し込むようにした方がいいでしょう。
そうする事で前走者が落車した時
自分も巻き込まれる可能性を低く出来ます」
「先頭交代は
どれくらい引いて交代するんですか?」
「それは適当かも・・・
速い人が前に出れば長く引いてもらう事もあるし
逆に遅い人はすぐに交代する事もある・・・
場合によっては全員がほんのわずかだけ引いて
どんどん先頭を回して行く時もあるし・・・
とりあえず、今回は1分目安で行きますか」
「先頭交代の合図は肘ですか?」
「肘で合図してもいいし手で合図してもいいです。
プロは肘でやってたりするけど
僕らは手でやるかな・・・誰と走っても解りやすいし・・・
先頭交代の合図だけでなくて
チョイ坂をダンシングでクリアーする時は
先頭はブラケットを持つ手のひらをパッ、パッって開いて合図すると
後続も車間を詰めたままダンシングでチョイ坂をクリアー出来るよ」
「あとは、ペースを一定に保つ事。
先頭になった途端に気合いが入っちゃって加速してしまう人がいるけど
こうなると後続が脚を使ってしまうから嫌われるよ。
列車全体の一定ペースを保つようにします。
私らの列車は先頭を終えて下がる時
歩道側を下がっていきます。
最後尾に来たら右側にスライドする感じで後ろに着きます」
「ええっと・・・こんなもんかな?
とりあえず、走ってみますか!」
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日はここまで書いて力尽きました。
続きは次回、書くつもりです。
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最近,人と走ることの楽しさやおもしろさがわかってきました。
「である」とか「~だ」という語尾にすると書きやすいんですが
権威を持ちすぎてしまう気がするんですよね。
あくまで素人の
少し自転車に詳しいおじさんのスタンスを守る様にしています。
賀茂神社行って来ましたか・・・
なかなかいい神社でしょ。
室津の街並みも情緒があるし・・・
道の駅みなみ波賀のパン屋さんは
トリガタワを登る前の儀式になってしまいました。
コンビニの補給ではちょっと味気ないので
こういうパン屋さんは重宝します。