ロックオンした若者が「僕が前を引きます!頑張ってください!」の? |
前回からの続きです。
急勾配の下り坂が終わり、
斜度が緩やかな直線基調の県道を頭を下げてペダリングします。
最も空気抵抗が少ないフォームをとって
私を豪快に追い越して行った若い奴の背中にロックオンします。
重いギヤのままハムストリングスの出力を上げていきます。
前傾した胸に膝が打ち付けられるような感覚・・・
背中の広背筋も発動してハンドルを引く・・・
アフリカのサバンナのチーターが獲物のインパラに襲い掛かる様に
全身の筋肉を使って前を行く若い奴を追走します。
彼は、恐らく追われている事に気付いていない。
何もしなくてもスピードが出る下り基調の県道を
更に漕ぎを入れて戦闘モードの心拍で追ってくるとは思っていないのでしょう。
油断なのか、それとも自信なのか・・・
左折して国道374号線と並走する片鉄ロマン街道に入る頃には
彼の背中を捉えていました。
ドラフティング走行に切り替えて彼を利用して走る。
私は片鉄ロマン街道は何度も走った事がありますが
こんな高速で走ったのは初めてです。
仲間と語り合い、そして吉井川を眺めながら走った道を
寡黙に、そして若い奴の背中を見ながら、ひたすら走っていました。
何人も追い越して行きます。
誰が参加者で誰が一般なのか分からない。
ただ、この列車は何人かを拾って大きくなっていきました。
片鉄はコース上に何箇所も車止めが存在します。
車止めに高速で衝突すればただでは済まないでしょう。
確実に後続も巻き込む大きな落車につながるはずです。
私は想像力が豊かな方なので怖くて仕方ありません。
車止めを通過する際に視界を確保するため車間を開けていました。
そのスキを付いてひとりの選手が私と若い奴の間に入ってきました。
確かに私の後ろについていれば
車止めが近づくとペダリングをやめ
通過すると加速するの繰り返しだったので走りにくかったに違いありません。
ただ、私としては列車の3番手という絶好のポジションを手に入れたのでした。
風除け2枚を走らせて脚を休ませる事が出来ます。
ところが暫くすると
二番手を走る選手の背中が揺れ始めました。
どうも若い奴のペースに付いて行くのが苦しいらしい。
徐々に若い奴との車間が開いて
もはやドラフティングの恩恵を受けられなくなりそうでした。
二番手と一緒に千切れてしまえば元も子もありません。
私は加速して二番手を追い越して再び私が二番手となりました。
しかし今度は先頭を行く若い奴のスピードが落ち始めたように感じました。
ここで気を付けなくてはいけないのが
ドラフティングの恩恵に授かって走行していると
前走者のペースが遅いと感じる時があることです。
自分が前に出た方が速いと感じて前に出てみるものの
今度は風の抵抗を体全体で受ける事になり
思った様にスピードが出ない・・・
もしくは脚を無闇に使ってしまう結果となるのです。
しかし・・・
片鉄に入ってから、あの若い奴が引きっぱなし・・・
疲労も蓄積されているはず。
彼の後ろに付いている時の心拍から
自分が先頭に立てば、どのくらい心拍が上がるかは、
およそ見当が付いていました。
そろそろ俺の出番か・・・
「前、引くよぉ~」
一言声をかけて、ついに私は若い奴をオーバーテイク!
列車全体のペースが落ちてしまうなら
私が前を引いた方が得策だと判断したのでした。
若者よ、しばらく休ませてやるよ・・・
ところが私が先頭を引き始めて、そう時間が経っていないのにもかかわらず
若い奴は、再び加速して私の横に並びます。
「あっ、あのう・・・もう少し僕が引きます!」
「エッ???」
「実は僕・・・参加者じゃないんです」
えええええええええっ!
そ、そ、そうだったんですかぁあああああ!
下りで豪快にオーバーテイクされて以来
私は、この若い奴にロックオン・・・
一般だったんですね。
サイクルイベントは一般道を走るわけですから
一般の人と混走になり得るわけです。
事実、去年の自分も雲海の坂をまるで参加者の様な顔をして登っていたんですからね。
「僕は鵜飼谷からは真っすぐ和気に向かいます。
だから、その間だけですけど僕が前を引きますよ。
頑張ってください!」
若い奴なんて言ってごめんねぇ~
すごくいい子じゃないのよねぇ~
お言葉に甘えて鵜飼谷まで引いてもらいました。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
本当は、もうちょっと書こうかと思ったんですが・・・
実は日曜日に岡山国際サーキットで行われるエンデューロに出場予定なんです。
只今体調管理に努めています。
明日も仕事・・・
最近睡眠不足のため、今日のブログはここまでにして寝ます!
続きは後日書きますね。
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私は、 一人で走って退屈な時に 自分を主人公にして 想像しながら走る事が有りますf^_^;) 出来るだけ颯爽と!していたいですもの(^_−)−☆
耐久レース!出し切って下さい!p(^_^)q
流石人気ブロガー!!ネタの神様が降りて来てますね\(^o^)/
いつでも自分が主人公でいられますね。
高速巡航している時は多少ナルシストかも・・・
レースでもナルシストの気分は大切かもしれません。
今回のレースに向けて3月は過去最高の1130km走りました。
出来る限りの準備はしたつもりです。
あとは出し切るだけですね。