だるまさんが初めてロードバイクに乗った日 |
前回からの続きです。
だるま珈琲のマスターにロードバイクを体験させてあげる約束をした朝
私はとてつもなく早く目が覚めてしまいました。
なんだか嬉しくて起床時間は午前3時30分!
これって朝?夜中?
せっかく目が覚めたのでマスターにお貸しするクロモリのトレックを点検整備します。
後輪を見るとパンクしていました。
早起きしてて良かったです。
パンクの原因はリムテープとチューブの間に砂粒が入っていた事の様です。
高圧にさらされるチューブは砂粒に押しつけられる形となって小さな穴が開いたようです。
チューブを交換してチェーンに注油して
ブレーキのクリアランスを調整して・・・
自転車を触りながらマスターがロードバイクに乗る姿を想像します。
あの直線では、思いっきりスピードを出してもらおうとか
あの登りはどのくらいのスピードでついて来れるかなとか
頭の中で予行演習します。
簡単に朝食を済ませた後、
クロモリのトレックとフルカーボンのRFX8を車に積み込みました。
この2台を一緒に車載したのは、もしかして初めてです。
そりゃそうですよね。
どちらも私が乗る自転車なんですから。
だるま珈琲の駐車場に5時45分くらいに到着。
2台のロードバイクを駐車場に並べている時
だるま珈琲のマスターが登場しました。
「おはようございます!
昨日はワクワクドキドキで寝付けなくって・・・
しかも朝、早く目が覚めてしまって・・・
起きたのは3時半でしたよ。
まるで遠足に行く前の子供ですね」
(起床時間は私と同じだったようです)
「3時半に起きたはいいけど・・・
うつらうつらしていたら気が付けば5時半でした」
男というのは単純というか分かりやすいというか・・・
ロードバイクを貸す方も借りる方も
嬉しくって寝不足気味の様です。
「これが今日、マスターに乗ってもらうロードバイクです。
いつ買ったか忘れてしまいましたが
確か、1990年代の後半だったと記憶しています。
少々古いですが、現役です。
ロードバイクってどんなものか感じるには、これでも充分でしょう」
「このロードバイクに乗せてもらえるんですかぁ・・・」
マスターは慈しむ様なまなざしでロードバイクを見つめていました。
十数年以上前の古びた安物のロードバイクですが
彼は最新鋭のピカピカのロードバイクを見つめているような表情でした。
「素材はクロモリ・・・簡単に言えば鉄です。
変速は今は11速が出ていますが、こいつは7速です。
ただし、デュアルコントロールレバー、STIレバーとも言いますが
今と同じ仕組みの変速が付いています。
操作の感覚は今のロードバイクとほぼ同じですよ」
私は簡単に操作方法を説明しました。
一般人から見ればブレーキレバーとシフトレバーが一体化しているというだけで
なんだか本格的な特別な自転車に見えるでしょう。
そして大まかにサドルの高さを合わせます。
電柱に捕まりながらサドルに乗ってもらいます。
シートチューブに添わせる位置にクランクを合わせます。
一番下になったペダルの軸にかかとを乗せてもらいます。
膝が伸び切るか、もしくは膝に少し余裕があるくらいでサドルの高さを合わせます。
時間が無いので非常に簡単ですが
これで、大まかにサドルの高さを合わせる事が出来ます。
「どうですか?サドル高いでしょ?」
「だ、大丈夫です」
ママチャリのポジションとロードバイクのポジションは全然違うので
初めてロードバイクに乗るとサドルの高さに驚くのが普通です。
ママチャリの様に信号待ちは出来ないので
ロードバイクの止まり方を説明しておきました。
「それじゃあ、そろそろ出発しますか・・・」
多少よろめきながらマスターは私の後ろを付いてきました。
午前6時を少しまわった時間帯です。
朝靄に包まれて少し空気には湿り気がありました。
交通量が少ない市内の道を2台のロードバイクがゆっくりと進んでいきました。
すれ違うのはジョギングをしている人や犬の散歩をしている人たちばかりです。
朝靄の白い景色の中を新しい空気を吸いながらロードバイクを走らせました。
「どうですか?ロードバイクは?」
「速いですね!」
やがて私達は国道2号線沿いにJR竜野駅に向かう広い道に出ました。
「マスター前、走ってください。
私、後ろから見てますから」
マスターは「?」という表情をして前に出ました。
「マスター、ここはスピードを出しましょう!
もっと踏んで!」
ギヤを重くしていきましょう!」
最初からこの場所でロードバイクのスピードを体感してもらうつもりでいました。
フォームなんてどうでもいいから
ママチャリなんかより圧倒的に速い
ロードバイクのスピードを体験して欲しかったのです。
「今、時速28km・・・
30km・・・
ハイ!ギヤを重くして!
32km・・・
35km・・・
38km!」
練習すれば、この直線は時速40km出せます」
私はマスターと並走するように声をかけていました。
横から見えるマスターの表情が少し笑顔に見えました。
そして次は、ちょっとした坂道を通って相生へ帰ります。
「マスター、今坂道を登っていますが時速は13kmです。
これってママチャリが平地を走る速度くらいです。
ロードバイクで走ると坂道の感覚も違うでしょ」
マスターの方は私のシフティングに注目しながら登っていました。
「コギコギさん、どうもギヤチェンジがうまくいきません。
どっちが重くなるのか、軽くなるのか
今、どの辺にギヤがあるのか・・・」
「最初っからシフティングをスムーズにこなすのは難しいでしょう。
まっ、慣れですかね」
下りは初心者が飛ばすと怖いので減速して下ります。
「前後ブレーキ、一緒にかけてくださいねぇ~」
相生へ向かう道を清々しく走るマスターです。
初めてにしちゃあ様になってますよ!」
マスターは額に少し汗をかいた状態で、だるま珈琲の駐車場に戻ってきました。
「どうですか?ここから竜野駅までママチャリで行くとなると結構な距離ですが
ロードバイクなら、あっという間だったでしょう・・・」
「そうですね。ママチャリだったらエッ!竜野駅まで!って距離ですけど
ロードバイクなら、そんなに遠くに感じませんでしたね」
「往復・・・そうだなぁ・・・10kmくらいですかね。
ロードバイクなら30分かからない・・・
ロードバイクに乗っていると自転車で行ける距離感覚が変化します。
30kmがあっという間の距離になって
50km、80km・・・と段々遠くへ行けるようになる。
そして遂に100km走れるようになったら一応一人前かな。
100km走れるようになれば面白くなりますよぉ~
100km走るのが何ともなくなれば200kmも走れるようになる」
「コギコギさんの後ろを走っていると
やっぱりコギコギさんはスムーズにペダルを漕いでいるんですよね。
お尻もちゃんと安定していて
ギヤチェンジもスムーズでした。
それに引き換え僕は、サドルの何処にお尻を乗せてんだかわかんないし
ペダルを漕ぐ時もギクシャクしてるし・・・
ギヤチェンジはどうなってんだか分かんないし・・・
でもね・・・ロードバイク・・・面白かったです!」
私はマスターの「面白かったです!」という言葉の返事を笑顔で返していました。
私自身、マスターから「面白かったです!」という言葉を聞いて凄く嬉しかった。
「今日は朝から爽やかな汗をかけました。
コギコギさん、ありがとうございました」
時計を見ると調度午前7時・・・
マスターの出勤時間です。
早朝6時から7時の時間限定のサイクリングでした。
操作の説明をしたりサドルを合わせたりの時間も含めてなので
実際にロードバイクに乗っていたのは30分程でしょう。
30分、ロードバイクに乗っただけですが
何かを伝えられた気がします。
走り終えて、まだ朝の7時・・・
私は再びロードバイクに乗って走りに行きました。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
マスターがロードバイクを買うかどうかは判りません。
ロードバイクは高価ですから、おいそれとは買えないでしょう。
奥さんを説得しないといけませんしね。
でも、マスター、すごぉ~く買いたいはずですよ(^_-)
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
ポチはどれでも一つでいいですよ。
にほんブログ村
出せる速度に驚いて、とりあえず近くの海が見える道を走って(当時は岡山だったので牛窓あたり)その距離を走れたのにまた驚いて…、気が付いたらしっかりハマっていました(^^)
やはりロードは良いですね!
マスターもママチャリとは違うものを感じられたのではないでしょうか?
今後が楽しみですね~
そんなことも知らずに、ただただ楽しませて頂きました。
必ずや、皆様と走れますよう~に・・・(^^)
マスター、一緒に乗ろうよ。気分転換に。
珈琲は飲みに行けますけど・・・
よほどロードバイクの印象が強かったんでしょうね。
私はMTBにスリックタイヤを履かせてオンロードに強くして
それでもロードのスピードは出せなくてロードを買いました。
なのでスピードの驚きはそれほどでもなかったんですが
走行感の軽さの虜になりましたね。
ロードバイク人口増殖中ですね。
最初っから好きにさせない所もロードバイクの魅力かな。
仲間が増えるという事は
少なくともロードバイクに乗って楽しいという価値観が同じ人が増える事。
価値観が同じ人と居る事は、それだけで楽しですね。
だるまコーヒーのマスターが だるまローディーになる日も近い(笑)!?
あっ 僕もだるま珈琲行ってみたいんですが(^^)