シートポスト固着!それはタダの錆ではない!予防策はこれだ! |
恐らくは錆ついているためです。
クロモリフレームにアルミのシートポスト。
仕事から帰って来ると日課のように潤滑油を注油して
いつかは抜けるんじゃないかと思っていましたが
持ち合わせている工具ではどうにもこうにもなりません。
力任せには限界があります。
作戦を変更して違う方法を考えてみます。
鉄のフライパンで餃子を焼く時
焦げ付いて餃子がボロボロになった経験ありませんか?
餃子をフライパンから取り上げようとすると
底の部分だけ焦げ付いているもんですから
餃子の上の部分だけを取り出す形になって
結果、餃子がボロボロになる。
それを解決するためにはフライパンを火からおろした後
濡れ布巾の上にジュッと置くと
あら不思議!餃子が綺麗に取り出せるではありませんか!
これは鉄のフライパンと餃子の焦げの熱膨張の差を利用した料理の技です。
濡れ布巾に鉄のフライパンを置くと鉄は急激に収縮します。
餃子の焦げはその収縮についていけなくて
フライパンの表面からはがれることになります。
熱膨張率の差のよってフライパンから餃子を綺麗に取り出す事が出来るのです。
これってシートポストを抜く事にも応用出来ないですかね?
アルミのシートポストとクロモリフレームの熱膨張率を調べてみると
熱膨張率に大きな差がある事が分かりました。
アルミの方が熱膨張率が高くクロモリの倍ほどあります。
双方の金属にこれだけ熱膨張率の差があれば
どちらかを加熱、急冷すれば熱膨張率の差によって剥離が期待できないでしょうか?
やってみる価値がありそうなのでやってみました。
アウトドア用のガスバーナーと
バレーボールで使うねん挫などの応急処置に用いる冷却スプレーがあったので
それらを使う事にしました。
加熱、急冷はシートポスト側に施します。
アルミのシートポストの方が熱膨張率が高いのと
フレーム側の塗装を傷めたくないためです。
ガスバーナーでシートポストを加熱します。
シートポストから少し煙がでるくらい加熱しました。
シートポスト加熱後、水で濡らした布をシートポストに巻きつけて冷却スプレーを吹き付けます。
ジュッと音がします。
この作業を数回繰り返します。
いくら頑固な錆つきでも、
これだけ科学的なアプローチによって作業すれば
なんとかなるんじゃないかと大きな期待。
結果、甘い期待は見事に裏切られシートポストはビクともしません。
う~ん、行き詰りましたねぇ~
この強力な錆つきはなんなんでしょう?
車屋さんは相当錆ついているボルトでも結局は回しています。
自転車のシートポストもこれだけやれば回せそうなもんですが・・・・
調べてみると新たな事実が判明しました。
アルミのシートポストとクロモリのフレーム。
このように違う種類の金属が接する場合、
普通の錆ではない腐食が起こるのです。
「電蝕(電食)」という特別な錆のようです。
「電蝕(電食)」とは「電気化学的腐蝕」の略。
二種の異なる金属が同時に電解質溶液に接触したとき、
金属間の電位差によりイオン化傾向の強い金属から弱い金属に電子が移動、
電荷を失った金属原子がイオンとして溶液中に溶け出すことで
金属が腐食する現象を言う。
私はこういう事には弱くって何の事だか分かりませんが
錆の中でも厄介な部類の様です。
アルミのシートポストとクロモリのフレームは二種類の異なる金属です。
そこに雨水や湿気等の水分が加わって電蝕を発生させたものと思われます。
厄介な事に、この電蝕というやつは普通の錆より早く進むそうです。
こういう強力な錆と闘ってきたのです。
この電蝕を打ち破るにはパイプレンチという高価な工具を用いるか
それでもダメな場合はシートポストを切断し
中を金鋸で縦にスリットを入れてシートポストを破壊して抜き去るしかないようです。
しかも成功するとは限りません。
そこまで頑張れるかはちょっと・・・・
シートポストを抜くという作業はとりあえず中断する事にしました。
シートポストの電蝕を防ぐには塗装されたシートポストを用い
こまめにグリスアップするしか無いようです。
私が大学時代の後輩に自転車競技部の優秀な選手がいたのですが
彼の自転車はメーカーから供給された70万円相当のクロモリ。
そのフレームにシートポストを固着させて泣いていたのを思い出しました。
電蝕を起こしそうな自転車に乗っている方は
たくさんいらっしゃるでしょう。
クロモリフレームにアルミのシートポストはもちろん
チタンのフレームにアルミのシートポストもあるでしょう。
フルカーボンのフレームだって
シートクランプ部分の内側の補強材の素材はなんだか分かりませんよね。
こまめにグリスアップすればいいのは分かっていてもなかなか出来ません。
それは何故でしょう?
サドル高はセッティングの中でも最重要です。
サドル高を決めるのに1年くらいかける人もいるくらいです。
そんな大切なサドル高ですが
シートポストのグリスアップをすると狂うリスクがあるんですよね。
サドル高を決めていく過程で
シートポストにキズをつけておいたりしますが
そのキズが何本にもなっていてシートポストをグリスアップして戻そうとすると
「あれ?どのキズだったっけ?」
てなことになってしまうのです。
そういうこともあってシートポストのグリスアップというのは
後回しになりがちで、気がつけばシートポスト固着っていう事態を招いてしまうのです。
じゃあ、
サドル高が狂わないようにメンテ出来ないか?
私がおススメするのがホースバンドを用いる方法です。
ホースバンドというのは蛇口とホースを接続する金具で
ホームセンターに行けば100円あればお釣りがくるくらい安かったと思います。
サドル高が分からなくなる事はまずありません。
この方法でサドル高を残しておけば雨中走行後のフレーム内の水抜きにも使えますし、何よりシートポストにキズを付けてしまう事がありません。
マーカーで記録するよりずっと正確です。
シートポストのグリスアップをせずに
ほったらかしにしているあなた!
ほうっておくと大変な事になりますよぉ~
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
シートポストの固着、大丈夫ですかぁ~?
みなさんの自転車が私のマウンテンキャットみたいになりませんように・・・
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切迫した状況がよく伝わってきます。
自転車趣味の人なら、専門的なことはお店にまかせるとして、
こまめなメンテナンスが必要ということですね。
注油するべき所に注油して
自転車を綺麗にしておく事が大切なんでしょうね。
自転車は構造自体は簡単ですから
大切にしてあげれば、長く付き合う事が出来そうです。
また遊びに来てくれると嬉しいです。