5時間耐久、地獄からの脱出 |
良い方向への変化ならありがたいが
疲労がたまって行く一方のレースにあって、良い変化など望めそうもない。
実はレース前の練習で、
自分のペダリングが悪くなっている兆候を発見していた。
腓腹筋と前脛骨筋(ふくらはぎとすねの筋肉)を同時に発動させている。
相反する筋肉を同時に発動させているという事は
いわゆる要らない力が入っている状態で効率の良いペダリングとは言い難い。
恐らくは、このペダリングが原因。
徐々にケツが痛くなってきた。
悪いペダリングだとサドルの上でケツが微妙にバウンドする。
弱い衝撃なので短時間なら問題は無いのだが
何時間もそのバウンドが続くとケツは打撲と似たような状態になる。
何千回、いや何万回だろうか。
レースの間中、微細な衝撃を受け続けた私のケツは
ペダリング自体が辛くなるほど痛くなってきたのである。
前回の4時間耐久ではなかった症状だ。
だが、ペースは依然1周8分以下を維持出来ている。
しかし、序盤では気をつけないと7分台前半の速すぎるペースになっていたが
3時間が近づいてくると気をつけないと8分を越えてしまう。
同じペースであっても中身が全く違う。
乳酸が確実に溜まって来ている証拠。
失速への予感。
コース上は活きの良い2時間耐久のライダーがいなくなって弱冠淋しくなったが
まだまだ甚平ザメはたくさん泳いでいる。
コバンザメの私は引き続き甚平ザメの後ろを拝借してまわる。
ところが、こういった他力本願の走りが神様の怒りを買ったのか
突然、右わき腹痛に見舞われた。
小学生の頃マラソン大会で同じようにわき腹が痛くなった事を思い出す。
冷や汗が出る。
背中に走る寒気。
「ヤバイ・・・」とつぶやく。
場内に3時間耐久の終わりが近づいているというアナウンス。
ピットロード封鎖は近い。
ピットロード封鎖の前にピットに掛け込むべきだろうか?
このままピットに駆け込んでしまったら
再び走りだす事が出来るだろうか?
思わぬ右わき腹痛に見舞われて
「リタイヤ」という文字が頭をかすめる。
ケツの痛みと右わき腹の痛みが、私の思考を弱気にさせる。
結局、私はピットに駆け込まず、そのまま走り続ける事を選択をした。
1周は捨てよう。
ゆっくり走ってみて回復を試みる。
ペースは9分に迫ろうとする程落ち込んだ。
しかし、1周捨てたのが功を奏したのか、なんとか右わき腹痛はおさまった。
ペースアップを試みる。
7分台前半!よし!まだ行ける!
やがて3時間耐久の選手達がいなくなると
コースは一気に閑散とした様子に変化する。
ひろーいコースを文字通り一人旅を強いられる場面が多くなる。
ケツの痛みと闘いながらコバンザメ作戦を展開している私にとって
前を走ってくれる甚平ザメがいなくなる事はそのままペースダウンを意味する。
CCDドリンクも底を尽きかけてきた。
私はこのタイミングでピットに入る事を決めた。
時間は午後2時50分過ぎ。
5時間耐久終了まで、あと1時間40分。
誰もいないピットに崩れ落ちるように駆け込んで、
背中のポケットに詰め込んでいた補給食の空きパッケージをテーブルにぶちまけた。
ボトルはCCDドリンクから
クエン酸系で疲労回復を狙ったBCAAに切り替える。
サドルから解き放たれたケツの解放感は、
地獄からの脱出と言ったところだ。
4時間耐久の時は補給してすぐにスタートしたが、
今回は、この心地よいピットからなかなか出発する気になれない。
コースに戻れば再びケツの痛みが甦るからだ。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今回も終われませんでした。
やっぱり私が書くと長いです。
続きは次回必ず書きます。
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