この記事は11月19日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
御茶屋跡を出た私達はコンビニで遅い昼食。
早速、真冬並みの寒さと強い西風の中に突撃です。
日本のエーゲ海と言われる牛窓ですが
さすがに、この日ばかりは
お世辞にも穏やかとは言えません。
しかし行きが向かい風なら
帰りは追風が期待できます。
この時、兵庫県側から所用を済ませたディーさんが
私達と合流すべく向かい風の中をこちらに向かって走っていました。
合流すれば3人列車で帰る段取りです。
私を先頭に
二人は県道39号線をひたすら走りました。
この39号線が
実は「田舎砂漠」なんですよね。
特に岡山ブルーラインの高架をくぐったあたりから
田んぼや畑ばかりが続きます。
西の風が強く
追風ばかりという訳にはいきませんが
順調に進んでいる様に思えました。
しかし、先頭を牽いていた私の速度が
ある瞬間からガクッと落ちてしまいます。
私は力無い声で
後続のバスク輪さんに伝えました。
「バスク輪さん・・・
やべぇ・・・
ウ〇チしたい・・・」
この一言で
それまで一人で苦しんでいたハプニングに
バスク輪さんを巻き込みました。
バスク輪さんは焦った表情で
あたりを見回します。
「コギコギさん
そんなこと言ったって
このあたりじゃコンビニも何もありませんよ」
「分ってる・・・
まだ大丈夫・・・
とにかく運動公園まで行けばなんとかなる・・・」
「でも運動公園まで、かなりありますよ。
どこか、公民館か何か、入れませんかね」
私は自分に言い聞かせるように言いました。
「まだ大丈夫・・・
踏めないけどね」
ここから中途半端な速度でのサイクリングが始まりました。
早く運動公園に辿り着きたい気持ちと
踏めば、漏れちゃう体とのせめぎ合い・・・
バスク輪さんも
牽いてあげたいけど
牽いたところで踏めないんじゃどうしようもないし・・・
と言った感じで心配そうに付いて来てました。
そして私の頑張りを試す様に
道は時折、上り坂になります。
踏めない私にとって
これは辛い!
「踏めねぇ~!」
もう少しで上り切るというところで・・・
向こうからディーさん登場!
私は、とても立ち止まる気にはなれません。
しかしディーさんに状況を説明しなくてはなりません。
私は中途半端なペースで上りながら
渾身の力で説明します。
「ウ〇チしたいねん!
だから踏めねぇ~!」
なんと端的で的確な説明でしょう!
ディーさんは一瞬、キョトンとした表情を見せましたが
直ぐに状況を把握したようです。
クルリと方向転換して最後尾に付きました。
これで私のハプニングにディーさんも巻き込みました。
私が「踏めねぇ~!」と言う度に
二人は心配そうに「大丈夫ですか?」
私は再び「大丈夫・・・」
そんな繰り返しでした。
やがて運動公園が見えてきました。
敷地内に入ってロードバイクを止めます。
閉まっていたらどうしよう・・・なんて心配していましたが
体育館が開いていました。
この時、体の感覚は
まだ何キロか走れるかなという感じでした。
ギリギリって感じではなかったんです。
ところが・・・
私は平静を装って
女性の事務員さんに声を掛けました。
「あのうぅ・・・
自転車で来てるんですが
トイレお借りしてもいいですか?」
「どうぞ、奥にあります。
入る時、靴は脱いでくださいね」
「はい、ありがとうございます」
そう言った瞬間、もう体は出す気満々になるんです。
この時、思いました。
心と体は別物だってね。
だって心と体がケンカし始めるんです。
出す気満々な体に対して
心が怒ります。
心「お前、ちょっと待てよ!
ここで出したら元も子もねぇ~だろぅがぁあ!」
体「何言ってんだよ。
今まで必死にこらえてたんだから
早くしろよ!」
心「早くしろったって
シューズカバー履いてるから早く出来ねぇ~って!」
体「もう目の前にトイレが見えてんのに
我慢できっかよ!」
私は足早にトイレに駆け込みました。
心「だからぁ~!
もうちょっと待ってって!」
体「早くすればいいじゃん!」
心「こっちはビブ履いてんだから
ウインドブレイクジャケットも
長袖ジャージも
脱いでからじゃねぇ~とケツ出せねぇ~の!」
体「こんな時に
なんでそんなややこしいもん履いてくるんだよ!」
心「お前さ、さっきまで割と大丈夫そうだったじゃん。
だったらもう少し待てよ」
体「大丈夫じゃねーし!
待てねぇーし!
サッサとケツ出せよぉ~」
私が体をクネクネさせていたのは
心と体がケンカしてたからなんですよね。
やがて、心と体は再び一つになります。
「フーッ・・・」
私は脱力しながら息を吐きました。
そして個室に座ったまま天井を見つめ
大きな安心を手に入れた余韻に浸っていました。
ゆっくりと身支度して
再びバスク輪さんとディーさんの前に現れました。
事なきを得た安心感から
直ぐに走り出す気にはなれませんでした。
「今、俺ね、腑抜け(ふぬけ)になってる・・・」
帰りは3人列車の最後尾。
コンビニで貼るカイロ買って
それをお腹に貼りました。
おかげで無事に
だるま珈琲へ行ったとさ!
走行距離…144.33km
時間…06:29:53
平均速度…22.21km/h
最高速度…56.40km/h
平均CAD…82
積算距離…5088km
消費㌍…3310kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.133 Max.###
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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