この記事は8月6日(日)の出来事を書いたものです。
前回からの続きです。
「山奥の集落」と一言で片づけるには足りないくらい山奥に
ピザ屋さんを開いて大丈夫なのかなと思いきや
割とお客さんが入っていました。
「ここはね、兵庫県で一二を争う豪雪地帯なんだよ」
「そうとう標高が高いですもんね」
「ここで営業出来るってことは
レベルが高いってことだと思うよ」
F枝さんを待つ間
私は少し緊張しながら記憶を呼び起こします。
どこか懐かしい店の空気がその助けになりました。
程なく、奥からF枝さんが現れました。
私は立ち上がり挨拶をします。
「F枝さん!お久しぶりです!
コギコギです!」
昔話に花が咲いた後
F枝さんは空白の時間を埋める様に
あの頃から今までの経緯を話してくれました。
3年ほど前にお婆さんが亡くなった事・・・
息子さんが帰って来て最初はパスタ屋さんだったこと・・・
店は殆ど息子さんが手作りで改装してる事・・・
今も子供たちを集めて山の上でてんぷらを揚げている事・・・
そしてその話しぶりから
今はとても幸せであることが伝わって来ました。
他に用事があるなかで
最大限、時間をとって話して下さいました。
F枝さんが席を外した後
私とバスク輪さんはピザとドリンクを注文。
ピザが焼き上がるまでの間
息子さん夫婦とお話ししました。
「この囲炉裏、憶えがある・・・
たしか、入り口を入って左側にコタツがあって
お婆さんと世間話したりしてたんですけど
その時、囲炉裏が見えたんですよね」
「そうですね・・・
改装する時、この囲炉裏は残そうと思いました」
私は静かに店内を見回します。
自作のピザを焼く石窯に合う様に
店内は調度品がセンス良く並べられています。
きっと自然が好きな優しい人なんだと思いました。
「お婆さんが話してくれた事で
今でも憶えてるエピソードがあるんです。
たしか・・・
お爺さんが集落で最初にトラクターを買ったんですよね。
それまで農業は牛が動力でしたから
初めてトラクターで田んぼを耕す時は村の人がみんな見に来た・・・」
そこまで話すと息子さんが続きを話し始めました。
「そうそう、トラクターで田んぼの端まで来た時
お爺さんは止め方が分かんなくて
それまで牛を、ハイシッ!ハイシッ!ドウ!ドウ!って操ってたみたいに
トラクターにドウ!ドウ!って言って止めようとして田んぼから落ちた」
その話を聞いてお嫁さんが目を丸くして
「そんな事があったの!」
そして一同顔を見あわせて大笑い。
私と息子さんは直接、面識は無かったんですが
(そもそも当時は子供でしたしね)
今は亡きお婆さんの話をしたことで繋がりました。
ただ単に立ち寄っただけのお客ではなくなったのです。
焼き上がったピザとドリンクは
予想通りレベルの高いものでした。
この山奥の集落の自然から染み出た様な優しい味わい。
「コギコギさん、美味しいっすね。
俺、帰ったら妹とオカンにに教えよう」
「そりゃいいね。
ただし、ここに来る前に引き返しちゃうんじゃない?
ホントにこんな山奥にピザ屋さんがあるのかって・・・」
私たちが店を出る時に
夫婦そろって丁寧に見送ってくれました。
私とバスク輪さんは長い長い
本当に長い坂を下って帰りました。
「コギコギさん
距離は短かったですけど面白かったですね」
「そうだよなぁ~
自転車で走ってなかったら
あけぼの山荘でN子さんに再会する事も無かっただろうし
あのピザ屋さんを知る事も無かっただろうしね・・・」
やっぱり
自転車で走れば何かある。
走行距離…68.00km
時間…03:18:45
平均速度…20.53km/h
最高速度…51.44km/h
平均CAD…69
積算距離…4049km
消費㌍…1703kcal
補給食…###kcal
心拍…Ave.135Max.174
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
この美味しいピザ屋さんは「Jinenan」で検索すると出てきますよ。
https://www.jinenan.com/
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
ポチはどれでもひとつでいいですよ。
読んだら忘れずポチしてね。
にほんブログ村