理想の初心者向けサイクリング |
自転車仲間が増える事は私たちにとっては喜ばしいことかもしれません。
しかし、それに伴って様々な問題が起きているのも確かです。
ここからは、ちょっと私の作り話です。
A君は最近ロードバイクを買いました。
街で見かけるロードバイクはデザイン性に優れ
ママチャリとは明らかに違うスピードで走っています。
そんなロードバイクの魅力に惹かれて
最近街角に出来たショップで遂にエントリーモデルを手に入れたのです。
ヘルメットにグローブ
フロアポンプに携帯工具etc.
言われるままに一通り揃えて、いざ出陣!
見た目はいっちょ前なのですが中身は初心者。
レーパンやジャージやヘルメットが
なんだか自分には相応しくない感じがして恥ずかしい。
それでも恐々走っていると
うしろから声がします。
「前!自転車!」
「後ろ、OKです!」
「横、通りまぁ~す!」
後方からやって来たのは
チームジャージに身を包み
如何にも本格的にロードバイクに乗っていそうな3人組のトレインでした。
「カッコいいなぁ・・・
僕もあんな風に走りたい・・・」
しかし、ロードバイクを買ったはいいけど
どう走ればいいのか分かりません。
ペダルを漕げば進むけど
ロードバイクはママチャリと一緒じゃないことは分かる。
さて、どうすればいいのでしょう?
A君は考えた末にショップのサイクリングに参加する事にしました。
サイクリング当日、
20人以上集まりました。
目的地はある観光名所です。
ショップの人から簡単にルートの説明はありましたが
幹線道路を避けて農道やサイクリングロードを繋いで走るため
実際、どこをどう走るのかよく分かりませんでした。
周りにいる人も
ガンガン乗ってそうな人はいなくて
何となく経験の浅そうな人ばかりに見えました。
「それじゃあ、行きましょうか」
簡単なあいさつの後
ショップの人を先頭に走り始めましたが
誰が道を知っているのか分からず
A君はとにかく、はぐれまいと必死でした。
他の人もみんな同じ気持ちだったのでしょうか?
気が付けば20人以上が一塊(ひとかたまり)の長い列車を形成していました。
幹線道路を避けて走っているとは言え
一般道では当然車が追い越しに来ます。
車が、かなり追い越しにくそうにしていたのは言うまでもありません。
しかしA君は、はぐれない様に前の人に付いて行くのに必死でしたし
周りの人も車が追い越しにくそうにしているのは分かっていても
何をどうする事も出来ないと考えていたのか
そのまま20人以上が一塊のままでした。
走っている人達はハンドサインを出している人もいれば
全くハンドサインを出さない人もいました。
声は減速する時や止まる時に
何人かが「ブレーキ!」と言っていました。
無事に目的地に到着して
観光したり記念写真を撮ったり
参加者の人とおしゃべりして何人かと友達になりました。
次はその友達同士でロングライドの計画を立てています。
とまあ、私が聞いた話をもとに
架空のショップ主催のサイクリングを書いてみました。
ショップは様々ですから
こんな感じのサイクリングばかりではないと思いますが
中にはこの感じ、そっくり!なんてサイクリングもあるかもしれませんね。
でも実際、考えてみると
急激にロードバイク人口が増えてますから
圧倒的に経験の浅い人たちが多いのは確かでしょう。
ショップの店長だからと言って
ロードバイク歴が長かったり
集団走行の経験が豊富だとは限らないんです。
例えば私たちも20人以上のサイクリングを開催したりしますが
「道分からなくても付いてくれば大丈夫」的な事はしません。
そもそも20人以上が一塊に走れば邪魔な存在になるのは明らかなので
5人以下くらいの小集団に分割する事が前提になります。
そうすれば、その集団に道が分かる案内役が必要になりますし
それが出来ないなら分かりやすいルートマップを用意しないといけないでしょう。
規模の大きなサイクリングはそれなりの準備が必要なのです。
そしてやはり集団走行を始める前に
初心者がいる事を把握しているのなら
ある程度の説明があっても良かったのではないでしょうか?
集団走行の経験の浅い人が落車の原因になったり・・・
なんてことはよくありますからね。
私たちは、練習会に初めてのメンバーが参加する時
その人が速かろうが遅かろうが
走り始める前に集団走行についての簡単なブリーフィングを行う様にしています。
これは過去に起こった落車の経験に基づいています。
速い人だから集団走行も出来るはず・・・
なんて思い込みは危険なんですよね。
それでは初心者にとって理想のサイクリングってどんなのでしょう?
手前みそになるんですが・・・
セーテンさんの奥さんが
初めて臨時漕会のサイクリングに参加した時が理想だったかなと思います。
セーテンさんの奥さんはレンちゃんっていうんですが
その時のサイクリングは初心者はレンちゃんだけなわけです。
あとの数人はみんな集団走行の経験をちゃんと積んだ人なんですね。
そうするとみんなの目がレンちゃんに行き届く。
レンちゃんは私たちが声出しやハンドサインを出して走っているのを実際に見て
そこに実際に参加出来る。
これは大きいですよねぇ~
右を向いても左を向いても経験の浅い人ばかり・・・
ではなくて
圧倒的に経験者の方が多くて初心者はレンちゃんだけというシチュエーションこそ
初心者の人向けのサイクリングではないでしょうか。
しかし、実際は、急激なロードバイク人口の増加を見ると
そういうシチュエーションで走れるのは恵まれた方なんでしょうね。
集団走行の経験を積んだ人たちと一緒に走る事と
集団走行で大切なのは「他者への配慮」って事が分かって来る。
後続への配慮はもちろん
車や歩行者への配慮をすることが安全に繋がるって分かると思うんです。
それが分かって来ると
何をすべきかが分かって来る。
この話だったら
まず長い長いトレインをいくつかに分割しようってなるでしょう。
そして周囲や後続に自分の動きや危険を知らせるために
声出しやハンドサインを出そうねって事になると思うんですよね。
初心者の人が集団走行の経験をちゃんと出来る場所って・・・
う~ん・・・
そんなに多くないかも・・・
急激なロードバイク人口増加の裏に
そういう問題があると思うんですよね。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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