だんだん日常へ戻っていきます。 |
前回からの続きです。
こまめ食堂から西へ一気に下るとちょっとした町が出現します。
ここは小豆島の玄関口とも呼べる土庄港を抱え
最近はサイクリングターミナルも出来ました。
「コギコギさん、
土庄に世界一狭い海峡があるんですが
寄ってみませんか?」
セーテンさんが言う海峡とは
土渕海峡(どふちかいきょう)とと言って
小豆島本島(渕崎)と前島(土庄)の間を流れる全長2.5キロの海峡の事です。
ここは最も狭いところが幅9.93メートルしかなく
1996年に世界で一番狭い海峡としてギネスブックに認定されたそうです。
海峡のすぐそばには土庄町役場があり
絵ハガキになった
横断証明書(100円)を発行してくれます。
「えぇええええ!
海峡、寄るのぉおおお!」
もちろん、私は何度か訪れた事はあるのですが・・・
「別に、なぁんも無いよ。
ただの用水路もたいなもんだよ」
小豆島の観光ガイドには必ず出てくるのですが
正直、一度行けば満足かな(笑)
「ほらぁ~
ただの用水路みたいでしょ」
小豆島の話のネタに一度は立ち寄っておいた方がいいところですね。
時刻は3時半くらいでしょうか。
5時10分出港のフェリーに乗る事を考えれば
急ぐ必要はありませんがダラダラもしていられません。
私たちは海岸線に沿って大部港に向かいます。
ここから大部までのワインディングロードは
冬場、走ると絶景のオンパレードなんです。
夕方の低い太陽が小豆島の海岸線をドラマチックに照らすからです。
そして適度なアップダウンによる刺激が
脳内から快感物質のドーパミンを分泌させ
より一層ペダルを踏ませます。
私たちが形成するトレインは
勾配に応じて時には長くなり
時には短くなりながら
小豆島の海岸線を疾走しました。
「そろそろ屋形崎じゃないか?」
「例の場所、寄るんですか?」
「そりゃあ寄るでしょ」
私が小豆島に来るたびに
屋根越しに見える瀬戸内の景色が見たくて必ず立ち寄る集落があるんです。
その集落の中に観光客が決して訪れない秘密の絶景ポイントがあります。
それは集落のおばさんたちが
立ち話しているところに話しかけた事から教えてもらったポイントです。
屋形崎の造船所跡がそれです。
私とバスク輪さんはこの秘密の場所は経験済みです。
屋形崎の路地を抜けていった先に
静かに揺れる波の音しかしない場所が現れました。
セーテンさんはミヤモーに自分の写真を撮ってもらっていました。
ポーズのとり方が微笑ましいですね。
地元の人か
自分たちしか知らないとっておきの場所は
穏やかな瀬戸内海そのままに
心を穏やかにしてくれる不思議な場所です。
この場所に立っていると
何だか得した気分になります。
ここから大部港までは
アップダウンが続く海岸線を7kmほど。
調度いい時間になりました。
慣れた素振りでフェリーに乗り込むと
非日常から日常へのモラトリアムの様です。
思い出が整理されていくようでした。
この空間の心地良さこそフェリーならではです。
日生港に到着するとすっかり日は沈んで
太陽の余韻が残る空を背景に小豆島行きのフェリーが美しかったです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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