瀬戸内の島をはしごするという幻想 |
閉店間際のだるま珈琲のカウンター席で
私はテーブルに資料を広げて旅のプランを練っていました。
翌日のだるま珈琲の水曜日にたまたま私の休みが重なりました。
それならば二人で瀬戸内の島を自転車で走ろうという事になったのです。
実は去年、高松の姉から
「今年は瀬戸内国際芸術祭2016があるから
瀬戸内の島々を自転車で巡ってみなさいよ」と
それを案内する本までもらっていました。
私自身、淡路島や小豆島はもちろん
牛窓の前島、日生沖の頭島や鹿久居島を自転車で走った経験から
島に渡ればきっと面白いんじゃないかとは思っていたんです。
でも、今一つ積極的になれなかったのは、その走行距離でした。
一周してもせいぜい十数キロ・・・
ロードバイクだとあっという間です。
自転車で現代アートを巡るなんて
若くておしゃれなアート女子が
2~3人で「キャッキャッ」言いながら
レンタサイクルで楽しむものだと思っていました。
そこへ走りごたえを求めるおっさんローディーが島へ渡ったところで
十数キロ走ってあとはどうしよう・・・になるに決まっています。
アートに特別、興味があるわけでもないし・・・
折角もらった島めぐりの本は
パソコンのテーブルの下へお蔵入りになっていました。
ところがひょんなことからマスターも島に興味を持っている事が分かりました。
私が最近の島はアートで盛り上がっているらしいという話をすると
実は僕も興味があって特に犬島精練所美術館のある犬島に渡ってみたいと言います。
しかし犬島は小さすぎて徒歩でしか巡れないどころか
ロードバイクを乗せてくれる船が無い事が判明。
だったら他の島を巡ろうという事で候補に挙がったのが
直島(なおしま)と豊島(てしま)でした。
ぐるっと回って10kmちょっと・・・
これだけだと余りにも物足りないよねぇ~」
そこで考えたのが島はしご・・・
「そうだ!直島と豊島、二つとも一日で巡るってどうだろう?」
私は姉からもらった本を頼りに
船の運航表とにらめっこ・・・
その結果、直島を巡った後に豊島も巡れることが判明したのです。
「現代アートなんて
俺達が行けばパッと見て終わりだよ。
回る場所をちゃんと決めておけば
島はしご出来る・・・
こりゃ面白そうじゃないか!」
二つの島を巡るなら
最低限の走りごたえは確保できる。
さて・・・島の景色はどんなだろう・・・
そう期待を膨らませていた時です。
だるま珈琲の扉が開く音がしたと思うと
スーツ姿のバイソンさんとマッスルさんが入ってきました。
彼らもカウンター席に座り話に加わりました。
そこで私の「島はしご」プランについて
バイソンさんに決定的な間違いを指摘されるのでした。
「コギコギさん・・・
この船の運航表ですが・・・
去年の瀬戸内国際芸術祭限定ってなってますよ」
「えっ?マジ?」
「マジです・・・」
「うわぁ~アカンやん!」
通常の運航表ではどうやっても「島はしご」出来ません。
「島はしご・・・
いいアイデアだと思ったのになぁ・・・」
もうこうなれば直島か豊島のどちらか一方に絞るしかありません。
「船の便数や交通の便から考えると直島やな・・・」
不本意ではありますが
10キロちょっと走って終わりの直島に決定しました。
こうなれば考えを前向きに改めるしかありません。
私たちは瀬戸内に住んでいます。
だからこそ自転車で島を走ることが出来ます。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島をポタリング・・・
直島はぐるっと回っても10キロそこそこ・・・
峠なんて無い・・・
ならば!
ドレスコードはレーサージャージ禁止。
もちろんクリートの靴も禁止。
さあ、やってやろうじゃないか!
この島を1日かけてポタリング!
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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