つじつまの合わない紅葉 |
龍野公園の紅葉がまだ早かったから
佐用の大イチョウの紅葉もまだ早いかもしれないな・・・
私は5人列車の先頭で、そう考えていました。
樹齢千年とも言われる佐用の大イチョウの紅葉は迫力が違う。
樹高28メートル、根回り9.4メートルの巨木が
色鮮やかな黄色に染め上げられます。
ひとたび風が吹けば、まるで黄色い吹雪の様に葉っぱが舞い散ります。
そして、地面に黄色いじゅうたんが敷き詰められる。
私はこの紅葉を見る事が毎年の慣行になっています。
佐用の大イチョウが見ごろを迎えると
北西の季節風が吹くようになる。
そうなると海から千種川沿いを吹き上がってくる南風に立ち向かいことが無くなって
北風に乗って国道373号線を滑空するように走れるようになる。
風向きが冬になるんですね。
私にとって佐用の大イチョウの紅葉は
冬の訪れを告げる、ひとつの象徴になっているのです。
「減速ぅ~!
左、入りまぁ~す」
まるで目立たない入口を入ると
大イチョウの明るい黄色が目に入ってくるはずでした。
ところが・・・
「マジかよぉ~」
「これは・・・
散って時間が経ってるな・・・
去年と同じ日に来たのにね」
リキさんがそう言う通り
地面に敷き詰められた葉っぱには鮮やかさがありませんでした。
折角はるばる名古屋から来てもらったのに・・・」
「コギコギさん、仕方ないよ。
自然の事なんだから・・・
それより、この巨木に今年も出会えたことが嬉しい・・・」
そう言いながらリキさんは、いつものポーズでシャッターを切り始めました。
龍野公園の紅葉はまだ早い感じだったのに
佐用の大イチョウの紅葉はもう終わってたなんて・・・
つじつまが合わない」
私は佐用の大イチョウに近づいて行って
「なんでこんなにも早く葉っぱを散らせちゃったんだよ」と言うように
手の平でペタンと幹を叩いてやりました。
そしてその手を置いたまま、梢(こずえ)を見上げました。
とても頼りがいのある
どっしりとした精神の様なものを・・・
古代より、人々は巨木には神が宿ると考えてきました。
人間がうかがい知ることのない千年もの時を生きれば
この大イチョウにも崇高な何かが確かに培われるのだと思います。
暖かい秋なのに早く葉を散らせてしまった佐用の大イチョウ・・・
ちっぽけな人間の考える「つじつま」など
この大イチョウに当てはめられる訳がないのです。
その美しさは時に気まぐれで
必ずしも私に見せてくれるわけではありません。
翻弄された時の「つじつま」は必ずしも合わない。
そして、裏切られたとしても
その魅力に罪はありません。
自然って
魅力的な異性の様ですね。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
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前日に臨時漕会の……HNはマスオさんかな?が行かれてそれはそれは素晴らしい黄葉だったのですが次の日に行ったらアレ?ってなりました汗
一日でもかなり印象が違ったんです。
まさに女心と秋の銀杏……。。。
いや,むしろ,自分の思い通りにならないという点が魅力的に感じさせるポイントなのかもしれません。だから,すばらしい一瞬に出会った感動が大きくなるんですね。
あのライドから,この場面だけを切り取ったコギコギさんのセンスに乾杯!