トリガタワの借りを富土野峠で返したセーテンさん |
前回からの続きです。
バイソンさんのチューブレスタイヤのパンクは
シーラント剤で修理して
私たちは出石に向けて200kmオーバーサイクリングを続けます。
早朝や夜は陸風が吹きますから
風は陸から海へ向かって吹きます。
私たちは分水嶺に向かって揖保川沿いを北上するため
上り基調の少し向かい風になります。
空気抵抗をみんなで分担するために
先頭交代が行われますが
セーテンさんの走りが以前より力強く感じました。
「ええ、走りました」
「何キロ走った?」
「それが、コギコギさん・・・
あと5分のところで足切りにあって
三瓶山に上れなかったんですよぉ~
だから走行距離は190kmなんですが・・・
もう、それが悔しくて悔しくて・・・」
「あっ、そうなんだ、じゃあ190km走ってるわけだ。
ちょっとスマートに見えるのはトレーニングの成果かな?」
「そうですねぇ~5月は1000kmいくでしょう。
平日50km、ローラー台もやってるし、万葉岬にも上ってます。
それに・・・ダイエットにも取り組んでます。
脂質と糖質は出来るだけ控えるようにしてます」
そう、答えるセーテンさんが少し凛々しく見えました。
そのセーテンさんの変化にバイソンさんも少し驚いているようでした。
「だ、ダイエットぉ~?
万葉岬にも上ってるって?」
「バイソンさん・・・やっぱり坂は上んなきゃダメですよ」
セーテンさんの返答は、まるでアスリートでした。
この間まで、食事制限だけは出来ないと言っていたのが嘘のようです。
月に1000kmって口で言うのは簡単ですが実際は相当難しいです。
安積橋から県道に入ると上り基調の勾配はややきつくなりました。
先頭交代を繰り返しますが
バイソンさんが先頭を牽くと列車のペースを維持するのが厳しい感じです。
先頭を牽く時間も長くは持ちません。
それに引き換えセーテンさんが前を牽くと
列車のペースが落ちるどころか、
もしかしたらアップしたんじゃないかと思うくらいです。
そして、まだ牽いてくれるの?っていうくらい長く牽いてくれます。
体が大きい分、空気抵抗も大きいと思いますが
パワーで相殺している感じでした。
何より、体の大きいセーテンさんの後ろにいると、かなり楽が出来ます。
二番手がバイソンさん、バスク輪さん、ディーさんの順です。
驚いたのはこの先のちょい坂です。
セーテンさんがダンシングに切り替えると路面の摩擦音が凄い!
ズシャー!ズシャー!って音がして
パワフルに上るのですが、マジで付いて行くのがキツイと感じたのです。
「おおおおっ!ええペースで上るやん!」
「まぁ、短い距離だけですけど・・・」
体重の重い人っていうのは上りで圧倒的に不利になります。
他人よりも大きな重力を敵に回すわけですから・・・
それなのに上り基調をハイペースで長時間牽き続け
しかも、ちょい坂で驚くほどのスピード!
なんてパワーがあるんでしょう!
このちょい坂でバイソンさんは完全に千切れてしまいました。
ちょい坂を上り切ってギヤを戻した時です。
「あっ?」
「セーテンさん、どうしたの?」
「いや、インナーかと思ってたらアウターでした・・・」
「はっ?」
「聞いたかよぉ~みんなぁ~
インナーかと思ってたら
アウターだったんだと!」
「かっけぇええ~」
「名言だぁあ~」
「ハハハハハハハ!」
ほんの少し前まで、
トリガタワでバイソンさんの後塵を拝していたのとは大違いでした。
セーテンさんの変わり様にテンションが上がりました。
「バイソンさん、千切れてますが?」
セーテンさんが調子よく牽いているのに列車を停車させるには気が引けました。
「もう少し、このまま走ろう!」
路肩が広くなっているところまで走って
圧倒的に千切れたバイソンさんを待ちました。
バイソンさんとセーテンさんがメタボ体形・・・
しかも、トリガタワを一緒に走った時は
バイソンさんはセーテンさんよりも先に頂上に辿り着きました。
だからバイソンさんの中では
セーテンさんは自分よりも遅い同じメタボ仲間だったわけです。
今回の200kmオーバーライドも
セーテンさんがいる事で安心していたかもしれません。
もちろん、本番の瀬戸内海と日本海を往復するサイクリングも
セーテンさんがいるのなら、何とかなると踏んでいたのではないでしょうか?
しかし、そのバイソンさんの期待をセーテンさんは見事に裏切ったのです。
この4人の中で
バイソンさんとセーテンさんが同じ分類では無くなりました。
このメンバーの中で巡航速度に付いてこれないのは
バイソンさんただ一人だとハッキリしたのです。
富土野峠の勾配がきつくなる手前、
ふれあいの水でも圧倒的にバイソンさんが千切れました。
涼しげなセーテンさんが対照的です。
ふれあいの水の水汲み場で頭から水をかぶりました。
珍しくナチュラルなリアクションなのです。
それだけ疲労困憊だったのでしょう。
もちろん富土野峠を先に上ったのはセーテンさんでした。
そしてセーテンさんから遅れる事約4分・・・
バイソンさんがやっと到着・・・
出石までは行くと思うで、出石までは・・・
でもな、帰りは・・・大変やで・・・」
私はバイソンさん以外のメンバーに呟きました。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
まだ全体の約4分の1を走ったところ
目的地すら到着していません。
果たしてバイソンさんは最後まで走り切れるのでしょうか?
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これはセーテンさんのこの先の成長が楽しみですね♪
バイソンさんも来年、石見グランフォンド走ればええのに~!
なんとかそのあがってるモチベーションを維持出来るようにチーム全体でフォローしていきたいです
僕はそれだけは守り続けます(^_^ゞ
それをバネにして走り込んだ成果が出て 良かったですね*\(^o^)/* こうして お互いに刺激し合いながら成長出来る仲間がいることは 素晴らしいo(^▽^)o でも 時には マッタリしたくなりませんか〜?(^^;;
……セーテンさん出雲路こないかな?なんかまた一緒に走ってみたくなった(^-^)
どれだけ速くなるのか見てみたいです。
走れば走るほど速くなるじゃないですか・・・
それが、羨ましいですよね。
特に若い人は伸び代が大きいですからね。
でも、まったり走る楽しさも忘れないで欲しいですよね。
速く走るだけでは見えないものが
ゆっくり走ると見えたりもしますから・・・
人生も同じだったりして・・・
本当にいい風除けになって頂きました。
バイソンさんの素材自体はいいんですよ。
でも、それを生かせるか?
なんですよね。
少しでも速くなった自分に出会いたいなら
やる事は分かっているはずなんです。
あとは、やるか、やらないか・・・ですね。