経験の共有は絆を深くする |
前回からの続きです。
探検坑道からの千切り合いはシンヤさんが制しました。
クライマー体形ではないシンヤさんが
この富土野峠を制したという事は
彼がかなり高い走力を持っている証です。
「見事にやられちゃいました」
shuheiさんは悔しそう・・・
しかし、思いっきり走った爽快感はある。
マスターは自分の走力が増している事を感じて満足げです。
そしてヘイジさんは、富土野峠でなけなしの脚を使って青息吐息・・・
しかし、ゴールまで、まだ50km以上あります。
「ここからは下りばっかですよ」
シンヤさんが勇気づけるように言いました。
そう、分水嶺を越えれば、あとは瀬戸内海まで下り基調です。
ここからは私が先頭に立ちました。
富土野トンネルを抜ける・・・
その昔、ここは国境だった。
但馬(たじま)の国(兵庫県北部)から播磨(はりま)の国(兵庫県南西部)へ・・・
川は南から北へ流れる国から
川は北から南へ流れる国へ・・・
朝、重力に逆らって上ってきた道を
今度は重力に身をゆだねて下る・・・
5台のロードバイクが
まるで滑空するようにバイクを右へ左へ倒しながら高度を下げて行きました。
長い長い下りは走力の差をマスクする。
誰もが重力のアシストを受けて空間を高速で移動する快感に酔えるのです。
安積橋から国道29号線に合流すると重力のアシストに追い風が加わった。
この好条件のもとで私は先頭交代をしませんでした。
遅い私が前を引く事で
ヘイジさんは負荷をかけず軽いギヤをくるくる回す事が出来ます。
そうやって筋肉に溜まった乳酸を除去出来る。
好条件に輪をかけるように漕ぎを入れて加速なんてしません。
下り基調、追い風で充分速い。
おそらく、私がスピードを上げない理由を
メンバーは理解していたのではないかと思います。
言葉を交わさなくても通じる絆が出来たと思う。
シンヤさんとshuheiさんは
臨時漕会列車に加わったのは初めてでした。
頻繁に声を出してハンドサインを出しながら走る我々のやり方に
多少違和感を感じたに違いありません。
しかし、一日一緒に走る事で私たちの走り方が伝染した様です。
彼らも違和感なく声を出すようになりました。
日が暮れた揖保川沿いを
赤いテールライトを点滅させて5台のロードバイクが一列で疾走して行きました。
まるで渡り鳥の群れの様に統率がとれている。
いや、揖保川沿いを滑空する我々はむしろ鳥に近いのです。
ゴール地点のJR竜野駅に到着した時
シンヤさんが記念写真を撮ろうと言いました。
調度、通勤時間帯・・・
仕事から疲れて帰って来た人たちが
竜野駅の改札から流れ出ていました。
その人々の流れに全く不似合いな平日休みの5人ものローディー・・・
企業戦士たちの目に我々はどう映ったでしょう。
「ちょっと、シャッター押してもらえませんか?」
家路を急ぐ無口な人の群れの中から
シンヤさんは気の良さそうな人を選びました。
「ロードバイク、かっこいいねぇ~
実は僕、興味あってね」
「暗いけど、写るかな?」
「大丈夫、何とかなるでしょう!
私、実はカメラマンだから」
「じゃ、2枚撮るよぉ~!
ハイ!チーズ!」
200kmオーバーライドは旅でした。
体がむき出しのロードバイクでの移動は
体が受け取る情報量が格段に多い。
だからこそ疲労はすべて充実感に変換されるのです。
同じ坂を越え、同じ雨に打たれ
同じ蕎麦を食べ、同じ風に乗った・・・
経験の共有は絆を深くする。
列車を組んで疾走する一体感が
暫く心の中でリフレイン・・・
走行距離…212.94km
時間…8:16:58
平均速度…25.61km
最高速度…57.95km
平均CAD…85
積算距離…36969km
消費㌍…4442kcal
補給食…###kcal
心拍…Avg.137 Max.###
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
最後の最後に私はシンヤさんとshuheiさんに少しお願いをして別れました。
「声出しやハンドサインを出して走る事を
お仲間に広めてほしい」ってね。
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自分が登場するのって、なんだか照れます(笑)
普段、BJC方達と走ることが多いので、臨時漕会さんの
中に入れて走れたことはすごく新鮮で、いい思い出に
なりました。
またウィークデーで都合合う時あれば、よろしくお願い致します。
shuheiさんもそこに混じって走ってるんですから速いはずです。
でも、BJCと臨時漕会と走り方が違ったと思います。
イイとこ取りをして落車ゼロ、事故ゼロで行きましょう。
平日、休みが合えば、また走りたいですね。
その時はお手柔らかに・・・
200kmを越える距離を走る充実感を御存知ですよね。
疲労しているはずなのに
心は満たされる感覚・・・
あの感覚が忘れられなくて
また遠くへ走りだしてしまうんですよね。