この距離感の違いに快感! |
またまた前回からの続きです。
「ノンチ、時計台に行こうか。
辰鼓楼は出石のシンボルだからね。
出石に来た証拠に写真を撮ろう」
私はノンチを連れて辰鼓楼に向かいました。
まさかノンチと出石までサイクリングに来ようとは・・・
辰鼓楼の前でお互いに写真を撮りました。
お互いが200km走れるなんて・・・
つくづく自分は恵まれてると思いました。
あとは元来た道を走るだけ・・・
ノンチにも道は分ります。
これまで私が先頭を引いていた事を気遣ってか
ノンチが前へ出ました。
「ぇえええっ!ノンチ!前へ出るのぉおおお!」
ノンチが前へ出ると、しんどいので
半ば反射的に拒否的反応・・・
振り向きざまに「エッ?」って表情を見せたノンチはすぐに後ろへ下がりました。
そうです・・・中学ん時から、ノンチはキャプテンの言う事をよく聞いたものです。
速い奴と一緒に走る時は
後ろで必死こくより、前を引いた方が、まだマシなのです。
冨土野峠までは上り基調がダラダラ続き
割と脚にくるんですよね。
しかも、この日は暑かった。
私は、あゆ公園の近くにあるスーパーへノンチを誘導しました。
このスーパーは2リットル入りのペットボトルの水が68円で売ってたりするんですよね。
アイスと炭酸飲料、そして2リットルの水を買って暫し暑さから逃れます。
しかし・・・郵便で25gの封筒送るのに82円掛かるのに
2リットルの水が68円って・・・
私達は更に涼を求めて
明延鉱山探検坑道へ向かいました。
探検坑道は冨土野峠までにあるのですが
坑道の入り口は夏でも12度前後の冷風が吹き出ているのです。
私達は到着すると、たぶんボランティアガイドと思われるおじさんが
坑道前で誰かを待っている様子でした。
さすがに此処は涼しいですねぇ~
ちょっと涼みに来ました」
「涼みに?
この風に当たってると体に悪いで
寒すぎる」
なんてしゃべっていると
一台の軽自動車が止まり助手席から若い女性が降りて来ました。
「この先、この坂を登っていけば
何処へ行くんですか?」
私はこの辺に住んでいたので土地勘があります。
まずは私が対応しました。
「今日は何処から来られたんですか?」
「実は、この辺に住んでるんです」
「エッ?この辺に住んでるのに
この先、どこに繋がってるのか知らないの?」
「実はねぇ~最近、引っ越してきたんですよぉ」
「あっ、そうなの!
じゃあ、まず、この入口から吹き出てくる風・・・
めっちゃ涼しいから・・・手をかざしてみて」
「うわぁ!な、なに、コレ!
ちょっと呼んで来る」
彼女は軽自動車に戻ると若い男性を連れて来ました。
ロン毛でアイスクリームを食べながら近づいてきた男性の外見を見て私はピンときました。
彼は地元の人では無い。
「もしかして・・・芸術家ですか」
「そ、そうです!」
彼は、よく分かりましたねという表情で私を見ました。
私は養父市に住んでいた事があるので
大屋町が芸術で村おこしをしているのは知っていました。
おそらく、そういう関連で都会から田舎へ移住してきた若者であると思ったのです。
彼女が彼を手招きして探検坑道の入り口に呼びよせると
彼は目を丸くしてビックリしていました。
「うわっ!すげぇ~
メッチャ涼しい!」
いつの間にか冨土野峠を上れば何処に繋がっているなんて話し
どこかへ吹き飛んでいました。
「今日はサイクリングですか?」
「そう、出石そば食べて帰るところ」
「出石そばですか・・・
凄いですね自転車で・・・
この辺の人ですか?」
「いや違うよ、相生市から来た」
「相生?あの瀬戸内の?」
「そう」
「自転車で?」
「そう」
「マジッすか!」
横で話を聞いていた彼女もビックリ仰天!
「ありえへん!」
「私、明石なんですけど・・・」
「明石も自転車で行ける範囲だよ」
彼女は首を横に振りながら
「ありえへん・・・凄い」
彼が彼女に言いました。
「お前、自転車で明石に帰ってみるか?」
彼女は再び首を横に振りながら
「ありえへん・・・」
彼は私達に尊敬のまなざしを向けながら聞いて来ました。
「今日は全部で何キロくらい走るんですか?」
「う~ん・・・だいたい210kmくらい」
「に、にひゃく?」
その距離を聞いて
彼も彼女も首を横に振りながら
「ありえへん・・・」
「ノンチ、俺らにとっちゃあ普通だよな!」
「そうそう、普通!普通!」
「と、とりあえず・・・頑張ってください」
私達が走る距離を一般の人に伝えると
殆どの方が驚いてくれます。
お約束と言えばお約束なんですが
これほど派手に驚いてくれると気持ちいい!
この距離感の違いに快感!
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日は、もっと話を進めるつもりだったんですが・・・
思う様にいきませんね。
続きは後日、書くとしましょう。
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コギコギさんと出会った芸術家さんが自転車を題材に作品を作ってくれたら 鳥肌もんですけど(笑)
確実に距離感が狂ってしまいましたf^_^;
私達の事を題材に作品を創らないかなと・・・一瞬思いました。