ハチ高原を上ろうと思った本当の理由 |
前回からの続きです。
ハチ高原へ続く道は幹線道路を外れて農道を通って行きました。
但馬に住んだ事がある私は少々土地勘があります。
桜の季節が終わり、田んぼに水が入り、田植えが始まって、カエルの声が聞こえる。
農作業に励む人々が活気に満ちて見えます。
国道でなく、農道を走るから感じるのかもしれません。
そして車でなく、自転車だから感じるのかもしれません。
ヒルクライムチャレンジシリーズ養父ハチ高原大会のコースと同じです。
距離10.4km、標高差592m平均斜度5.7%・・・
但馬に住んでいた時は自分がロードバイクで上るなんて夢にも思わなかったです。
スタート地点の目印はこの大きな看板です。
大型の観光バスが余裕で通行できる道幅になります。
山奥ですがスキー場へ続く道なので整備されているのでしょう。
この広い道幅が
ロードバイクが登坂するスピードを遅く感じさせる要因なのかもしれません。
いや、私だけ、そう思うのかも・・・
去年の比叡山ヒルクライムレースは
得意のダンシングを最大限使って上る作戦でした。
それが功を奏してか前年よりも2分以上タイムを縮める事が出来ました。
しかしシッティングで守りに入っていたのも事実。
今年はシッティングで前乗りして
もっと四頭筋を使って攻めてみようと考えていました。
勾配があがりシッティングで持ちこたえられなくなってダンシングに切り替える。
今度はダンシングからシッティングに切り替える。
この切り替えをスムーズに出来るように意識して上りました。
やっと坂練らしい練習・・・
途中、大型観光バスに何台か追い越されました。
中学生か、高校生か、生徒を乗せたバスが
ディーゼルエンジンから生温かい排気ガスを吐きながら私を追い越していきます。
「林間学校か・・・・」
ハチ高原へ続く道は、道幅は広いが見晴らしがいい訳ではありません。
上昇してゆくに従って下界の景色がジオラマの様に見えるタイプの上りではありません。
変わり映えのしない山の中の坂道を延々と上り続けるのです。
重力に逆らって上昇している事は
筋肉へ掛かる負荷で感じられました。
ジワジワと筋肉がダメージを受けている感覚が
比叡山ヒルクライムレースを前にした私を安心させました。
比叡山ヒルクライムレースの前に、まとまった獲得標高が欲しかった。
自分もみんなの様に坂を練習した証しが欲しかったのです。
上り始めて30分ほど経過してハイパーボウル東鉢(スキー場の名前)を通過
東鉢を過ぎると背の高い木々が道路沿いを埋めるため空が狭くなった気がしました。
鳥のさえずりと
動物が藪の中を動く音が聞こえました。
木々に視界を遮られると孤独な自分がクローズアップされる。
顔を伝う汗が口に入った。
「うわっ、しょっぱ!」
このままこの閉塞感が続くものと心が覚悟した時
左手の木々の壁が無くなり視界が一瞬明るくなりました。
「棚田や!」
等高線を描く様な棚田に水が張られていました。
棚田の水面に5月の空が映っていました。
流れる雲が上と下に見える。
棚田を越えて頬をなでる風が冷たいと感じました。
そうだ、この棚田の水は飲めるくらい清らかな水が引かれているんだった。
別宮の棚田に目を奪われた私はペダリングをやめた。
立ち止まって180度の視界いっぱいに広がる棚田を見渡す。
カエルが「ケケケ、ククク」と鳴き
水と土の匂いがしました。
鳥のさえずりが遠くから小さく聞こえる。
棚田に田植えをする人の影・・・
この景色を見るだけで心が穏やかになるのを感じました。
なぜ、そうなったか理由など解りませんでした。
「獲得標高なんて、どうでもいいのかもしれないな・・・」
里山の棚田の風景は
私の心の奥底にある日本人としてのDNAに働きかけたのかもしれません。
私がハチ高原を上ろうと思った本当の理由は
下界では味わえない安らぎを得るためだったのです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
もう少し書き進めたかったのですが
色々やる事もありまして・・・
今日はここまで書いて時間切れ。
続きは後日書くつもりです。
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中学の時に林間学校でハチに行きましたよ(笑)
ハチでウォークラリーをして道に迷い 先生に探されました ( ´△`) 懐かしい思い出です。
大阪のローディーの中では超有名な坂ですよ!(^∇^)
実は臨時漕会のメンバーの中に大阪府在住の者がおります。
ですから、時々ぶどう坂の話しを聞く事があるんですよ。
まだ行った事がないんですけどね。
たぶん、メンバーと行けば、私、置いて行かれるんでしょうねぇ~
私達、臨時漕会のメンバーも気に入っております。
このジャージはチャンピョンシステムで作成いたしました。
デザインは自分たちで考えました。
konoさんのホームコースで案内していただきましたが・・・苦手です。
それにしてもよくこんな坂三昧を単独で行きますね。
僕も見習って坂道と向き合わないといけませんね・・・orz