「追うでぇ~」始まったトリガタワクライマックス |
またまた前回からの続きです。
トリガタワを下ると集落と言うには大きく
街と言うには小さい場所に出て来ます。
おそらく千種の中心部・・・
農協があって、そしてコンビニがあります。
私達は先頭交代の練習に入る前に、そのコンビニに入りました。
冷たい風が吹き付ける中
補給をしながら練習の打ち合わせをします。
「トリガタワを登る前に練習したところは
揖保川沿いを遡る、どちらかと言えば登り基調でした。
今からは千種川沿いの下り基調・・・
スピードが出るよ・・・
交代した人が最後尾に付いたら自動的に先頭交代するんじゃなくて
今度は自分で考えて先頭交代しよう」
メンバーの表情はワクワクしている様な
緊張している様な・・・そんな感じです。
「交代のポイントを復習すると
見通しの良い直線、そして右コーナー
左コーナーは先頭交代しにくいからね」
ハンドサインを出して後続に交代の意志を知らせ
3回、強めに踏み込んだら左に寄って速やかに下がる。
今回は、このやり方で統一して練習する事にしました。
「ハンドサイン→1、2、3!→左に寄って下がる・・・
これで行くよ!」
まずは私が先頭で走り始めました。
最後の一人が列車に加わったのを確認して徐々にスピードを上げていきます。
千種川の、まだ上流に近いこの辺りは、割と勾配があるようで
少し力を込めるだけでスッと加速する。
それは自分の走力を勘違いさせるには充分な仕掛けでした。
ケイデンスを上げていくとアスファルトが、まるで後ろへ流れるように見える。
流れる景色が脳を刺激して全身の神経が覚醒・・・
まるで自分が一流のアスリートにでもなった気分になります。
私は直線で先頭交代の合図を出しました。
左へ寄って脚を休める・・・
私の横を6台のロードバイクが通り過ぎて行く時
この列車が織りなす風を感じました。
我々の周りにだけ違う風がある。
「おっ!ペースが上がった!」
「先頭は誰だ?」
「hiroさん」
「後ろついてるのに心拍が上がるんですけどぉ~!」
「ヤバいでぇ~」
「あっ、先頭交代した・・・」
そして信号待ちからの再スタートで先頭を走っていたONIさんとhiroさんがペースアップ。
しかし、3番手のぴよぴよさんがペースアップしない。
「あれ?」
下り基調の平坦路はTTバイクを駆るぴよぴよさんの最も得意なシチュエーションでは?
トライアスリートはドラフティングが嫌いなのか?
それとも調子が悪いのか?
トリガタワの上りで苦しそうだったぞ・・・
しばらくすると、ぴよぴよさんが先頭交代。
「あっ、追わないんだ・・・
先頭はワインレッドさん・・・
このままじゃ二人に追い付けなくなる・・・」
「追うでぇ~!」
カン!カン!カン!
私はギヤを重くして下ハンダンシングでフル加速!
私の飛び出しが引き金となって
住友輪業さんとクライム君も追走態勢に入りました。
これに反応してhiroさんが先頭を引いていたONIさんをオーバーテイク。
私も確かONIさんをオーバーテイクしたはず・・・
今度はhiroさんの後ろを走っていた住友輪業さんが
hiroさんをオーバーテイクして先頭に立ちました。
そして更にペースアップ!
私はこのペースアップに付いて行く事が出来ず早くも列車から千切れてしまいました。
この時点で逃げているのは住友輪業さんを先頭にhiroさん、クライム君でした。
しかし、クライム君も住友輪業さんのペースアップに付いて行く事が出来ず
列車から離脱・・・
私は列車から離脱したクライム君の背中を見て
再びモチベーションがアップして加速開始!
ジリジリとクライム君との距離を縮めていきました。
追い付いたら二人態勢で前を追うつもりです。
クライム君の背後に回るとクライム君が後ろをチラ見しました。
ここからは協力して走ろうというアイコンタクト。
このまま先頭交代を繰り返しながら体制を整えます。
暫く走ると矢の様な速さで私達をオーバーテイクする人がいました。
TTバイクを駆るぴよぴよさんです。
「エ~ッ!」
我々に「追う」という考えを起こさせないほど圧倒的な速さでした。
「そんなに元気なら中切れすんなよなぁ~」
ぴよぴよさんは先行する住友輪業さんとhiroさんを単独で追走。
空気抵抗を極限まで減らしたフォームのぴよぴよさんが
どんどん小さくなっていきました。
そして私がクライム君に先頭交代のサインを出して後ろに付こうとすると
思わぬ伏兵が!
千切ったはずのONIさんが最後尾にいたのです。
「千切れてないよぉ~」
おどけた様に笑みを浮かべています。
「千切ったと思ったでしょう・・・へへへ・・・」
なんか、ムカつくぅ~
と、思いましたが協力して先頭交代をしなければなりません。
しかし、何度目かの先頭交代で
私は最後尾に付くのに失敗しました。
短い列車では、早目に再加速をしなければ最後尾に付きにくいのです。
加速が遅れた私は最後尾に付く事が出来ず空気抵抗を全身で受ける事になりました。
そして加速して追い付く脚も残ってい無かったのです。
どんどん小さくなっていくクライム君とONIさんの背中を見て
私の心は折れてしまいました。
そして強烈な向かい風!
「あ~完全に無理!」
一人旅になると、闘争本能にマスクされていた疲れが一気に表に出てくるようでした。
漕いでも漕いでも前に進まない・・・
自分の力の無さを思い知る・・・
ゴール地点は県道53号線と国道179号線の交差点。
太田井橋の信号で、みんなは待っていました。
走っている時は苦しくても
ゴールしてしまえば清々しい笑顔。
心の底からニヤニヤしてしまうのです。
結局、クライマーの住友輪業さんがロングスプリントを制した形になりました。
スプリンターのhiroさんをゴール前のスプリントに持ち込まれる前に潰し、
追い付いてきたぴよぴよさんも住友輪業さんの前に出る力は残っていませんでした。
住友輪業さんは、うちのチームの希望の星ですね。
このあと、徳久から久崎へ抜け国道373号線を千種川沿いに南下しました。
トリガタワで雪が降っていた事が嘘のように日が当たり路面はドライコンディション。
冷たい風と一緒にサイクリングです。
速く走った後は、ゆっくりと走りたいもの・・・
高速巡航を強いられる国道は避けて農道を走って相生へ帰ります。
そして、冷えた体を温めるためるのは
いつもの、だるま珈琲・・・
温かいコーヒーを飲みながら今日の余韻に浸る。
時間…5:00:11
平均速度…24.97km
最高速度…53.77km
平均CAD…84
積算距離…31244km
消費㌍…2845kcal
補給食…0kcal
心拍…Avg.142 Max.182
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
千切り合いをする予定は無かったんですけど・・・
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コギコギさんとクライムさんが思わず「エ~ッ!!」ってハモるほどのスピード差・・・
想像しただけで恐ろしい。
その直前でhiroさんの速さを見せつけられていたので、あんなのについて行ったら帰れなくなると恐れたんです。
でもその後、取り残されると寂しくなって・・・・・・血が騒いで・・・・・ああなりました(^^ゞ。