万が一に備えてローディーが準備するもの二つ |
前回からの続きです。
前回は、交差点での事故において
ロードバイクの速さが判断を誤らせる要因になっているかもしれないと書きました。
速く走りたいと思うローディーと
自転車が、そんなに速いスピードを出せると思っていないドライバー・・・
そして、急ぎの心理による安全確認の省略・・・
自分が優先である場合、ついつい傲慢な走りになってはいないだろうか?
前回は、どちらかと言うとローディー側の被害が大きい事故事例でした。
今回は、その逆、ローディーが他人様に怪我を負わせたり
最悪、命を奪ってしまうかもしれないという話です。
幸いなことに、私の回りで加害者になった仲間は居ません。
しかし、広く世間一般に目を向ければ
自転車が原因の死亡事故や重大事故は残念ながら多く発生しているのです。
2012年12月28日午後6時20分ごろ、
兵庫県相生市竜泉町の市道を歩いていた近くの無職の女性(65)に
市内在住の高校1年の男子生徒(16)が運転する自転車が衝突。
女性は転倒して頭を強く打ち、29日午後3時55分に脳挫傷などで死亡した。
県警相生署によると、女性は知人女性2人と一緒に並んで散歩していた。
知人は「自転車が突然、突っ込んで来た」と話しているという。
高校生は友人宅から帰宅中。
自転車にはブレーキが付いていたが、無灯火だったという。
現場は川沿いの道路で道幅3.2メートル。
付近に街灯はなかった。
上の記事は当時の新聞記事から個人名を伏せて転記したものです。
私の地元の相生で発生した死亡事故だったので、よく記憶しています。
後追い記事の抜粋も載せておきましょう。
警察によると、
当時は数メートルまで接近しないと歩行者を認識できないほど周囲は暗かったらしく、
生徒は時速約30キロで走行。
生徒は「ペダルが重くなるから無灯火で走った」と供述している。
次は2013年7月6日の新聞記事の抜粋です。
小学5年男子児童の自転車にはねられて寝たきりの状態になったとして、
被害者女性(67)の家族と保険会社が、
男児の母親(40)に計約1億500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、
神戸地裁が母親に計約9500万円を支払うよう命じた。
皆さんは上の二つの記事を読んでどう思われたでしょうか?
賠償額が数千万円にも上る事故事例は
日本損害保険協会のHPでいくつも紹介されています。
その事故内容を見ると、とても対岸の火事とは思えません。
自転車は人の命を奪うのに充分なスピードと破壊力を持っています。
一たび加害者になれば、大きな賠償責任を負う事となるのです。
最近では「自転車保険」が登場し徐々に加入者が増えているそうですが
その賠償額が1000万程度が多い事を考えると
とても充実した補償内容と言えるものではありません。
自動車やオートバイは自賠責保険に強制的に加入させられます。
無保険の車やオートバイにはねられた被害者が
泣き寝入りしなくても済むように考えられた制度です。
しかし、自転車に自賠責保険はありません。
なんの保険も入らずに走っているローディーも多いのではないでしょうか。
もし自分や自分の家族が
なんの保険も入っていない自転車にはねられて重大な怪我を負った場合
最悪の場合、充分な補償を受けられない可能性もあります。
加害者側に高額の賠償金を支払う能力が無かったら・・・
もう、加害者がお金持ちである事を祈るしかありませんよね。
私は加害者と被害者の双方を救済するためにも
何らかの保険に入る事を奨めます。
それでは自転車加害事故を賠償出来る保険はどんなものがあるでしょうか?
私が知る限り、高額の賠償金を支払う事の出来る保険は
今のところ「個人賠償責任保険」が最も適当ではないかと考えています。
保険会社によって掛け金もまちまちですが
保険金は5000万円~無制限が多い様です。
個人賠償責任保険は、今、入っている車の保険や
生命保険に追加する事が出来たりしますので
何らかの個人賠償保険に入っておけば安心ですよね。
その際、示談交渉代行サービス付きの方が、より安心出来るでしょう。
示談交渉を本人が全て行うのは大きな負担を覚悟しなければなりませんから・・・
加入する時は、その辺の確認を怠らない様にしましょう。
さあ、保険も入った!
万が一の時の備えは万全!
走りに行くぞぉ~!
ちょっと待って下さい。
本当に万が一の時の備えは万全ですか?
あなたは単独でロングライドに出掛けていました。
県境を越える峠道は紅葉のピークを迎え
ブナやナラの木々のオレンジに赤いカエデや黄色いツタが
雲ひとつない青空に映えていました。
絶好のサイクリング日和です。
息を切らせながら、ゆっくりと頂上の県境を越えると今度は豪快なダウンヒル!
カーブミラーを確認しながら安全にコーナーをクリアしたはずでした。
ところが・・・
コーナーの先に待っていたのは落ち葉に埋もれた落石でした。
あなたは前輪を落石に乗り上げパンク!
ロードバイクはコントロールを失いガードレールに激突!
あなたは意識を失ってしまいます。
暫くしてドライブしていた若いカップルが
あなたが路上に倒れているのを発見しました。
「人が倒れてる!」
「出血してるぞ!
と、とりあえず救急車!」
駆けつけた救急隊員が応急処置を施しながら
あなたが身元が分かるものを身に付けていないか捜し始めました。
「なんてこった!
この人、現金以外、何も持ってない!」
何処の誰なのか皆目わからない救急患者が運ばれた病院でも混乱は続きました。
「危険な状態だ!
家族に連絡を!」
「先生、この患者さん、身元が判らないんです!」
輸血が必要だったが血液型から調べなければなりませんでした。
どんな持病があるのか?
常用している薬は何なのか?
かかりつけの医師は?
夜になっても帰って来ないあなたを心配して
警察に捜索願が出されたのは事故から何時間も経過しての事でした。
しかし・・・時、既に遅く・・・
こんな事になってしまっては大変です。
ローディーは、たった一人でとんでもなく遠くへ行きますから
万が一の事があった時に
自分の身元をや緊急連絡先を書いたものを携行した方がいいでしょう。
簡単に自作出来ます。
緊急時に役立ちそうな情報を紙に書けばいいだけですから・・・
レースで使用する緊急連絡先カードをリンクしておきますね。
まとめると
ローディーは示談代行サービス付きの個人賠償責任保険に加入して
緊急連絡先カードを携行するの良いと思います。
(あくまで素人の私の意見です)
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
松江のコギコギレッスンの私の受け持ち部分はこれで終わりです。
素人の私が人に教えるなんておこがましいのですが
少しでも、安全に自転車を楽しんでいただく事の参考になれば嬉しいです。
次は、元選手の冨田さんによる自転車講習会を書くつもりです。
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最近は 不動産屋で 契約時に義務付けている所が多いみたいですから、案外気付かずに入っているかも? 賃貸住宅にお住まいの方は 一度 証券を確認してみましょう(^ ^)
賠償責任保険は重複しては支払われないので 無駄にならないようにしましょう(^_−)−☆
僕は交差点とかに進入する前にちょっとスピード落として、ブレーキに指かけたりとかはしてます。
こうゆう記事をもっと雑誌に載せて欲しいですね。
身分証明に免許証携帯してますが、血液型や緊急連絡先とかはわからないですもんね
なるほど、そのあたりも考えないといけないですねぇ
是非とも緊急連絡先カードを携行する事をすすめます。
ビワイチから日記読ませて頂いております
コギコギさんの、日記は大変勉強になります。私は、父親からの貰った40年前のクロモリでロードに乗り始めたました。
この日記読ませてもらい古いバイクでも保険を掛けて置いた方がいいと思いました。
この日記に出会わなければ無保険で遠出するところでした。ありがとうございます。
拙い文章で申し訳ありませんが、コギコギさんの日記を楽しみに毎日ローラ台で練習してます。
親から子へロードバイクが受け継がれるなんて
それだけでブログの記事が書けそうですね。
40年前のロードバイクは今の時代、
かえって新鮮でカッコイイ事でしょう。
乗り味も、しっとりとしてるんだろうなぁ~
素晴らしいロードバイクで事故は起こしたくありませんが
万が一の備えはしておいた方がいいですね。
私のブログを褒めて頂いてありがとうございます。
これからもよろしくお願いしますね。