淡路サンセットラインで仕掛けた意外な奴 |
前回からの続きです。
淡路島南部の急峻な山岳コースを終えて
私達は淡路サンセットラインを走っていました。
風は西風か?
それとも南西の風か?
北東の方向へ進む私達にとって
どちらにしても風は味方してくれる。
タイヤとアスファルトの摩擦音が高速巡航の快感となる。
互いに戯れるように先頭交代を繰り返します。
ふと海に目をやると播磨灘の波が
白い砂浜に静かに打ち寄せていました。
この3月3日に最高の天気を与えてくれた天に感謝しなくては・・・
我々はこのアワイチで最後の補給に入りました。
hiroさんが、アワイチの最後をどう走るかを話し始めました。
「スプリント勝負?」
アワイチ初参加のタイプRさんはもちろん
アワイチ12回目のぴよぴよさんでも
我々の流儀を知らなければ、この先何が起こるか分からない。
分かっているのは、夏のアワイチを走った4人だけです。
hiroさんが続けて話します。
「千切り合いですよ」
「どの辺で始めるの?」
「それは誰にも分からない・・・
例えばぴよぴよさんがロングスプリントをかまして
じわじわみんなを引き離すもよし
終盤まで列車のまま進んで
ゴール直前でスプリント勝負するのもよし・・・」
前回夏のアワイチで膝が痛くてボロボロだったボーンズさんが一言添えます。
「え~っ、やっぱり千切り合いやるんですかぁ~
みんなで手をつないでゴールっていうのはどうですかね」
「手をつないでゴール?」
hiroさんが首を横に振りながら
「逆にアワイチの最後に千切り合いやらずに何やるんですか?」
「・・・・・・・」
「俺はや・り・ま・す・よ」
緊張感が高まる一言で話は終わりました。
コンビニの駐車場から再び路上に降り立ちましたが
これまでと同じ気持ちでペダルは踏まない。
誰もが闘争心を準備して走り始めました。
どのくらいの時間引けばいいのか?
そして自分はどう動くのか?
待つのか?
それとも仕掛けるのか?
それぞれが自分の頭で考えて列車を形成します。
一列に伸びた列車は、まるで意志をもった生物の様です。
しかしメンバーは協力しているようで
実は誰もが一番を目指して駆け引きをしているのです。
そして誰もが赤いジャージのhiroさんをマークしていました。
hiroさんが先頭に立った時、明らかに列車の速度が上がりました。
しかし勝負をかけたのではありません。
長時間、列車をハイペースにさらす事で振るいにかけようとしたのです。
6人でゴール前のスプリントに持ち込まれれば
実力の無いものに一番を持って行かれる確率が増える。
それを防ぐために
ハイペースについて来れるメンバー以外は千切れてもらおうという魂胆でしょう。
しかし現実はhiroさんの思惑通りにはいかない。
クローズドのサーキットと違って一般道には信号待ちがある。
ハイペースにさらされた列車が伸び始めると信号待ちに捕まり
後続を休ませてしまう。
こうなればhiroさんは体力を消耗するのみ。
それを悟ったhiroさんはハイペースで前を引くのを一旦止めた。
先頭交代を繰り返し
再びhiroさんが前を引く番になった。
ペースが上がり列車が長く伸び始める。
hiroさんの直後に陣取った私は
車間を15センチまで詰めて来るべき時に備えていました。
なかなかのハイペース・・・
しかし、結構長く引いている・・・
いくらなんでも続かないでしょう・・・
しかも振るいにかけようとして無駄に体力を消耗したはず・・・
そんな事を考えていると一瞬hiroさんのペースが落ちた。
「?」
いよいよ疲れたか?
サイコンを見ると走行距離は145kmを越えていた。
ゴールまであと数キロか?
ドラフティングの影響で一瞬のペースダウンが増幅して感じる。
「今だ!」
下ハンダンシングで一気にhiroさんをオーバーテイク!
最初に仕掛けたのは・・・
なんと私だった!
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
アワイチの記事は今日終わらせるつもりでしたが
千切り合いの場面は書いていて長くなりそうな予感・・・
続きは後日書く事にします。
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いやー、すごく盛り上がるなー!!!
確かに最後の補給から列車の雰囲気が変わりましたからね(笑)
実はコギコギさんが仕掛ける20分前にさりげなくエネルギージェルを飲むのを僕は見ていましたよ(^^)次回のブログかなり楽しみです(^.^)
とビックリ驚きましたぁ
一部いつもと違うコースを走ったので、残りの距離を勘違いしちゃいましたね。
ぽチャコさんのナイス突っ込みに同じく10票!
コギコギさん仕掛けあるやろなとは思っていたけどあのタイミングには意表つかれました
本当にアワイチいい練習になります。