クリスマス寒波がプレゼントしてくれた景色 |
前回からの続きです。
揖保川沿いを南に下り国道2号線を越えて県道を更に南下します。
すると国道250号線に尽きあたります。
国道250号線を西へ向かえば
瀬戸内の景色が広がる、はりまシーサイドロードなのですが
私は少し寄り道するように新舞子へ自転車を進めました。
東釜屋の交差点から村中に道を浜の方へ向かいます。
この道が好きなんですよね。
「hiroさん、ちょっと止まってもいいですか?」
自転車は自由な乗り物です。
止まりたい時に、いつでも止まる事出来ます。
そして新舞子では自転車を止める事が多いんです。
その理由はこれでした。
潮が満ちている時も波が穏やかで心が和むんです。
綺麗な海の景色に出会って
思わず自転車を止めて眺めた経験は無いでしょうか?
「コギコギさん、確か、このコースは寝坊した時に走る事が多いですよね」
「あっ、そうかもしれない!
この場所はね、今日は頑張ってスピードトレーニングするぞっていう時も
思わず自転車を止めて写真を撮ったりしちゃうところなんですよ」
「ほら、アレが小豆島・・・」
岩見から七曲に入れば「道の駅みつ」はすぐそこ。
私達はここで補給に入りました。
瀬戸内の美しい景色と適度なアップダウンのあるワインディングロードを楽しめるため
ロードバイクはもちろんオートバイの方も集まる道の駅です。
自転車乗りに出会える確率は非常に高い道の駅ですね。
私達が道の駅の中で補給食になりそうな物を買って出てくると
私達のロードバイクの横に何やら未来の乗り物の様な自転車がありました。
「デュラエースとXTRをミックスさせて組んである」
「AKIRAか何かに出てきそうな未来の乗り物みたい」
私達がこの自転車を見て騒いでいるとオーナーの方が近づいてきました。
「凄い自転車ですね」
「フルカーボンのリカンベントです」
「こんなの初めて見ましたよぉ~」
「日本では、これ一台ですね。
世界で44台です」
「どうりで初めて見るはずだわぁ~
こういう自転車って空気抵抗が少ないから平地では速いですよね。
岡山国際サーキットのレースで見ましたが平坦な所で抜かれましたよ」
「巡航速度は速いですよ」
「登りは結構きつそうですね。
この体制だとダンシングとか出来ないし・・・」
「まあ、でも、案外登りますよ」
「・・・・で・・・・おいくらくらいするんですか?」
「フルオーダーみたいなものなので・・・ざっと100万くらいでしょうか」
さすが播州の自転車乗りが集まる道の駅だけの事はあります。
こんな珍しい自転車に出会えるなんて・・・
私達は、はりまシーサイドロードを更に西へ進みます。
アップダウンのある海岸線の道を時にはダンシングで軽やかに駆け上がり
時にはエアロポジションで豪快に下りながら
勝手知ったる道を私が先頭を走りました。
私は走りながら考えていました。
(万葉岬を登ろうか・・・それとも通り過ぎるか・・・)
クリスマス寒波の強風の中を既に100kmほど走っています。
それなりに脚にはきている・・・
単独だったら絶対に登らないでしょう。
しかし、大阪から来てくれたhiroさんの事を考えると
万葉岬からの絶景を見せずに帰すわけにはいきません。
「hiroさん、この先、左へ曲がって万葉岬登ります!」
「万葉岬もブログで、よく出てきますね」
「ヒルクライムの練習するのに手軽な事と上からの景色がいいので
地元の自転車乗りの間では身近なコースです。
高校の自転車競技部の定番コースになってて
カブに乗った監督が生徒にはっぱかけながら登ってきたりしますよ。
ここを5回も往復練習して5万葉とか言ってた人がいたっけかな」
「同じ坂を5回も!」
「そう、自転車乗りには変態が多いの」
「ぼ、僕には同じ坂を続けて5回も登るのは絶対出来ないっす!」
「私は一回でお腹いっぱい!
さあ、私はゆっくり登るから先に行って待ってて!」
hiroさんの背中がどんどん小さくなり
私は息を切らせながら万葉岬を登っていました。
登りながら独り言・・・
「単独だったら登ってねぇよなぁ~」
頂上では予想通り瀬戸内の絶景が待っていました。
時刻は午後3時半・・・
夕暮れにはまだ早いものの、
真冬の太陽の高度は低く穏やかな瀬戸内の海を黄金色に輝かせていました。
いつでも自転車を止めて景色を眺める事が出来ます。
この場所へ来た自転車乗りは、ほぼ100%景色を眺めるでしょう。
「コギコギさん、綺麗ですね」
瀬戸内の景色を前に言葉は少なく
しばらく何も言わずに眺めるだけ・・・
島影が近い・・・
「hiroさん、あの建物の上から見てみましょうか」
うわぁ、今日は四国も見える!
左手の方には・・・アレが淡路島で・・・
ほら!明石海峡大橋が見える!」
「エエッ!明石海峡大橋が見える!」
明石海峡大橋の橋脚が白くハッキリと見えていました。
冬は空気が澄んで見える事が多いとはいえ
これだけハッキリと見える事はそうそうありません。
もしかしたらクリスマス寒波が私達にプレゼントしてくれた景色かもしれません。
万葉岬の景色の余韻を心に残しながら
私達が向かったのはだるま珈琲。
最後のシメですね。
だるま珈琲のマスターはいつものように私達を出迎えてくれました。
「今日は、どこ走って来られたんですか?」
「今日はね、私の定番コースをこちらのhiroさんに案内して
さっき万葉岬に登ってたんですよ」
美味しい珈琲をいただきながら
今日巡ってきた景色を思い出します。
「そう言えば・・・マスター自転車買ったら万葉岬登るんでしたよね」
走行距離…121.85km
時間…5:24:55
平均速度…22.50km
最高速度…53.20km
平均CAD…82
積算距離...23922km
消費㌍…3040kcal
補給食…###
心拍…Avg.140 Max.###
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
大阪から来られたhiroさんに地元の景色を案内するサイクリングでした。
よそから来られた方に地元の景色を案内している内に
私は素晴らしい景色の中で暮らしているんだと教えられたようです。
播州の景色、結構イケてます!
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ダブったわm(_ _)m
「なんて 穏やかな 景色なんでしょう…。
ホントに 癒されます…。いつも見慣れた地元の景色を もう一度見直さなければいけませんね…。 」ら
いつも見ていると 当たり前になってしまいますが、何故かその景色に足が向かうのは 癒しを求めているのかなぁ?
どうしても感動が薄れてしまいますが
ところがどっこい、いい景色なんですよね。
全国、どこにでも美しい景色はあるはずです。
たぶん、日本という国が美しいのだと思います。
ところが自転車乗りは冬つくられるという言葉がある様に
冬の過ごし方でシーズンのポテンシャルが決まってくるみたい。
瀬戸内にお住まいなら冬は空気が澄んでいて景色が綺麗です。
是非、楽しみながら乗ってください。
岡山や小豆島方面の景色は木が成長して見えにくいです。
明石や大阪方面は見えやすいです。
私が高校生くらいの頃は
建物の上からでも夕日が綺麗に見えたのになぁ・・・
逆光の写真がこれまたイイ!(さすが携帯の魔術師)
それにしてもヘビーなリカンベントですね。先端のギヤで穴掘って進みそう~(^_^;)
ペダルはSPDみたいだけど、立ちごけはハンパなさそうですね。
ざっと100万円のリカンベント。高価ですが既製品のロードバイクで100万円を超えるものがざらにある事を考えると意外と安いかも?って思いました。まあ、自分には到底買えませんけどね。面白い自転車に出会えてよかったですね。写真で見られただけでも嬉しいです。
狙ったわけではありませんが
逆光はドラマチックな写真が撮れますね。
このリカンベントで立ちゴケしたら泣きそうですね。
でも一度乗ってみたいです。
よ~く見ると絶景が多気かも・・・
灯台もと暗しでしょうか。
リカンベントの値段ですが
私も100万円と聞いて驚きはしなかったですね。
あのリカンベントで走ったら注目の的間違いなしですよ。