3人列車を追う女 |
前回からの続きです。
私とママチャリダーさんは備前から片鉄ロマン街道を北上する事にしました。
備前まで来ると片鉄に自然に足が向いてしまいます。
やっぱり車と隔離されて走るのは楽ですからね。
この片鉄ロマン街道はママチャリダーさんも走りなれた道です。
彼女は自転車人口を増やすべく
初心者の人を誘って走ったりしていました。
時には自分のMTBルックの自転車を貸してあげたり
そのために実家から軽トラを借りてきたり・・・
自転車の素晴らしさを少しでも多くの人に知ってもらいたかったのでしょう。
と言っても勾配はゆるく、そうですね・・・3%くらいかな。
そういった意味でこのコースは初心者を連れていくのにおススメのコースです。
ただし、途中に補給ポイントが少ないので何か持っておいた方がいいでしょう。
車と走る事から解放されると要らない神経を使わなくて済むので
ママチャリダーさんの口の方のケイデンスも滑らかに回り始めます。
私とママチャリダーさんは同じ職場なので
職場でのよもやま話に花が咲きますね。
こういうところでストレスを発散させておくのです。
ただこの日は、やっぱりウエイトコントロールの話になって行くんですよねぇ~
「ママチャリダーさん、いいホイールが欲しいって言ってたよね・・・
確かにホイールを換えれば走りが変わるというね。
ただ、走りが変わる事を実感できるようなホイールは高価でしょ。
俺はね、ホイールを換えるよりも劇的に走りが変わった人を知っているんよ。
臨時漕会のフクちゃんなんだけど
それまで走力は私と似たようなもので、ちょっとしたライバルだったのね。
私は走り込んでフクちゃんより速く走れるようになったかなぁ~と思っていたの。
そしたらフクちゃんが本格的に減量に取り組み始めて・・・
彼はメタボ体型だったんだけど耳つぼダイエットというのをやったんだ。
耳のつぼを刺激して食欲を抑えるというものらしいんだけど
本格的にダイエットに取り組んで10キロもの減量に成功!
そしてテクノの坂をみんなで走りに行く機会が出来た。
そして坂で千切り合いが始まったのね。
フクちゃんには負けないと思っていたけど、どうしようもない差をつけられて
俺はフクちゃんの背中を見るしか無かった。
10キロの減量は私とフクちゃんの間に圧倒的な差をもたらしたんだよ」
「へぇ~そんな事があったの・・・
減量すればいいのは分かって入るんだけど・・・
私、コギコギさんみたいに、しょっちゅう補給、補給って食べて無いのよぉ
若い時は夏を経験すると痩せてたんだけど・・・
代謝が落ちてるのかしらねぇ~」
「フクちゃんが痩せたのは結局は食事制限をしたから・・・
でも今はすっかり体型が元に戻ってしまったけど(笑)」
自転車の世界ではよく言われる事ですがウエイトを減らすと
特に登りでは走りに差が出てくると言われています。
高いお金出して100グラム軽量化するくらいなら
1キロダイエットした方が早いですよね。
分かっちゃいるけどなかなか出来ない。
私達は和気から進路を東へとり三石方面へ向かいます。
気にはなっていたんですが、補給のタイミングを迎えているのに
補給ポイントが見つからない。
「コギコギさぁ~ん、お腹減ってきたんだけどぉ~」
「あ~しまった、ごめん、もう少し早く補給しとくんだった・・・
この辺、お店が少ないからなぁ・・・
俺の補給食、食べとく?」
「そういうんじゃなくて、私はちゃんとした食事がしたいのよ。
コギコギさん、カキオコ食べるって言ってなかった?」
「言ってない、言ってない!
カキオコいいなぁ~は言ったけど、日生にいる時、まだ昼に大分早かったやん。
あっ、さっきドライブインがあったけど引き返そうか?」
「え~っ、引き返すのは嫌よぉ~」
「あ~でもなぁ・・・無いよなぁそんな店・・・・
ちょっと我慢すればコンビニがあったはず」
お腹減らしたまま走らせて申し訳ないと思いつつコンビニに向かいました。
そしてコンビニに到着すると・・・
「お好み焼屋さん、あるじゃない」
「あっホントや!」
「営業してんのかな?」
「のれん出てるし・・・」
「じゃあ入ろうか」
ここのお好み焼屋さんの事を詳しくはちょっと書く気になれないのですが
安いのは安かったです。
私達はお好み焼きを食べた後、コンビニでトイレを借りました。
なんとなくお好み焼屋さんでトイレに行きにくかったので・・・
ママチャリダーさんがコンビニから出てくる時に何か食べながら出てきました。
「コンビニ入ってトイレだけ借りるっていうのは悪いでしょ
コギコギさんも食べる?」
「あっ、俺はいいわ・・・
でも偉いね、ちゃんと商品買って」
ママチャリダーさんが買って来たものは、ちょっとしたチョコレートのお菓子だったかな・・・
心の中で思ってたんですけどね。
また怒られると思って言いませんでしたが・・・
気付かないうちに、こういう積み重ねがあるんだろうなってね。
「三石方面はじわっと坂が続くからねぇ~」
「知ってるわよ」
私はLSDペース。
ママチャリダーさんはどのくらいの負荷だったんでしょうね?
会話が充分出来るくらいだから、それほど頑張っているペースでは無かったでしょう。
鼻呼吸が口呼吸に変わる手前の負荷くらいですかね。
すると後ろからロードバイクがやってきました。
「こんにちは~」
あっという間に私達を追い越していったのは男性ばかりの3人列車です。
私はLSDペースですからなんとも思っていなかったのですが
ママチャリダーさんは違っていたようです。
「コギコギさん!追わないの?」
「はっ?追う?」
「追うでしょう!普通!」
「追わないでしょう」
「え~っ!
私、追うわよ!」
追い越されてママチャリダーさんの闘争本能に火がついたようです。
ママチャリダーさんは3人列車を追うべくどんどん加速して行きます。
相手は男性ばかりの3人列車です。
ママチャリダーさんとの距離はどんどん開いていきました。
ママチャリダーさんの呼吸が大きく乱れ始めます。
そして失速!
「おい!もう終わりかよ!」
「へへっ」
ママチャリダーさん苦笑いでペースを戻します。
たぶん・・・彼女、しょっちゅうこういう事やってるんでしょうね。
ジテツウの時もロードのお兄さんの後ろについたとか
汗だくになりながら、そんな話よくしてるし
ママチャリダーさんが入っているクラブの男性の人に聞くと
時速30km巡航してる時も後ろ見たら付いて来てるって言ってたしね。
彼女が速くなった秘密を垣間見たような気がしました。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日はここまでしか書けませんでした。
続きは後日、書くつもりです。
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前に誰か走ってたら、とりあえず追いつくように頑張りますよね☆
これからLSDのシーズンですが、たまには追いかけたりする楽しみや変化がないと退屈ですしね(^^)/
そういう経験も後になれば楽しい重い出って事になりますんで良しとしといて下さい。
プロライダーはオフシーズンLSDしかしないと言っても過言ではない程LSD三昧だそうですが 我々ホビーライダーはLSDだけでは時間的に不足みたいです
FTP値を超えるような追込走を時々入れないと筋力や神経が鈍ちゃうみたいです
冬もバランスよくトレーニング!!
冬が来る~~!(T . T)
前走っている自転車追う事もあります。
実際、チームジャージを着た列車を追った事もありますしね。
ロードバイク乗りの本能ですかね。
LSDは確かに退屈で、そういう意味ではハードトレーニングですね。
閑谷学校コースに入れてみようかな。
お好み焼屋さんの件、あんな記事でだいたい分かりますか?
凄い!さすが地元!
あのコンビニでよく補給はしますが
あのお店に入ったのは初めてです。
とても印象深いお店でした。
hiroさんのおっしゃる意味がよく解ります。
確かに速く走る術を体が忘れてしまう感覚があります。
LSD明けに最速アタックしたら
散々な結果で落ち込んだ事もありますからね。
次のシーズンには筋トレ的な高負荷トレーニングをやってLSDするようにしました。
LSDをやってアベレージが上がったので
LSDは有効だとは思いますが
毎年、これでいいのかなと思ってしまいます。