淡路島一周はペース配分が大事 |
またですか?っていわれそうですが前回からの続きです。
大鳴門橋記念館で昼飯を食うために
案内標識に従って走り始めた私とボーンズさん。
散々坂を登ってきたので10%を超えるような坂が現れても驚きはしません。
酸素負債を抱えるほど激しかった淡路島南岸も終盤に差し掛かっています。
昼飯さえ食えれば体も回復するはず・・・
ところが行けども行けども、坂は続きます。
灘大川の坂で補給したファンタのブドウ糖パワーも
福良峠を越えてきた我々には残っていません。
後ろからボーンズさんの疲れた声が頻繁に聞こえるようになってきました。
「はぁぁぁぁぁ・・・」
「あぁぁぁぁぁ・・・」
岩屋港をスタートした時は生き生きとして若さみなぎるボーンズさんでしたが
100m級の峠が次々と現れてくる淡路島南岸の道に
若い精気を吸い取られてしまったかのようです。
酸素負債を抱えているからにはペースを上げるわけにはいきません。
急なところでは時速は一ケタ・・・
大鳴門橋記念館にたどり着くまでに、どれだけ時間がかかるか分からない。
ボーンズさんの様子を見て、私は決断しました。
「ボーンズさん、補給食持ってきてるよね。
昼飯前だけど、補給して少し休もう」
坂を登るというのは平坦路を移動するのに比べて
エネルギーの消費が激しいのは判りますよね。
(重さ×高さ)分のエネルギー、つまり位置エネルギーが余計に必要なのです。
体内のグリコーゲンが枯渇してしまえばハンガーノックになってしまいます。
そうなってからでは身動きが取れなくなる・・・
補給してすぐに大鳴門橋記念館に到着するかもしれなません。
しかし、そんな事よりも今の状態を見て、補給が必要だと考えました。
「はぁぁぁぁぁ・・・」
補給で立ち止まって後ろを見ても、後ろからやってくる自転車乗りはいませんでした。
補給したあと、どれだけ走ったか定かではありませんが
私達は無事に大鳴門橋記念館に到着しました。
駐車場警備の係員の誘導に従って進みます。
満車状態の駐車場に自転車は私達だけでした。
サイクルイベントでもやっているかのようなゴールデンウィークの淡路島で
昼食に大鳴門橋記念館を訪れているのは私達二人だけって・・・
ネットから拝借した画像で申し訳ありませんが大鳴門橋記念館から、高さ144mの大鳴門橋が眼下に見えました。
「ボーンズさん、とにかくガッツリ食べようぜ!」
私達はレストランの注文の列に並びます。
ゴールデンウィークのレストランは人が多過ぎてすぐに食事にありつけません。
淡路牛の牛丼を注文しても整理券を渡されるだけで
長く待たなければなりません。
その時間がもったいなくてアイスを食べながら少しでもエネルギーを補給します。
やっと、ありついた昼飯!
島一周・・・アップダウンは、あるだろうとは思っていましたが
こんなにキツイ坂の連続なんて・・・」
「いい経験だな・・・ペース配分の・・・」
幾分会話が少なめの昼食を終えて
私達は土産物の中で補給食になりそうな
「うず芋羊羹」を買ってポケットに忍ばせて店を出ました。
しかし、外に出ても、まだ食います。
すだちソフトうまい!
アイス食って牛丼セット食ってソフトクリーム食って
その上補給食に羊羹をしのばせる。
淡路島南岸の坂の連続は相当なエネルギーを消費するのです。
坂を下れば、標高が100mを越えるような峠は、もうありません。
多少の登りはあっても50mがせいぜい。
平坦路を走るのは久しぶりの様な気がします。
精神的な部分でも回復が出来たのではないかと思います。
体にエネルギーが少なくなってくると
どこか悲しい気持ちになって力が発揮できなくなります。
精神的な理由からも補給は大切ですね。
淡路サンセットラインを走っていると、
なんとまた、あの65歳のローディーに追い付きました。
「こんにちは~よく会いますねぇ~」
「おお!君達か!
鳴門岬まで行ったか?」
「行ってないんですけどぉ~
大鳴門橋記念館に行って、昼飯食いました」
「えっ!あの坂、登ったんか?」
「ええ、鳴門岬の方がよかったかな・・・
じゃあ、先、行きますね。
でもまた、会うかもしれませんね」
「もう、さすがに会わねぇよ」
何度も会っていると、また会いそうな気がするんですけどねぇ~
コースをよく知っている彼の計算では
ここで抜かされたら、もう会う機会が無いと思ったんでしょうね。
私達は、ちょうど100kmくらい走ったところでコンビニに補給に入りました。
「ボーンズさん、あの65歳のローディーだけどね、
ロングライドの走り方を心得ている走り方だったね。
一定ペースを乱さず、補給でも少ししか休まずに、ずーっと走っていたでしょう」
「65歳だというのに凄いですね」
「一定ペースというのは乳酸を貯めないペース、
つまり有酸素運動の領域で走っていたという事だ。
巡航速度は我々の方が速くても、途中でよく会うという事は
似たような時間で淡路島を一周している事になる」
「つまり・・・ウサギとカメだね。
例えば、100mを全力で走って、回復するのに何分かかる?
たった、15秒ほど全力で走るだけなのに回復するのに1分で足りるか?
2分かかるか3分かかるか・・・もっとかかるかもしれないよね。
じゃあ、1km走るのに100m走を10回、休みながら走るのと
ジョギングして休まず走るのと、どっちがいい?
ジョギングの方が体力の消耗も少なくて時間もかからないだろう。
結局、ペース配分とはそういう事だよ」
「じゃあ、心拍計を使って、どんな風にペース配分するんですか?」
「有酸素運動と無酸素運動の境界の値をAT値とかLT値と呼ぶ。
この値は個人差があって何とも言えないけど
すごく乱暴な目安としては
最大心拍数の80%付近にAT値があるものとして
AT値を超えないように心拍を管理してロングライドをやってみよう。
そのうち自分のAT値はこれくらいかなぁ~っていうのが判ってくるから・・・
そうなれば、AT値を完全に越えて何分走ったから、
どこかで何分低い心拍で走ろうとか
自分で色々考えて走れるようになるよ」
コンビニの補給で心拍計を用いたペース配分について
熱く語ってしまいました。
私は蓄積した乳酸の代謝を促進させるため
軽いギヤでくるくる回すペダリングを心がけます。
下りであっても脚を休めません。
ブレーキを当て効きさせてでも、脚をくるくる回します。
ボーンズさんは淡路島南岸の坂の連続で体力をかなり消耗しているようでした。
ゴールまであと20kmほどのところで最後に補給します。
こんな甘いものが軽々食べられます。
一人のローディーがやってきました。
「・・・・・」
「こんにちは・・・・」
「・・・・・」
無言でやって来て、地面に寝そべってしまいました。
相当疲れていたんでしょうね。
しばらくすると、今度は見覚えのあるローディーがやってきました。
青いピナレロに乗ったお兄さんです。
「また、会えたね!」
「お連れさんは?」
「また千切れてるよ、かなりグロッキーだ。
彼が来るまで、ここで待たせてもらうよ。
ところでさっき65歳のローディーを追い越してきたよ。
時間的に見て、きっちり鳴門岬まで行ってるな・・・」
そのうち初心者のお連れさんがやってきましたが・・・
あれれれ?我々に気付かずに行ってしまいました。
「疲れて思考回路がダメになってるかもな・・・
追いかけてくるわ!」
ここでピナレロのお兄さんとはお別れです。
私達も羊羹を食べた後、走り始めました。
道路脇の公園で、またもや地面に寝そべってしまっている人を見ました。
疲れているんでしょうが・・・
ああなったら走り始めるのは大変だよなぁ・・・
ボーンズさんも疲れはピークに達しているようでした。
先頭交代で前を引いてもらっても速度が乗りません。
「ボーンズさん、疲れてるねぇ~
疲れた時は下ハン握って下ハンダンシング!
体重を使ってペダリングすれば、少しは速度が維持出来るよ!」
「ホントですねぇ~」
と言いながらも、朝のスピードに比べれば格段に遅くなっています。
「淡路島って、走りやすいですよねぇ~」ってはしゃいでいたのが嘘の様です。
私は、もちろん大丈夫でしたよ。
体力があるとか走力があるとかではなく
やっぱり、経験値の差ですかね。
ボーンズさんよりも長く自転車に乗っていますからね。
「ボーンズさぁ~ん!
明石海峡大橋が見えてきたよぉ~お
もう少しだ!」
「いやぁ~ついに一周ですね!」
時間…6:26:14
平均速度…23.31km
最高速度…58.90km
積算距離…19544km
消費㌍…3236kcal
補給食…###kcal
心拍…Avg.131 Max.175
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
淡路島一周を経験する事で二十代のボーンズさんがどれだけ成長したか
おじちゃんは楽しみですねぇ~
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
ポチはどれでも一つでいいですよ。
にほんブログ村
読み物としても面白く、また為になる。いつも楽しみにさせて頂いてます。
特に心拍数の管理や筋肉の使い方、補給のタイミングについてなどは、毎回なるほど、と唸っています。
僕は一人で走ることが多いので、ちょくちょく思い出しながら実践しています。
瀬戸内の皆さんが羨ましい。こんな師匠が身近にいてくれたらとても心強いですね!
本当に後半はキツかったですが、いい思い出になりました(^^)
アワイチ以来ご教授していただいた心拍数はローラー台でもチェックするようにしています(^^)d
本当に楽しい旅でした!本当にありがとうございました(^.^)
私は、淡路島には2回とも打ちのめされてます。
それも、いい経験になるんですよね~。
経験に勝るものはないんでしょうね。
あの走りやすさは、格別です。
打ちのめされても、また行きたくなりますもん(笑)
早く立ててちょうだいねぇ。
私のブログを参考にしていただけるなら嬉しいです。
物語の様なスタイルは書いている内に自然と出来てきました。
私と一緒に走ってくださる自転車仲間と一緒に
ブログをつくっているような感じですかねぇ~
師匠と呼ばれるほど大したことはないんですよ。
全然素人ですから・・・
引き続き、自転車コギコギ日記をよろしくお願いします。
より一層思い出深いものになりました。
まだまだ伸びしろが大きいので、きっと速くなりますよ。
今後が楽しみだなぁ~
また、一緒にはしりましょう!
サイコンを変えたので お試しライドしてきました(^^) あっ!それと後輪だけ 耐パンク性の高い 溝の沢山あるタイヤに変えたので それも お試し! 結果、サイコンが普通に動くって、なんて気持ちいいんでしょ\(^-^)/
タイヤ…失敗したかも…(-_-;)お尻には優しいけど…何だか走りが重たい感じ(;_;)
溝がすり減るまで 頑張って走ります^_^; 前輪まで予算が回らなかったけど 結果 良かったかも^_^; 何事も経験…ですかね。
次こそ参加したいと思いますので、是非企画してくださいね。
私も御一緒したかったです…次回は是非お願いします
YKさんが次回の企画丸投げで笑ってしまいました(笑)
ペース配分は感覚だけで推し測るのはなかなか難しいですよね
心拍計の使い方はコギコギ日記でマスターしていると自負しているのでどんな時でも睨めっこして走っています
最近はまわりでPowerTapが流行っていますがコギコギさんにピッタリのアイテムだなと思います 其方も試されたらいかがですか?
その前に、ビワイチはいかがでしょう?
走りやすいって言っても、それなりの走力は要求されますからね。
登りもありますし・・・
ドラマが生まれますよ。
それを経験すると、また走りたくなるんだと思います。