カキおこは海の香り・・・冬のサイクリングはこれだね! |
前回からの続きです。
相生から坂越へのアップダウンの多い海岸線を臨時漕会エースのYKさんの後を付いて行くU子さん。
平坦路では鼻呼吸で会話も容易ですが
登りにさしかかると口呼吸に切り替わり会話も容易ではありません。
私は最後尾からU子さんの様子をうかがって、オーバーペースになっていないか細心の注意を払って見ていきます。
それがU子姫を守るナイトの役目。
坂越から尾崎へ抜け、コンビニで一回目の補給。
私とYKさんだけなら、まだ補給に入るタイミングではありませんが
先頭のYKさんの判断で安全策を取ってコンビニに入ります。
これもまたU子姫を守るナイトの役目ですね。
先頭の臨時漕会エースのYKさんがU子さんに尋ねます。
「U子さん、さっきのペースで心拍はどれくらいだった?」
「YKさん、U子さんはまだ心拍計持っていないので、それは分からないです」
「そうか・・・じゃあ、U子さん、さっきのペースはどうだった?」
「えっと・・・ちょっとキツイかな・・・
ちょうどいいよりも少しキツイです」
U子さんが補給食を買いにコンビニに入っている間
私とYKさんがペース配分について打ち合わせをします。
「U子さんがキツイのは登りかな?」
「そうですね、登りでは完全に口呼吸に変わっていました。
私の見る限り、恐らく心拍は150以上、いえ160以上かもしれません」
「日生まで登りが2か所ほどある・・・先頭交代しようか?
今度はコギコギさんが先頭を引いて
私が最後尾についてU子さんを見よう」
実は私、2年前にU子さんがロードバイクを買った時
U子さんに自転車レッスンをしていた経験があります。
2年前の記憶をたどるとU子さんは私の最大心拍数の80%では付いて来れないが
70%以下の心拍で走ると余裕で付いてきた。
という事は私が最近やっている120拍以下のLSDのペースなら絶対安全圏。
最大心拍数の60~65%で先頭を引くことにしました。
コンビニを出て、後ろはYKさんにまかせて私が先頭を引きます。
「U子さん、この位のペースなら大丈夫?」
「大丈夫です!ちょうどいいです!」
いつもはYKさんの後ろについて走る道を私が先頭で走ります。
こうやって自分が先頭を走るとよく解りますが
人の後ろばっか付いてると道を憶えていないもんですね。
助手席の人が道を覚えていないのと同じ。
「YKさん、ここ左でしたっけ?」
「まだまだ先で左だよ」
頼りないナイトに笑顔で付いて来るU子姫。
U子さんのペースはこれだ!
JR赤穂線を左手に見ながら国道250号線を西へ向かいます。
福浦峠を越えればいよいよ岡山県。
「私、自転車で県境を越えるの初めてなんです」
福浦峠の登りもU子さんペースで登坂すれば会話も弾む。
「それじゃあ今日が初、県境越え?」
「そうですよぉ~なんかワクワクしますね」
私やYkさんはしょっちゅう県境を越えて岡山県を走っているので
県境を越える感動は遥か遠い昔の記憶になってしまっています。
しかし、今この瞬間、
目の前のU子さんが自転車で県境を越える瞬間を迎えようとしている。
「そういえば、俺も県境を越えた時は嬉しかったなあ・・・」
「岡山県の県境ですか?」
「いや、初めて鳥取県に自転車で行った時だ」
「さすがですね」
「U子さぁ~ん!ここからいよいよ岡山県だよぉ~」
「岡山県突入!イェ~イ!」
県境を越え、更に国道250号線を西へ
あとひとつ坂を登ればカキおこのメッカ日生(ひなせ)です。
順調に坂を越え長い下りを下ハンを握って一気に日生へ・・・
と、その時、
最後尾にいたはずのYKさんが猛スピードで私の前へ出ました。
「コギコギさん!スローダウン!U子さんが付いて来ていない!」
後ろを振り返るとU子さんは遥かかなた。
「コギコギさん、U子さんは下ハン握って坂を下るのは出来ないみたいだ。
ゆっくり下らなきゃね」
日生には午前10時を少しまわったくらいに入ったのに
カキおこの有名店には、すでに長い行列が出来ていました。
恐るべし、カキおこ人気!
私達はYKさんの案内で
まだ開店間もないお好み焼屋さんに入りました。
入店したのは午前10時半頃。普通はこんなに早くお好み焼屋に入るなんて考えられませんよね。
でも、日生では、これくらいの時間に入らないと長い行列に並ぶ事を覚悟しなければなりません。
「へぇ~牡蠣モダン何て言うのもあるのね」
「私はカキお好み焼で」
「じゃあ私もカキお好み焼」
「俺は・・・カキお好み焼の牡蠣増量にしよ」
カキお好み焼の始まりは一説によると1960年代。
地元漁師の漁師めしや、地元客相手のお好み焼き店が
肉の代わりに安価で大量に入手可能なカキを使ったのが始まりではないかと
言われています。
2000年くらいから、そのカキお好み焼を村おこしのためにPRしたのがヒットして
今では完全に冬の日生の風物詩になっています。
牡蠣はグリコーゲンのほか、必須アミノ酸をすべて含むタンパク質やカルシウム、
亜鉛などのミネラル類をはじめ、さまざまな栄養素が多量に含まれるため、
「海のミルク」とも呼ばれるているのは御存知の通り。
日生のカキおこの牡蠣は加熱してあるのに不思議と縮んでいないなぁ・・・
箸でお好み焼の生地の中を探ると湯気と一緒に大ぶりの牡蠣が顔を見せます。
口の中に入れると海の香り。
「アツッ」
「うめぇ~!」
「美味しい!」
「たまにはコギコギさんの姿もブログに登場させないとね。
写真撮ってあげる」
昼ごはんというには少し早い時間ですが
自転車に乗って来ている私達には絶好の補給食です。
同じ瀬戸内でも相生にいては絶対に味わえない味を
自転車に乗って岡山県までやってくる事で味わえる。
車でやって来て味わうカキおこより絶対うまいはず。
「あ~美味しかった」
「さて、そろそろ行きますか」
「コギコギさん、店の外見てみろよ、凄い事になってるぜ」
見ると店には自転車乗りの大集団の行列が出来ていました。
駐車場はご覧の通り駐輪場状態です。
うまいカキおこを食って炭水化物もグリコーゲンも満タン!
私達は国道250号線を更に西へ進み片上鉄道廃線跡、
つまり片鉄ロマン街道の一部を走る予定です。
片鉄ロマン街道とは西日本でも有数のサイクリングロードではないでしょうか。
絶対に車が入って来ない自転車専用道。
これもまたU子さんにとっては初体験。
前後をナイトに守られてU子姫の100キロライドは続きます。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
またまた今日も終わりませんでしたので
続きは次回のブログで書く予定。
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
ポチはどれでも一つでいいですよ。
にほんブログ村
このブログの写真はほとんどが携帯で撮ってますが
かなりの人が、
もっといいカメラで撮影しているものと思っているようです。
カキおこツーリングまた行きましょう。
日生出身の方から美味しいお店、何件か聞いておきました。
そこへいくと瀬戸内の冬の味覚はリーズナブルですね。
私は10年ほど兵庫県の但馬地方に住んでいましたが
牡蠣は京都府の久美浜湾が有名でした。
でも瀬戸内の様に大規模に牡蠣まつりとか無かったですねぇ~
瀬戸内ではメジャーなシャコも
日本海側の人に言わせると、あんな虫みたいなのは食べない
っていわれた事があります。
かなり食文化って違いますね。
もっと前の様に思いますね。
あの坂は、坂越の坂って言えばこの辺の自転車乗りなら通じます。
またカキオコに挑戦して下さいね。
そして時間があれば・・・播州のホルモン焼うどんもよろしく!
ホルモン焼うどんは酒にも合いますよ。