先頭を引く初心者を抑えにかかる琵琶湖路 |
トンネルに突入して暫し雨から逃れる事が出来ました。
暗いトンネルを抜ければ、再び豪雨の中を走らなければならないのか?
もしかしたらトンネルの向こうは雨がやんでいるかもしれない・・・
不安と期待を胸に抱きながらトンネルをぬけます。
雨は降っているものの目を開けていられます。
豪雨の中で速度を上げられなかったロードバイクは
徐々に通常の巡航速度に戻っていきました。
気温は23℃
琵琶湖に飛び込んできたのかというくらいずぶ濡れの私達には
この気温でも速度が上がれば体温が下がる。
体の表面を通り過ぎる風が容赦なく我々の体温を奪っていきます。
「うわぁ~さみぃ~!」
ヒルクライムで汗をかいた後のダウンヒルでも
ウインドブレーカーが必要になる時があるのに・・・
今度は寒さと闘わなくてはならなくなりました。
一難去ってまた一難・・・
ただ・・・豪雨との戦いよりはずっとマシです。
国道161号線に入り峠道を登ると
道の駅マキノ追坂峠がありました。
私達は温かいものを求めて道の駅に入ります。
「温かい缶コーヒーか何かないかなぁ・・・」
ところが自動販売機はまだ夏仕様。
みんな冷たいものばかり。
少しでも体の暖まるものをと
里山パン工房でカレーパンを補給しました。
「凄い雨でしたよね」
「きっと福井に向かった、あの年配のローディーも雨に降られているな」
ホッと一段落です。
ただ携帯で琵琶湖周辺の雨雲をチェックすると安心もしていられません。
大きな雨雲が湖西沿岸にかかっています。
琵琶湖自体には雨雲がありませんが雨雲の動きによっては
また雨中走行を強いられるかもしれません。
臨時漕会エースのYKさんに携帯画像を見せると
幾分ショックを受けたようでしたが・・・
「こういう事もあるさ!」
道の駅を出た臨時漕会列車は再び高速巡航モードへシフトしました。
流星のように疾走する臨時漕会列車が再び息を吹き返したのです。
南下するにつれ雨脚は弱くなり路面はやがてドライへ。
単独で走行するロードバイクや親子でサイクリングしている自転車を
一瞬のうちに抜き去っていきます。
「はやっ!」
子供が驚いて声を上げました。
こういう声が聞こえると、快感です。
ずぶ濡れの臨時漕会チームジャージもみるみる乾いて行きました。
人間のエネルギー効率は約25%。
残りの75%は熱にになって放出されます。
100Wのツーリングペースでも300Wの熱が体から放出されている事になります。
ちょっとした電気ストーブを抱えて走っているようなものですから
ずぶ濡れのチームジャージもすぐに乾いて行くのです。
視線を右に向けると山々の頂には雨雲がかかっています。
道の駅で携帯の画像で確認した雨雲でしょう。
もしかしたら琵琶湖北西の山岳地帯や比良山地の山々が
雨雲の進入をブロックしているのかもしれません。
走行条件が良くなってきたところで初心者のONIさんが一気に先頭に躍り出ました。
ONIさんの先頭交代は先頭が後ろに下がるのではなく
パワーとスタミナに物を言わせグイグイ後方から加速して先頭に立つ。
「なかなか先頭に立つチャンスが無かったんですよぉ~」
たしか後方からそう声がしていたっけ。
彼にしてみればここで役に立とうと頑張って加速したのかもしれません。
なんと走行距離が100kmを超えようかというのに
また時速35kmで引きはじめたのです。
(まだこんなに脚が残っているのか!)
私の脚には代謝されずに残っている乳酸が蓄積されています。
ONIさんの後方でドラフティングの恩恵に授かるとしても
時速35kmを維持しようと思えばAT値を大幅に超えて走行しなければなりません。
乳酸の蓄積が代謝のスピードを上回ってしまう。
このままでは自分が潰れる。
なんとか列車のスピードをコントロールしなければ・・・
温存していた大腿四頭筋点火!
下ハンダンシングで時速35kmで疾走するONIさんを追い越しにかかります。
再び私が先頭に立ってスピードをコントロールする作戦です。
エースが集団から逃げる時
アシストは集団の先頭に立ってスピードをコントロールします。
トレインであってもスピードが上がり過ぎれば
敢えて自分が先頭に立ってスピードをコントロールするのです。
これはホントに速い人を相手に練習した時に
臨時漕会エースのYKさんから教わった作戦。
ポジションすらまだ出ていない初心者1年目のONIさん相手に
抑えにかからないといけないなんて・・・
素材としては素晴らしい!
私など足元にも及ばない。
ドラフティングのテクニックや集団走行でのテクニックを学べば
きっと結果を出せるに違いない。
ヒルクライムレースだけで終わらせるにはホントにもったいないです。
このまま高速列車で大津まで帰れるかと思いきや
連休の最終日とあって国道は大渋滞。
コンビニへ補給に入るとトイレ待ちの列が出来ていました。
一体どのくらいの時間渋滞に巻き込まれていたんでしょうね。
「こうなれば絶対自転車の方が速いですよね」
チームジャージに身を包んだ我々を
ドライバーたちが羨望のまなざしで見つめています。
私達は渋滞する国道を嫌ってサイクリングロードへ移動しました。
多かれ少なかれ疲労度が増している私達には
調度よい回復走だったのかもしれません。
左手に目をやると朝見た琵琶湖と変わらない景色が広がっていました。
琵琶湖沿岸に住む人々の文化や精神性に大きな影響を与えているのでしょう。
「琵琶湖では、そこらじゅうに釣りをしている人がいるなぁ・・・」
「玄関開ければすぐに釣り場があるみたいなもんでしょうね」
女の人も男の人も気軽に釣りを楽しんでいる。
そんな感じでした。
釣り道具を自転車に積んでぶらりと移動している釣り人にも出会いました。
彼らにとって琵琶湖は生活の一部。
湖のある生活は、よその土地からやってきた私達には贅沢で羨ましい限りです。
これからはどんどん日没が早くなって
ロングライドの季節は終わりを迎えます。
夏の余韻の琵琶湖一周ロングライド。
雨には降られましたが、
今シーズン最後のチャンスに決行した価値は大いにあったと思います。
サイクリングロードから一般道に戻り
大津の目印となっていた観覧車が見えてきました。
大津市34万都市の喧騒が戻ってきました。
遠くから見えていた観覧車が今はもう目の前です。
琵琶湖一周ロングライドも最終ステージを迎え
大観覧車は我々にとってツール・ド・フランスの凱旋門みたいな存在。
(ちょっと言い過ぎ!)
戻ってきたなと実感できる象徴的な構造物なのです。
道の駅に戻り車に自転車を積み込むと
天然温泉比良とぴあへ向かいました。
ロングライドのシメはやっぱり温泉ですよね。
今日あった出来事を味わう様に自転車談義。
ONIさんとは初対面だったのですが
大雨の中をともに走った言わば戦友。
他の人たちから見れば旧知の仲の様に見えたでしょうね。
夏の余韻の琵琶湖一周ロングライド、
大成功でした!
走行距離…146.73km
時間…5:30:47
平均速度…26.6km
最高速度…48.2km
積算距離…15834.3km
消費㌍…3177kcal
補給食…###kcal
心拍…Avg.75%(137)Max.92%(168)
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
途中、大雨に見舞われたロングライドでしたが
男の友情を深める結果となりました。
コースは平坦路で初心者の方でも充分楽しめると思いました。
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恒例行事にしたいです。
とっても速いアベレージだと思いますが
圧倒的な平坦路の琵琶湖という特殊性を考慮しなければなりません。
ワンランク上の速度感を体感できる・・・
その速度感が琵琶湖の魅力なのだと思います。
雄琴をイメージしているのでしょうか(爆)
臨時漕会の一員として、参加出来たことに感謝しております。
また、サポート・ご指導頂きありがとうございます。
臨時漕会メンバー勢ぞろいで、走行出来るのを楽しみにしております。
次回、一緒に走るのが楽しみです。
どうです?耐久レースにも一緒に出ませんか?
耐久レースだったら今すぐに走っても
順位は半分より上に行くんじゃないですかね。