琵琶湖一周最大の苦難が晴れ男に降り注ぐ! |
琵琶湖沿岸から一旦離れ賤ヶ岳(しずがたけ)方面を目指します。
琵琶湖沿岸から少し離れるだけで
どこにでもある田舎の田園風景が広がります。
田んぼが広がり、用水路があって川土手に桜の木が植えてある。
琵琶湖が見えなくなるだけで
まるで相生周辺の田舎道を走っているような錯覚にとらわれます。
琵琶湖一周をするにあたって木ノ本町という標識が出てきたら
少し注意して走ったほうが良いでしょう。
国道8号線と合流する大音という交差点が出てきたら
旧道を通行する方が絶対的に安全だそうです。
これは出発前に私がネットで調べた情報です。
大型車の通行量の多い国道は危険と察知したためです。
旧道は村中の小学校の裏手を少々ヒルクライム。
私がダンシングで前に出るとONIさんも負けじと前に出ます。
さすがはヒルクライムレースで鍛えた登坂力。
あっという間にトンネルに突入しました。
トンネルを抜けるという事はトンネルの先には違う世界が広がる事を意味します。
雨が降っていたり、時には雪国だったり・・・
トンネルの先の光は我々の心を無条件にワクワクさせます。
この光りの先にどんな景色が広がっているのか?
曇り空と携帯写真の限界で画像では表現できませんが
私達の眼前には確かに絶景が広がっていました。
湖北では湖面からいきなり急峻な山岳地帯がつながっています。
彦根や米原のように浜辺があったり葦原があったりとは違う。
山々に隔てられて閉鎖的だが、けがれの無い風景。
思わず記念写真を撮ります。
私達はそろそろ琵琶湖最北端に近いところまで走ってきました。
湖面からすぐに森が始まる湖北の景色。
その山の向こうに雨雲がかかっているのが見えました。
その雲の下は明らかに雨が降っていると分かる。
風の中に水の匂いがしました。
雨が近い!
ヘルメットにパチッ・・・パチッ・・・と雨粒が当たりだします。
「ついに降ってきましたよぉ~」
少々の雨は覚悟していたが
これで雨に濡れずに琵琶湖一周出来るんじゃないかという淡い期待は打ち砕かれました。
ヘルメットに当たる雨粒がパチパチパチパチっと連続音に変わります。
「雨宿りするかぁ~!」
YKさんが声を上げましたがすぐに撤回。
「いや、やめよう・・・」
天気予報は午後3時からずっと弱雨。
ここで雨宿りしたところで雨が上がる保証はないのです。
我々臨時漕会列車は停車することなく雨中走行を選択しました。
雨脚は弱まるどころか強まる一方。
タイヤが跳ねあげる雨水がレーパンのお尻を濡らします。
やがて目を開けているのも辛いほど
雨脚が強くなってきました。
このタイミングで私達は本格的な峠をクリアしなければなりません。
この長い琵琶湖一周の行程の中で唯一の山岳コース。
登坂する道路の路側帯はまるで川。
勾配が強くなればなるほど、そして雨が強く降れば降るほど
流れは強くなり、リムまで水に浸かりながら走行します。
湖北の峠から眺める琵琶湖は絶景だったに違いありません。
しかし私の記憶の中に、この峠の景色の記憶はほとんどありません。
なぜなら雨粒が目に入って痛いため
ずっと下を向いて走行せざるを得なかったからです。
記憶に残るのは川の流れの様な中を水を切って進んでい行くロードバイクの前輪。
とYKさん。
「私以上に強力な雨男が琵琶湖を走っているようです」
とONIさん。
私やYKさんにしてもこれほど激しい雨の中を走った事は記憶に無い。
私達が土砂降りの雨と格闘している頃、
私の携帯にはFK氏からメールが入っていたようです。
「湖北に活発な雨雲がかかっているけど大丈夫?」
FK氏によると私達は雨雲レーダーの、いわゆる赤い雲の中を走っていたそうです。
私は雨中走行中・・・
FK氏のメールに気付く余裕はありませんでしたが・・・
そもそも琵琶湖一周の調度折り返し地点に到達してからの土砂降りは
私達に選択肢というものを与えませんでした。
これがスタートしてから30kmくらいのところで土砂降りになれば
すぐさま引き返して車で温泉にでも行けるでしょう。
しかし折り返し地点で降られれば
私達には進むしか選択肢が無いのです。
今日帰るためには進むしかない。
明日仕事に行くにはペダリングするしか無いのです。
人間、選択肢が無くなると笑うしかないのでしょうか?
後ろを振り返ると臨時漕会エースのYKさんが満面の笑みで雨に濡れていました。
臨時漕会の列車は私を先頭にアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を高めていきます。
登りも辛いが下りは怖い。
雨に濡れたロードバイクのブレーキは驚くほど制動距離が落ちます。
フルブレーキの力でブレーキングしてもじんわりとしか効かない。
ゆるゆると徐行するような下りは不安で爽快感とは程遠い。
辛い登りと不安な下りを繰り返して
私達はやがてトンネルまで辿り着きました。
トンネルに入ればとりあえず雨に濡れなくて済む。
「はぁ~トンネルやぁ~ホッとしますね」
トンネルは土砂降りから私達を守ってくれるシェルターとなりました。
銃撃戦から退避した兵士達のようにひと時の安堵感を味わっていました。
トンネルを抜けるということは違う世界に抜けるという事。
そこにはどんな景色が待っているのでしょうか?
トンネルの先は晴れ?
それともやっぱり土砂降り?
不安と期待が入り混じり暗いトンネルを走行します。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
今日はここまで書いて力尽きました。
続きは後日必ず書きますね。
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