屋外の自転車VS屋内のバレーボール、熱中症になりやすいのはどっち? |
体調管理はいかがでしたでしょうか?
私は夏太りしてしまいました。
猛暑日など、高温下でスポーツを行う時に最も注意するのは
体温コントロールです。
今日はその事について考えてみようと思います。
私は自転車で炎天下走ることもありますし
猛暑日に体育館でバレーボールの試合をする事もあります。
この二つのスポーツを
同じ気温と湿度の中で行ったとしたら
どちらが熱中症になりやすいと思いますか?
実は9月5日(日)にバレーボールの試合に行ってきました。
予想最高気温は37度。
文句なしの猛暑日です。
この日は各地で9月としては観測史上最高を各地で記録しました。
開会式では各チーム熱中症を予防するため水分補給をマメにすることと
エアコンがある部屋を解放するので休憩はそこでとってもよい等
通常の諸注意とは違った指示が出されました。
体育館で試合がある時は、ボールが風の影響で変化しないように
必要最低限の窓しか開けません。
しかも、窓からの光が眩しいとプレーに影響しますので暗幕をします。
バレーボールはこのような暑熱環境で行われます。
このような環境ではうちわが大活躍。
汗拭きタオルはすぐに水分で重くなってしまいます。
ボールは選手の汗で濡れてしまうため
タイムアウトやセット間に副審がタオルで拭いたりします。
そうしないと滑ってプレーに影響するからです。
かたや自転車はどうでしょう。
太陽からの輻射熱が直接体を熱します。
太陽の輻射熱は強力で、黒い車の塗装など熱くてさわれません。
更にアスファルトからの照り返しによって
路上の温度は40度を超えることも珍しくありません。
そんな中、我々自転車乗りは長時間ペダルをこぎ続けるのです。
屋外で炎天下の中、太陽の光を直接浴びながら走る自転車と
屋内で太陽の光は遮断しますが、ほぼ締め切った体育館でプレーするバレーボールと
どちらが、熱中症になりやすいかという疑問を考える上で
私は、汗に着目して色々調べてみました。
まず、気温が体温より低い時、体の熱は皮膚表面から放熱されます。
真冬に裸で外に出たら、体の表面から熱がどんどん奪われてガタガタと震えてしまいます。
熱は温度の高い方から低い方へ行きます。
ガタガタ震えるのは体温が低下するのを防ぐため無意識に起こります。
では、気温が体温より高いとどうなるでしょう。
例えば、気温40度だったらどうでしょう。
熱は、高い方から低い方へ行きますから、皮膚と接する空気から
熱はどんどん、体内へ取り込まれて行きます。
このままだったら体温は40度になって正常に動けなくなります。
そこで人間は汗をかきます。
皮膚表面の汗は蒸発するときに熱を奪います。
これを気化熱といいます。
この気化熱によって体温を適正な温度まで下げる事が出来ます。
皮膚表面から空気中へ熱を放熱する事を非蒸発性熱放散といい、
皮膚表面から汗を蒸発させて熱を放熱することを蒸発性熱放散といいます。
この二つのルートで体の熱を放熱します。
この二つののルートから、効率よく熱を逃がすために
人間は皮膚の血管を拡張させたり収縮させたりします。
寒い時は、体温を伴った血液から皮膚を通して放熱を起こりにくくするために
皮膚の血管を収縮させます。
逆に暑い時は皮膚表面の血管を拡張して体温を伴った血液を皮膚表面に集める事で
皮膚表面から多量の熱を放出しようとします。
そして、更に暑くなれば汗をかいて気化熱によっても体温を下げていきます。
体温を下げるというメカニズムは大まかにはこんなところだろうと思います。
この仕組みはバレーボールであろうと自転車であろうと同じです。
では、バレーボールと自転車では何が違ってくるのでしょうか?
私が考えるのは、汗のかきかたです。
9月5日(日)の試合の時は汗ダラダラでした。
当たり前ですよね。
皮膚の表面から汗が水滴となって滴り落ちていました。
床の上にも私の汗が落ちていました。
ラインズマンをしている時に、私の立っていた床には汗が滴って
拭いても拭いてもキリがありませんでした。
屋外で自転車に乗る時はどうでしょう?
バレーボールの時のような汗のかきかたはしません。
扇風機の風を受けながら走っているようなものですから
汗で自転車がベトベトになるなんてことはありません。
実はバレーボールをしている時にかく
床に落ちるような汗を無効発汗といいます。
読んで字のごとく、体温を下げるのに役に立たない汗ということです。
大量の汗が体の表面を覆ってしまうと熱は汗自体に移ろうとしますが
所詮、高温の体から発生した汗ですから
それほど多量の熱を吸収出来ません。
気化するのに時間がかかりますから気化熱によって熱を奪う事にもそれほど頼れません。
結果として、熱が体にこもる事になり
熱中症のリスクが高くなるのではないかと思います。
自転車は走行中に受ける大量の風によって
かいた汗が即、気化しやすく気化熱によって体温を下げやすいと思います。
無効発汗の少ない自転車の方がより熱中症のリスクは低いと思います。
レーパンに塩が吹いていた、なんていうのは汗が蒸発した跡です。
自転車もバレーボールも
1時間当たりの消費カロリーは500kcal程度と言われています。
運動量としては同等でも、風を受けながら走る自転車の方が冷却効率が高いのです。
その冷却能力は太陽からの輻射熱を気化熱によってカバー出来るものだと思います。
風を受けて汗を気化させて走る時の冷却能力は思った以上に高く
私の場合、炎天下のロングライドでも
お腹のあたりが冷えて調子が悪くなる事もあります。
お腹のあたりは、太陽からの輻射熱を受ける事も無く
汗をかきながらひたすら風に当たっている部分です。
ここは自転車の場合、注意が必要です。
長い下りでは運動量は低くなるのに逆に冷却能力は高くなります。
ジャージのポケットにスーパーのレジ袋なんかを入れておき
下りでいっきにお腹が冷えるのを防ぐため
ジャージの下に忍ばせている人もいるようです。
レジ袋なら要らなくなればコンビニのゴミ箱にでも、いつでも捨てられるので
グッドアイデアだと思いました。
わざわざ、それ用のウィンドブレーカーを用意しなくていいですからね。
気化熱の冷却能力は本当に高いです。
今ほどエアコンが普及していなかった時代、
扇風機の風に当たりっぱなしで眠って死亡する事故が、結構あったんですよ。
あくまで私の考えですが
両方やった事があるものから言わせてもらえば
屋外で自転車乗る方が単純に涼しいです。
今日の問題は室内でローラー台乗った事がある人には
すぐに分かったかもしれませんね。
ちなみに自転車でも無茶をすれば熱中症になると思うので気を付けましょう。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
このブログは、にほんブログ村ロードバイク部門ランキングに参加しています。
下のバナーをクリックして人気投票していただけると嬉しいです。
にほんブログ村
「ほら、日射病になるから帽子かぶって行きな!」と親に言われたものです。
ですので昨今「熱中症で家の中にいた老人が死亡」なんて聞くと、「えっ?室内で熱中症?」と不思議に思っていましたが、今回のa-elfさんの記事でものすごく理解できました。
それから、長い下りでの冷却効果の話もためになりました。確かに汗をかいたジャージの腹は冷えますね‥。これから、気を付けたいと思います。
地球温暖化の影響でしょうか?
我々が子供のころに比べて
今の方が子供が外で遊ぶのは危険かもしれませんね。
老人が部屋の中で熱中症になるのは
老化がひとつの原因と言われています。
脳の視床下部にある体温調節中枢の機能が低下して
そもそも暑さを感じにくくなっているようです。
もちろん汗腺の機能も衰えているはずです。
私が部屋に入ると暑いと感じるのに
うちの父は平気な顔をしています。
口を酸っぱくしてエアコンをかけるように言っています。
あんまり意識してないですが・・・