しまなみ海道いきなりクライマックス |
せっかくしまなみまで来て2日とも雨にやられたんじゃあかわいそ過ぎる。
そんな事にならないように晴れ神様に頼んだ甲斐があったのか、
しまなみ海道2日目の朝、我々は旅館の窓から朝日を拝む事が出来た。
我々にとっては正月の初日の出よりありがたい太陽である。
私はあとの二人を叩き起こした。
これで乗れる。
朝食を急いで済まし、出発の準備だ。
風は弱く、路面はほぼドライ。
ウェアは一応冬バージョンを選択。
1日目は雨で乗れなかったうえに今日の午後6時からHN氏には予定がある。
午後2時半にしまなみを出なければならない。
我々はしまなみ海道のクライマックスである
来島海峡大橋をいきなり目指す事にした。
我々が拠点にした道の駅多々羅しまなみ公園を出発したのは午前9時過ぎ、
急ぐ程でも無いがポタのペースでは終わらない。
北よりの風に乗って順調に南下する。
これからしまなみ海道に行く方にアドバイスだが、
しまなみ海道を自転車で走行するなら
小銭を用意しなければならない。
特に50円玉は必須だ。
なぜなら7つの橋のうち、4つの通行料が50円だからである。
仮に往復すれば8枚も50円玉が要るのだ。
普通、財布の中に8枚も50円玉ありますか?
最初の大三島橋でHM氏が50円玉を持っていなかったので、
私がHM氏に50円玉を渡し、HM氏が二人分の100円を支払った。
次の伯方・大島大橋にきた時、今度は私が50円玉を持っていなかったので、
HM氏が私に50円玉を渡し、私が二人分の100円を支払った。
あれっ、この50円玉って、さっき、私がHM氏に渡した50円玉じゃなかったっけ?
そのとおり。
前言を撤回しよう。
しまなみ海道を二人で行くなら、50円玉は要らない。
その度に二人分の100円を払えばいいのである。
私らはちょっとバカなんで実際に50円玉の貸し借りをしなければ分からなかったのだ。
恐らく、私とHM氏は私立の小学校を受験すれば、
間違いなく不合格であろう。
しまなみ海道の自転車の
通行料金は例えるなら神社の賽銭箱である。
我々自転車乗りの良心に大きく委ねられている。
絶対に払わなくちゃあならない。
自転車は紳士のスポーツだからである。
途中、料金所で一旦停止もせず、
もちろん料金も払わず突破するミニバイクに遭遇した。
危険であるし、いい気はしない。
道中のHN氏はしまなみ海道初心者のHM氏に、
しまなみ海道のおすすめトーク全開である。
「なぁ、橋の上からの景色ええやろ」
「海きれいやろ!海底の砂が見えるで!」
そうこうしている内に、しまなみ海道最大の来島海峡大橋を迎える。
高さも長さも、今までの橋とは格がちがう。
橋を渡るまでに、二輪専用のループ橋を登るのだ。
まるで自転車版インターチェンジだ。
「本州側の天気はいいが、四国側は悪いな」
「あんな小さな島にも集落があるんやな」
我々は飛行機に乗っているのでは無い。
自転車に乗っていて、こんな会話が出来るのだ。
世界広しといえども、空中散歩が出来る自転車道はここだけじゃないか?
しまなみ海道を有する日本の自転車乗りは幸せである。
四国の今治に上陸した我々は、来島海峡展望館より、
瀬戸内の多島美と橋のコラボの美しさに言葉もなく、
ただ景色を眺めるのみであった。
行きが追い風なら帰りは向かい風である。
障害物も何も無い橋の上は特に風が強い。
我々は自然と列車を形成する。
前方の路面状況を掴みにくいドラフティングをしていると、
しまなみの島々の道は明らかに劣化している事が分かる。
車止めの支柱が破壊されたままになって、
木の切株のように路面から突き出ている。そんな所が何ヶ所もあった。
私はその切株もどきに前輪を乗り上げて、危うく落車しそうになった。
アスファルトも、何度も掘っては埋める工事を繰り返したのだろう。
荒れている。
6年前と比べ進化していたのではなく退化していたのは悲しい限りだ。
次に向かう伯方島には、6年前の忘れ物がある。
6年前、私とHN氏はぜひおいしい伯方の塩ラーメンを食べたかったのだが、
入ったお店が大したお店ではなく、
私がつくるインスタントラーメンの方がよっぽどおいしいと思うような味だったのだ。
今回はおいしい伯方の塩ラーメンを食べるという忘れ物を取り返すため、
るるぶでちゃんとリサーチし、有名店のさんわに行った。
我々はまず、伯方の塩ラーメンを注文。これは外せない。
そしてもう一品。揚げ餃子を注文した。
この餃子は一般的な餃子のタレではいただかない。
塩ダレか伯方の塩でいただく。
特に塩ダレは卵かけご飯やチャーハンの味付け、
ドレッシングにも使えるというすぐれもの。
舐めてみると確かにうまい。
うまいとしか表現出来ないのはもどかしいが、
表現力の無い私が表現するにはうまいとしか言いようがないのでご勘弁頂きたい。
そしてこの店にはオマケがある。
かわいい女性店員がいる。
珍しくHM氏が
「ブログ用に写真撮っといてよ」
って言ったが、さすがに肖像権の問題もあるし、
写真を撮らせて下さいなんて、いい歳こいたオジチャンが、
かわいいお嬢ちゃんに言える訳がない。
文章で表現するなら、
決して派手ではない二重の瞳。
鼻筋の通った上品な鼻に口数の少ない小さめの唇。
後ろでアップした髪から、華奢な肩に遅れ髪が垂れている。
控え目だが芯の強い女性。
そんな感じだ。
塩ダレの味はうまいとしか書かないくせに、
こーゆー事はヘタなりに書きたがるのは男としてのサガかな。
ラーメンを食った後、潮流の良く見える展望台に立ち寄った。
しまなみではうず潮がそこらじゅうで見れる。
潮の速度は時速18kmにもなるそうで、感覚としては川だ。
音も、寄せてはかえす波の音では無くて、ザーッと流れる川の音に近い。
携帯写真では良く分からないかもしれないが、
しまなみに来たなら潮流を見ずに帰るのはもったいない。
伯方島を後に大三島橋を渡って下ればゴールまではカウントダウンだ。
我々は此処でこの旅の象徴的な出逢いを迎える。
我々が坂を下るのとは反対方向から、
昨晩我々が妄想した女子学生そのもののグループがレンタサイクルに乗って登って来た。
暑くなったのか全員揃って上着を自転車の前カゴに入れ、
「サイクリングってしんどいけど楽しいわね」って言う会話が聞こえそうなくらい、
何のけがれも無い、満面の笑みで自転車を漕いでいる。
先頭のツインテールに髪を束ねた女の子が、
その笑みを浮かべたまま
「こんにちは~」と会釈する。
我々のようなオッサンの一団に、お声をかけて頂いた。
一陣の風がとおり過ぎたあと、花が香りを残していくような、
そんなわずかな出逢いである。
時間にすれば2~3秒。
先頭のHN氏が振り返って私に目で合図する。
オッサンの鼻の下は
3cmは伸びていた。
本当である。
旅の終りとしては最高の締めくくりだ。
しまなみ海道の旅の思い出第1位は来島海峡大橋だが、
第2位はこの女子学生との出逢いである。
ただし、向こうはなぁ~んとも思ってないでしょうけど。
走行距離…71.01km
時間…3:16:28
平均速度…21.6km
最高速度…43.9km
積算距離…7607.2km
消費㌍…1593kcal
補給食…0kcal
心拍…Avg.70%(128)Max.92%(167)
ここまで読んで下さって本当にありがとうございます。
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うらやましい限りじゃないですか!私もしまなみ走りたいですなぁ。
仕事が…ブツブツ。
しまなみはやっぱり、いいですよ。
あんな橋を自転車で渡れるなんて、爽快です。
会計担当のHN氏に渡したお金は1万6千円でした。
高速代にガス代、宿代に食事代、お土産代も含めても2万円以内です。
おすすめですね。
のらひさん>たまたま姉が来ていたので姉に解凍してもらってみました。
私が携帯で撮った写真はよう送れませんのであしからず。